ファッションの秋を楽しもう

 街路樹も紅葉から落葉へと移行しつつあるマンハッタンの秋。ブライアントパーク裏のNY公立図書館前で秋の装いの女性にファッションインタビューを申し出た。「いいわよ、是非!丁度、ルームメートと一緒におめかしして写真撮影を楽しんでたの」。普段はH&M店員のアルバイトをしており、グッチのベルト、SHEINのセーターとフォーエバー21のコート以外は全身H&Mに身を包む。服を買うときは、その時のお気に入りブランドに集中してしまう。今はH&MとZARAが自分の中のトレンドだ。ショッピングはお洒落ニューヨーカーの集うソーホーへ。そのついでに大好きなプリンス・ストリート・ピザについ立ち寄ってしまうのだとか。そんな彼女はカルフォルニア出身で、現在はNY大学在学中の学生。マンハッタンの出没スポットを聞いてみると、「キャンパス近くのワシントンスクエアが地元って感じで落ち着くわ。色んな人との出会いがあって、まさに多様性を経験できるの。読書も進むしね。後はアッパーイーストサイドでカフェ巡りを堪能してるわ」。この後は、一緒に写真撮影中のルームメートと共に夕食を楽しむ。「そしてバーに寄って一杯飲んじゃうかもね」。ハロウィンパレードやニューヨークシティマラソン。街を挙げたイベントも盛りだくさんのニューヨークの秋には世界中から個性豊かな人たちが集まり、ファッション発信地に相応しい華やぎを見せる。厳しい冬の到来を前に、街に繰り出してNYの11月を楽しもう。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

故安倍元首相を偲ぶ、第14回風の環コンサート

3年ぶりにNYで開催

 今年で14回目を迎える風の環コンサートが11月13日(日)午後4時30分から、Good Shepherd-Faith Presbyterian Church (西66丁目152番地)で開催される。一昨年、コロナ禍で奮闘するNYの医療従事者を応援するチャリティコンサートを宮城県仙台市で開催して以来2年ぶり、NYでの開催は3年ぶりとなる。(主催:NPO法人風の環コンサート、協賛:混声合唱団Japan Choral Harmony「とも」)

 今年は「ありがとう! 安倍元首相」と題し、7月8日凶弾に倒れた故安倍元首相への追悼の意味を込めるコンサートとなる予定。非業の死を遂げた偉大なリーダーへの感謝と哀悼の思いをニューヨークから発信する。コンサートではJCH「とも」が追悼の意味を込め「Memorial Processional」などを演奏するほか、弦楽を中心とする風の環室内アンサンブルがサミュエル・バーバーの「アダージョ」などを演奏する。Memorial ProcessionalはJCH音楽監督の白田正樹氏が、友人のオーケストラ指揮者グレゴリー・シンガー氏が東日本大震災被災者の追悼曲として作曲した交響曲を混声合唱用に編曲したもの。また風の環少年少女合唱団、ボストン在住のソプラノ歌手・野中百合子さんが出演。恒例の被災地のアーティスト参加では、仙台から宮城学院女子大学音楽科合唱団がビデオ参加する予定。

 入場無料。問い合わせは電話917・371・8386、またはEメールjapan.choral.harmony@gmail.com(Mike Shirotaさん)まで。詳細はウェブサイトhttp://jch-tomo.org

国際的で身も心も美しく

ワンストーリーアワード

北米大会を開催

  株式会社ONE STORY AWARD(ワンストーリーアワード、福岡県福岡市、鶴田一磨代表)は、一人一人の経験や人生の歩みを称賛する新しい祭典「ONE STORY AWARD」を8日、ブルックリンのMIKAで開催した。「人と人、人と国」を繋ぐことを目的として2022年9月に日本(宮城県仙台市)に次ぐ大会で、今後は世界各地で開催が予定されている。同アワードは、心身美在をモットーとした女性たちのための新しいアワード。心と身体の美と健康、グローバルな言語、文化を学び続ける機会を提供し、一人一人が紡いでいく人生の物語を讃える祭典。

