感謝祭の食卓を彩る

Happy Thanksgiving Day

 日本に戻られた方もぜひこの時期久しぶりにアメリカの懐かしい感謝祭を楽しんでくださいね。ターキーは日本ではなかなか手に入らないので、チキンですがなかなかいい感じに仕上がります。スタッフィングも作りたくなりますね。 

 ひざ掛けをドーンとテーブルに斜めにかけて、あえてテーブルの木目を出しています。いらなくなったお子さんのマフラー等でも可愛いテーブルランナーになりますよ。ぜひやってみてください。 

◆感謝祭のテーブルのポイント♬ 

Point1 鳥柄のプレートと沢山の秋の実りのものを♪ 

 絵皿を使えばそれだけで感謝祭のテーブルに。とはいうものの1年に一回使うだけのためのお皿を買うのはどうも、という方も多いはず。そんな方もこの時期出回るターキー柄の紙ナプキンをお皿に乗せてみてください。それだけで十分季節感のあるテーブルになります。 

 また、イベント用のアイテムを揃えるのは楽しいですが収納場所に困るはず。お部屋や冷蔵庫の中を探してそれを飾ってみてください。かぼちゃをはじめ、リンゴ、柿、洋梨、ザクロ、そしてきのこなんかも面白いとおもいます。あるもので楽しむこともとっても大切ですね。日常の中に素敵なものが沢山ありますよ。 

Point2 ワインボトルもモフモフした布でカバー♪

 ボトルもおめかししてあげましょう。フェイクファーでもニットでも。ひざ掛けやマフラーもそうですが、テーブルに温かさが生まれます。秋冬のテーブルには皮革を取り入れるのも季節感が出ます。今回はワインボトルに結びましたがナプキンリングの代わりにしても素敵です。 

Point3 グラスをキャンドルホルダーに♪ 

 キャンドルホルダーをわざわざ買っても普段使わないし、という方も多いと思います。でもちょっとお料理も頑張ったイベントの食卓の時には、キャンドルがあるだけでなんだかとっても素敵に見えるもの。 

 コップや脚付きのあまり背の高くないゴブレットをさかさまにしてその上にキャンドルを乗せてみましょう。 

 コップの中に松ぼっくりなどいれてもいいですね。LEDのキャンドルを持っておくといつでも手軽にしかも安全に使えるのでお勧めです。 

Point4 手作りの毛糸のかぼちゃと羽をテーブルに散らす♪ 

 毎年手作りの毛糸のかぼちゃをテーブルに置いています。クラスで作っていただくこともありますが、いつも好評で人気者。テーブルに温かさが増しますね。鳥の羽もサンクスギビング感に一役買ってくれます。ただしゲストや家族に鳥が苦手な人がいないか確認してくださいね。 

 いよいよあと1週間ちょっとで感謝祭。少しでも皆様のパーティーの参考になればうれしいです。素敵な時をお過ごしくださいね。


大石育子(Ikuko Oishi) 

インテリアコーディネーター、食空間プランナー、日本クラブカルチャー講座講師。東京ドームテーブルウェアフェスティバル2019年入選,2020年2部門入選&奨励賞受賞。

https://lit.link/atelierdeikukonewyork

ブロードウエー博物館、タイムズスクエア地区にオープン

NYの新観光名所に

吉井さん

 マンハッタンのタイムズスクエア地区に15日、ブロードウエー博物館(西45丁目145番地/6番街とブロードウエーの間)がオープンした。展示内容は、ミュージカル、演劇、それらを創り出す人々に特化した没入型かつインタラクティブな劇場体験を提供する。

 館内には、ブロードウエーで上演されてきた作品や歴史を、まばゆいばかりのコスチューム、小道具、原画、貴重な写真、ビデオなどの展示物を通してじっくり味わうことができ、「ジーグフェルド・フォリーズ」「オクラホマ!」「ウィズ」「レント」「ウエストサイドストーリー」「オペラ座の怪人」「ヘアー」「コーラスライン」「ライオンキング」など、人気の高いものを中心に、1700年代から現在まで、500以上の作品の展示公演で使われた衣装や小道具のほか、ステージセットの再現などの展示が行われている。展示物を資料として見るだけなく、入場者が写真をSNSで拡散しやすいインスタ映えする展示洋式になっている。(写真上:ライオンキングの衣装やセットも展示されている)

アダムス市長が参加してリボンカット(15日朝)

 これまでありそうでなかったブロードウェーのミュージカルに特化した博物館。それだけにニューヨークの新たな観光スポットとして注目されそうだ。ブロードウエーの舞台裏を紹介する常設展示 “The Making of a Broadway Show “も見ることができる。

 ブロードウエー演劇やミュージカルに日夜命を吹き込んでいる舞台の表と裏で活躍する素晴らしい才能を持ったプロフェッショナルたちのコミュニティを称えるような展示内容になっている。同博物館は、ジュリー・ボードマン、ダイアン・ニコレッティ、吉井久美子、木下直哉、ハンター・アーノルドなどによってプロデュースされている。

 吉井久美子さんは「ブロードウエーが好きな人も、初めて見る人も楽しんでいただける内容になっており、舞台芸術の歴史を見ることでアメリカのヒストリーそのものを実感することができます」と説明する。

 会館は毎日午前10時から午後10時(最終入館は午後8時30分)まで。1〜2時間程度の時間をかけてゆっくりと楽しめる展示だ。

 チケットは2種類。いつでも入れるフレキシブルチケットは53ドル (手数料込み)。15分刻みの時間指定チケットは43ドル (手数料込み)。4歳以下は無料。

サイケデリックな「ヘアー」のコーナーには入場者がブランコに乗って写真撮影も

国際色豊かなスパ、ブルックリンにオープン

 日本の温泉やフィンランドのサウナなど、世界のスパを満喫できる大規模施設「ワールド・スパ」(マクドナルド・アベニュー1571番地)が来月、ブルックリンのミッドウッドにオープンする。 

 3階建て、総面積5万平方フィートの同施設内には、トルコやモロッコの公衆浴場ハンマーム、東欧の蒸し風呂バーニャ、ヒマラヤ岩塩セラピー、遠赤外線サウナなど様ざまな「整い」の場を完備する。シアター・ルームでは、癒しの音楽や映像と共に脚マッサージが受けられる。また3か所のダイニング・ルームは軽食や飲み物、アルコール類を提供し、個室や会員制ラウンジもある。利用料金は、月曜~木曜の午後4時までは大人ひとりで85ドル、4時以降は100ドル、金曜と土日は全日115ドルとなっている。個室利用やサービスによっては事前予約が必要。同施設の詳細はworldspa.comを参照する。 

風の環コンサート開催

安倍元首相を追悼

混声合唱団「とも」など

 今年で14回目を迎える風の環コンサートが11月13日夕、アッパーウエストサイド66丁目の教会で開催された。一昨年、コロナ禍で奮闘するNYの医療従事者を応援するチャリティコンサートを宮城県仙台市で開催して以来2年ぶり、NYでの開催は3年ぶりとなる。(主催・NPO法人風の環コンサート、協賛・混声合唱団Japan Choral Harmony「とも」)

 今年は「ありがとう! 安倍元首相」と題し、7月8日凶弾に倒れた故安倍元首相への追悼の意味を込めたコンサートとなった。海外で安倍元首相の民意の追悼コンサートが開催されるのは台北での公演以外は北米で初。「非業の死を遂げた偉大なリーダーへの感謝と哀悼の思いをニューヨークから発信することを狙撃事件直後から思い抱いていた」という音楽監督の白田正樹さん。「準備の時間は少なかったが、心のこもったいい演奏会ができたと思う」と演奏後に感想を述べた。

風の環室内アンサンブル

 コンサートではJCH「とも」が追悼の意味を込め「Memorial Processional」などを演奏したほか、弦楽を中心とする風の環室内アンサンブルがサミュエル・バーバーの「アダージョ」などを演奏した。Memorial ProcessionalはJCH音楽監督の白田氏が、友人のオーケストラ指揮者グレゴリー・シンガー氏が東日本大震災被災者の追悼曲として作曲した交響曲を混声合唱用に編曲したものだ。また風の環少年少女合唱団、ボストン在住のソプラノ歌手、野中百合子さんが出演し、ニューヨークの聴衆が大きな拍手を贈った。米国同時多発テロや東日本大震災被災地支援の意味をこめて歌声や演奏が響いた。