 8日に開催された本アワードでは、書類選考により選ばれたファイナリスト14人がドレスでレッドカーペットを歩いた後、美と教育に対する自分自身の考えや、賞金3000USドルを人のためにどう使いたいかについてスピーチを行った。Top of AWARD に選出されたのは、ボストン出身の今年ニューヨーク大学を卒業したオリビア・キャリーさん(22)で、「公園の市民サービスを充実させることで環境問題を考えて地域社会に貢献して行きたい。賞金3000USドルは植樹など地域社会の環境整備のために使いたい」と喜びを語った。キャリーさんは次年度以降に開催される日本大会へ招待される。

 当日は、特別ゲストで、人類の火星基地をNASAと共同開発する曽野正之氏による未来の建築、これからの可能性についてのスピーチがあり、子どもたちが国際交流や宇宙に興味を持つような未来への展望にも触れた。また、NYと日本をジャズギタリストとして橋渡しをする中井勉氏が大会をプロデュース。USA全米ディレクターは長久保美奈氏。グラミー賞受賞のトップミュージシャンらによる演奏やタップダンスが行われた。日本から本大会のために来米した鶴田代表は「11月8日。今日という日がワンストーリーアワードNYの誕生日です。ここニューヨークでこれから一年、一年みなさんと共に、成長していくワンストーリーアワードをお楽しみください。日本の文化を世界の文化を繋げていく役割を果たしたいです。皆さんと出会えた今日という日に感謝します」と語った。長久保USAディレクターは「皆様が日々取り組んでいることを輝いて力づよくスピーチする姿に感動しました」と話した。

(写真)発表後、優勝したキャリーさん(中央)と長久保USAディレクター(左)と鶴田代表

デサントスによる共和党正常化は可能か?

 今回の中間選挙では、夏までに行われていた共和党の予備選では、トランプ前大統領が推薦する候補が圧倒的な強さを見せていた。つまり、共和党の現職である議員や知事、あるいは穏健派の候補に対して、トランプ派の候補がどんどん統一候補の地位を奪っていったのだ。一部の統計では、予備選におけるトランプ推薦候補の勝率は、166勝10敗で勝率は94%という数字もあるぐらいだ。

 その時期には、トランプ派の主張は警戒されていた。例えば「2020年の大統領選でのバイデン勝利はウソだ」などという主張は、無党派中間層には敬遠されるに違いない、そうした分析がされることが多かった。事実、共和党本部はこうした予備選の推移に頭を抱える局面もあった。

 こうした経緯を考えると、今回の中間選挙における共和党の優勢(注、万が一、民主善戦の場合は、この「優勢」は「健闘」に変更)という事実を踏まえると、トランプの復権は確かであり、この勢いで2024年の大統領選へ向けての候補となる可能性は濃厚と思うのが自然かもしれない。実際に、日本ではそのような見込み報道が多くなっている。

 だが、ここ1週間から10日の動き、つまり今回の中間選挙の直前の政治情勢を見ていると、必ずしもトランプ躍進という評価は出来ない。全く別のモメンタムが動き始めているのを感じるからだ。

 まず今回の中間選挙の結果だが、共和党がかなりの集票を実現できた背景は、トランプ人気の拡大ではない。まして、2020年の選挙結果への異議申し立てでもない。原因は1つ、無理に拡大してもせいぜい2つである。1つは勿論、インフレだ。もう1つは都市部の治安問題である。特にここニューヨークの場合は、コロナ禍の出口に差し掛かっても治安問題は一向に解決せず、市民の怒りはかなり溜まっている。

 自分たちはインフレと治安問題に苦しんでいるのに、バイデン大統領は、環境問題、中絶問題、そして民主主義の危機の話ばかりしている、そんな印象が広がったのだった。結果的に、その怒りがある臨界点を越えることで、トランプやトランプの推薦する候補は決して好きではないが、それ以前にインフレと治安問題への怒りから、今回は「共和党に投票する」という行動に至っているのだと考えられる。

 つまりトランプへの支持が拡大したのではなく、民主党への怒りが巨大な投票行動になった、今回の中間選挙についてはそのような説明をする必要がありそうだ。では、その「トランプへの支持ではない」共和党票は、この先、2024年の大統領選ではどちらへ向かうのだろうか。

 勿論、共和党としては大統領候補のトップランナーはトランプで変わらないという声もある。事実世論調査をすると、トランプが2024年へ向けての候補ということでは今のところはトップである。だが、今のトランプは2016年とは違う。まず、ペンス前副大統領とその支持者とは、既に決裂している。長女のイヴァンカ夫妻とも政治的には喧嘩別れとなっている。何と言っても2021年1月6日の議会暴動事件などを巡って、また機密文書持ち出しや脱税などの容疑もやがて事件化されるかも知れない。そんな中で、2020年に僅差で敗けた票数を再び取るのは難しいであろう。

 そこで出てきたのが、共和党の第二の候補、ロン・デサントス・フロリダ州知事である。コロナ禍に際して一切の対策の強制に反対とか、移民のニューヨーク「送りつけ」など、「ミニ・トランプ」と呼ばれるようなポピュリズム政策を平気でやる人物だが、一方で、イエール大を優等生表彰されて卒業、ハーバードの法学博士で、かつ海軍SEALSにも属して戦功に対して勲章も受けている。そして何よりも44歳と若い。もしかすると、保守派として大衆的な人気を得ながらも、政策としてはレーガンのような最善手を選択できる人物かもしれない。反対に、あくまでポピュリズムに依存して失敗する政治家という懸念も残る。いずれにしても、ここへ来てこのデサントスという「トランプ以外の選択肢」が出てきたというのは重要だ。

 トランプはこのデサントスを警戒して、突然悪口を言い始め、自分は11月14日に大統領選への出馬表明をすると言い出した。こうなったら、この両者、予備選における徹底的な論戦で勝負をつけてもらいたいものだ。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

NYの求人情報、給与表示を義務化

 NY市当局は1日、新たな給与透明化法を執行し、求人情報に給与の範囲を提示することが義務付けられた。 

 4人以上の従業員を雇用している同市内の事業主は、オンラインや企業説明会、掲示板などの求人機会で、求人する特定の職種の最低と最高の給与の幅、昇格や転勤の可能性を「誠実に」明記しなければならない。同法は、人種や性別の賃金差を軽減し、従業員が給与の交渉をしやすくなることを目的としている。同市人権委員会は「誠実な給与額」について「求人情報を提示した時点で、採用者に意欲的に支払う用意がある額」としている。 

 3日付の経済専門放送局CNBCのニュースサイトの記事は、同法に従い掲示され始めた求人情報について伝えた。レポーター職=5万~14万5000ドル、テクニカルライター職=12万5800~21万1300ドル、顧問弁護士=10万6000~24万1000、シティグループの顧客サービス業=6万1710~15万5290ドルなど、特定の職務にも関わらず給与の幅が極めて広く「意図的かどうかは不明だが、事業主は新法や従業員の要求に応じられるようさまざまな対処法を探っている様子が目立つ」とコメントしている。また10月30日付のウォールストリート・ジャーナル紙の記事は、事業主は求人情報の掲示を下げる代わりに、志望者に通常の電子メールで申請することを促したり、求人仲介会社に依頼するなど、代替案を検討する可能性もある、と指摘している。

 同法案に応じていない場合は、求職者や従業員は同市人権委員会に告訴し、事業主には違反改めとして30日間の猶予が与えられるが、それでも応じない場合は民事制裁金25万ドルが課せられる。NY州議会でも同様の法案が今年6月に可決され、今後州知事の署名後に執行される。

ホットドッグも値上げ

1本6ドルの所も

相場は4〜5ドル

 ニューヨークのタイムズスクエア界隈のホットドッグのベンダー(屋台)20軒に、ホットドッグ1本をいくらで販売しているか、値段を聞き取り調査してみた。パンデミック前まで1本3ドルが相場だった値段を現在も維持していたのは20軒中6軒で既に3割と少数派だった。4ドルが5軒、5ドルが7軒、6ドルが2軒と、4ドル以上が全体の7割を占めた。6ドルと答えた店は夜の販売値段。また、値段を確かめないで注文を先にして、ホットドッグを受け取る時に値段を6ドルと言う店もあった。また、値段を事前に聞いて4ドルと言われて断ると「Three dollar for you.(あんたは3ドルでいいよ)」と客を見て値段を変えるところもあった。調査対象は46丁目から50丁目の6番街、7番街、ブロードウエーの交差点に店を構えるベンダーで聞き取りは11月1日に行った。ホットドッグの価格の相場は現在4〜5ドルで、3ドルという店があれば良心的と言えそうだ。夜は6ドルの店も出没していることになる。

 連邦労働省が10月13日に発表した9月の米国の消費者物価指数は前年同月比で8・2%の上昇となり、特に食料品は11・2%上昇、物価全体の約3割のウエートを占める住居費が6・6%上昇している。

 ニューヨークではレストランでの外食費も料理の国別を問わず高騰している。たとえ名の知れた高級的ではなくとも、白無地のテーブルクロスがかかっていてウエイトレス、ウエイターが注文を取りにくるようなレストランでは、パンデミック前まで20ドル台後半から30ドル台前半が主流だったメインディッシュ1品の値段が、現在は40ドルを超えるのも珍しくない。ラーメン一杯がタックス、チップを入れて20ドルを超える店が多いマンハッタンだけに外食費の高騰は、末端のホットドッグ売り場にまで及んでいるようだ。

 外食費を抑えるために自炊するAさんは、天ぷら定食が食べたいと食材を日系スーパーで買ったら日本茄子2本パックが9ドルもして、外食するののと変わらない出費になったという。

HRを仕事にしたら給与はいくらか?(上)

クイックUSA 在米日系企業のHRネットワーク アメリカの人事部 112

 パンデミック環境のなか、HR(Human Resources)の仕事内容もこの2年で激動の渦中におかれ、大きく変容した。このような環境変化で、HRを仕事にした場合、報酬は

どの程度もらえるものなのだろうか?

 報酬データとソフトウェア会社である Payscale のHR賃金レポートが発表された。2021年7月から22年7月の間に米国中の3万7859人のHR専門家についての分析である。このデータにCHRO(Chief Human Resources Officer)等のExecutiveのデータは入っていない。

 人材育成関連のHRポジションが高い報酬トップに

大きな特徴としてはトレーニングやプロフェッショナル育成といった人材育成の分野のHRポジションが大きな報酬を得ていることが分かった。例えばTraining Administrator (トレーニング管理)というポジションでは1年間で21・7%の給与上昇があった。Professional Development Managerの給与中央値は30万8000ドル 、Learning Manager の給与中央値は21万4000と調査の中でも第1位、第3位の位置づけとなっている。これは人材育成のReskillingやUpskillingといった人材育成への関心やパンデミックの人材不足の中、限られた人材の中で市場の対応や企業戦略に応じた人材の配置のために人材育成担当のHRポジションに脚光があたっていることが分かるデータではないだろうか。

山口 憲和, MBA, SHRM-SCP 

Philosophy LLC 代表

www.919usa.com

おしゃれな大学のおしゃれでない話

 マリーパットは最近、ファッション工科大学(FIT=Fashion Institute of Technology)で、ある講座を受講することになった。客室乗務員として長い間、働いてきたが、数年前に退職し、自分のアート作品を作り続けている。

 FITはカルバン・クラインなど多くの有名デザイナーを輩出しているファッション専門大学で、全米はもとより世界中から学生が集まる。二十三丁目を中心にマンハッタン西部に広がるおしゃれなチェルシー地区にある。

 若い学生たちとともに、あこがれのFITで学び始める。マリーパットは気分も高揚していた。

 初日、教室に入っていくと、彼女以外の学生はほとんどが二十代だった。隣にすわっていた女子学生は、とてもフレンドリーだ。マリーパットと同じウィスコンシン州出身ということで、話はさらに盛り上がった。

 米中西部の最北にあるウィスコンシン州は、酪農が盛んだ。私も高校時代に留学していたことがあり、その町は人より牛の数のほうが多いといわれていた。

 若い学生と楽しい会話を交わしたあと、まだ授業前だったので、マリーパットは机に顔を伏せて少し眠った。

 と、突然、ものすごい音がして目が覚めた。教室中に鳴り響いたらしい。これから一緒に学び始めるクラスメートたちが全員、振り返り、マリーパットの顔を見つめている。

 そして、気がついた。それは、自分のおならだったことに。

 さっきまで親しく話しかけてくれた隣の女子学生の、投げかける視線が痛い。

あなたはやっぱり、ウィスコンシン州の農家の田舎娘だったのね—–。

 この話を友だちにしたら、私のために作詞作曲してくれたのよ。それも、シャワー浴びながら、できち

ゃったっていうから、すごいじゃない? タイトルは「She Was Friendly ‘Til I Farted」(あの娘はフレン

ドリーだったの、私がおならをするまでは)。

 そのとき、マリーパットは何歳だったの?

 I was sixty-six when I farted at FIT.

 六十六歳だったわ、FITで私がおならをしたとき。

 これも歌の題名になりそうだよって、モンティ(夫)が言うのよ。ビートルズの曲「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」(When I’m Sixty -Four)みたいでしょ。

 マリーパットはくったくなく笑う。

 ちょっと恥ずかしいこんな失敗も、おおらかなマリーパットのことだから、周りの冷たい視線も何のその、きっと大声で笑い飛ばしていたに違いない。

 マリーパットへ、私から一曲、贈ろう。

 I’ll Still Be Friendly If You Fart

 「私はフレンドリーなままよ、あなたがおならをしたって」

 このエッセイは、文春文庫「ニューヨークの魔法」シリーズ第5弾『ニューヨークの魔法のじかん』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

女性映画人の視点

ジャパン・ソサエティー、20日まで上映の見所

文化庁と共催

 ジャパン・ソサエティー(JS)と文化庁(ACA)の共催で11日(金)から20日(日)まで、ACAシネマプロジェクトシリーズ「女性映画人の視点 Women Filmmakers from JAPAN CUTS and Beyond」がJS内劇場(東47丁目333番地)で上映される。

 ゲストは、11日(金)が『ウェディング・ハイ』の大九明子監督、18日(金)が『川っぺりムコリッタ』の荻上直子監督を招き、上映後のトーク・セッションとパーティーを開催する。クロージングには、今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、カメラドール特別表彰を受けた早川千絵の『PLAN75』。そのほか、蜷川実花監督作『人間失格 太宰治と3人の女たち』、三島有紀子監督作『繕い裁つ人』、工藤梨穂監督作『裸足で鳴らしてみせろ』、中村真夕監督作『ワタシの中の彼女』、岨手由貴子監督作『グッド・ストライプス』など全17作品。女性の映画監督、脚本家、映像監督、プロデューサー等の作品に焦点を当て、近年の最新作を紹介するほか、クラシック作品、若手監督の作品も上映する。また、19日(土)には特別企画「Women in Film」と題したパネル・ディスカッションを実施する。

 入場料は一般15ドル、JS会員が10ドル。トークセッション&パーティー付き上映会は21ドル、JS会員 16ドル。チケット・詳細はウェブサイト www.japansociety.orgを参照。

(写真)Riverside Mukolitta  © 2021 ”Riverside Mukolitta” Film Partners

編集後記 2022年11月5日号


【編集後記】



 みなさん、こんにちは。赤穂浪士の事件を題材にした本格的な侍劇「忠臣蔵~四十七士」が日米両語の非営利劇団アマテラス座(AMATERASU ZA、芸術監督・Ako=アコ)によってオフブロードウエーのARTNYシアター(西53丁目502番地)で好評上演中です。ニューヨーク在住の日本人俳優たちによる初めての正式なオフブロードウエー公演。英語字幕表示で日本語セリフの舞台だけに、出演者たちの感情移入の機微が「人間ドラマ」として客席につぶさに伝わってくる舞台です。
 出演は、舞台ナレーションと大石内蔵助の妻りくにAko=写真右=、多門伝八郎/中村勘助/新井勘解由/土屋主税にヨシ天尾、富森助右衛門に小野功司、大久保権右衛門/原惣右衛門/お喜世 /寺坂吉右衛門に合田沙おり、加藤越中守/大石内蔵助に市川達生、大石主税/松の廊下の侍に前嶋利菜、梶川与惣兵衛/徳川綱豊/吉良方侍にジュンスエナガ、浅野内匠頭/堀部安兵衛に鈴木やす、吉良上野介/田村右京太夫/江島/小野寺十内に米倉裕子、侍によしむらみなみ。10月24日付NYタイムズ紙が「パーフェクトではないが、次の展開に引き込まれる作品」と辛口ながら写真入りで大きく扱ったことは、NYでの舞台としての成功を意味します。それにしても役者の皆さん、一人何役もしていた感じで、役作りに苦労したのではないかとも思います。見ている方も、ちょっと混乱するくらいの早変わりでした。好評につき13日(日)まで公演が延長されました。入場料は一般60ドル、学生・シニア30ドルですけど中学生と高校生は無料になりました。ぜひお薦めです。詳細はhttps://amaterasuza.ticketspice.com/chushingura-47-ronin
それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年11月5日号)

(1)不法移民をNYに送りこむ テキサス州とフロリダ州

(2)エドワード・ホッパーNY展 ホイットニー美術館で

(3)故安倍首相を偲ぶ NYで風の環コンサート

(4)ジャパン・パレード 2回目開催を決定

(5)海外邦人のマイナンバー 取得は2024年5月

(6)小室さん司法試験に合格 顔写真も刷新して弁護士へ

(7)KASHIYAMA旗艦店 マジソン街にオープン

(8)創作料理で結婚式演出 彰子タナワーさん

(9)俳優の魂が舞台に 忠臣蔵好評で1週間延長

(10 ) TAKEYAボーカルレッスン Belting発声法解説

NY市が「対応に限界」

テキサス州とフロリダ州が不法移民をバスで送り込む

4月以降2万人以上が到着

 移民受け入れに寛容なバイデン政権を批判する狙いで、テキサス州やフロリダ州などが今年4月から不法移民をバスでニューヨーク市に送り込んでいる。その数が10月18日で2万人を超えた。アダムス市長は「ニューヨーク市は移民のサンクチュアリー(聖域)」として受け入れてきたが、予想外の数の多さに対応仕切れておらず、市議や活動家らによる抗議デモが起きる始末。メディアのインタビューで「(移民危機が)私たちの経済を弱体化させている」と語るなどいらだちを隠せないようだ。

 市によれば、春以降に到着した移民のうち約1万3000人がホームレスや被災者などを収容するシェルター(避難所)にいる。避難所の滞在者は9月だけで6500人増加、総数6万人ほどとなっており、パンク寸前だ。

 市は避難所を増やしてきたが追いつかないため、9月末にブロンクスのオーチャードビーチの駐車場に1000人収容の大型テントの避難所を設置。しかし雨で浸水してしまう。10月3日に急きょイーストリバーにあるランドール島に移動すると発表したが、市議や州議会議員、移民・ホームレス支援団体の活動家ら数十人は13日、テント避難所に反対する抗議行動を市庁舎前で行った。ジャバリ・ブリスポート州上院議員(ブリックリン25区選出)は、「テント都市はあり得ない。ホテルを使うべきだ」と述べている。テントではハリケーンなどに対応できないし、家族では入れないためだ。

 大型テントの避難所は18日にランドール島に設営された。約1000床のベッドが並び、3度の食事も無料だが、大人単身者向けで4日間ほどの短期滞在を想定したもの。家族は入れない。このため、市は45ほどのホテルに避難所を開設した。最大級のスチュワートホテル(7番街31丁目)は300世帯ほどを収容できるという。廃業したホテルも利用する計画だ。

 NY市では泊まるところのない人には「避難所利用の権利」が法で保障されているため、避難所を確保する義務がある。アダムス市長は、「送り先がワシントンDC、シカゴ、ニューヨークをターゲットにしているのはなぜなのか。3市とも黒人市長だからか、それとも北部の都市に向けられているだけなのか」と語り、アボット・テキサス州知事らの黒人差別を示唆する発言も。移民政策は8日に行われる中間選挙でも争点の一つとなっている。