少年少女合唱団

米を抜いた日本の研究

脊椎損傷からの再生医療

クリストファー&ダナ・リーブ財団

20年間支援する今井さん親子語る

 「脊椎損傷の治療はもう日本の方が進んでいるということを前理事長に伝えたけれど、会場で発表されることはありませんでした」とちょっと残念そうに話したのは、母親の今井千恵さんとともに、米国最大の脊椎損傷支援団体、クリストファー&ダナ・リーブ・ファンデーションの年次晩餐会に10日出席したCHIE IMAI社長の今井千晶さん。

 今井さん親子は、これまで開催された過去40回中20回の晩餐会に日本から出席し、多額の支援寄付を行ってきた。治療研究は米国の方が進んでいると思われがちだが、今回は日米間の学術交流の必要性を痛感させた晩餐会となった。

 クリストファー&ダナ・リーブ・ファンデーションは、ニュージャージー州ショートヒルズに本部を置く慈善団体で、脊髄損傷やその他の神経疾患による麻痺の治療法や治療法を見つけることに取り組んでいる。

 1982年以来、脊髄の研究者に1億3800万ドル以上、障害者の生活の質の向上を支援する非営利団体に2800万ドルを配布している。1982年、自動車事故で負傷したヘンリー・スティーフェルによって財団APAが設立された。95年、映画「スーパーマン」で主役を演じた俳優のクリストファー・リーブが乗馬事故により四肢麻痺となり、APAの支援を受けることになった。リーブは知名度を使って資金集めに貢献し96年、財団はクリストファー・リーブ麻痺財団、その後クリストファー・リーブ財団と改名された。2004年10月のリーブの死後、未亡人のダナ・リーブが財団の理事長を引き受けたが、ダナ・リーブ自身も2006年3月に肺がんで死去した。2007年3月11日、ダナ・リーブの一周忌に財団の名称を「クリストファー&ダナ・リーブ財団」に変更。現在、リーブの3人の子供、マシュー、ウィル、アレキサンドラが財団の理事を務めている。

左から千晶さん、ゴールドバーグ新理事長、千恵さん

 これまで有効な治療法がなかった脊髄損傷。不慮の事故などで重い後遺症を抱えた患者は、そのまま車いすや寝たきりの生活が続くのが常だった。そんな脊髄損傷患者をめぐる状況が、大きく変わるきっかけを作ったのが札幌医科大学の幹細胞治療の研究だった。3年前に脊髄損傷の治療に 自分の細胞で神経再生する方法を発見、事故から31日以内であれば、自分の細胞を再生して歩行が可能という画期的な発見だ。

 今回3年ぶりに対面方式で開かれた晩餐会で、財団の新理事長に同財団副理事長だったマギー・ゴールドバーグさんが就任した。今井さん親子は、20年以上私的に支援し続けてきたが米国の脊椎損傷支援団体にこの日本の最先端の技術の存在を伝えるのは今だと実感した。「日本の研究成果が、アメリカで苦しむ脊椎損傷の患者を今度こそ本当に救うことができるかもしれない」。千恵さん、千晶さん親子は、新たな時代の幕開けを予感して帰国した。

(写真)左からクリスさん、千晶さん、マシューさん、ウィルさん、千恵さん、アレキサンドラさん

One Story Award

International, beautiful in body and soul

North American Competition Held

 ONE STORY AWARD Co., LTD(Fukuoka City, Fukuoka Prefecture; Kazuma Tsuruta, President) held the ONE STORY AWARD, a new festival to celebrate each person’s experience and life journey, at MIKA in Brooklyn New York on November 8. The event was the second to be held in Japan (Sendai, Miyagi Prefecture) in September 2022 with the aim of connecting “people to people and people to country,” and is scheduled to be held in other locations around the world in the future.  The festival is a celebration of the life stories spun by each individual, providing opportunities to continue learning about beauty and health of mind and body, global languages, and culture.

 At the awards held on November 8, 14 finalists selected through a screening process walked the red carpet in their dresses, and then shared their personal thoughts on beauty and education. The Top of AWARD went to Olivia Kelly, 22, a Boston native and this year’s New York University graduate, who said, “I want to contribute to the community by improving civic services in the parks and thinking about environmental issues. I want to contribute to the local community by considering environmental issues by improving the park’s civic services. I would like to use the $3,000 prize money for environmental improvements in the community, such as tree planting,” she said happily. Ms. Kelly will be invited to the next and subsequent Japanese conventions.

 On the day of the event, special guest Mr. Masayuki Sono, who is jointly developing a human Mars base with NASA, gave a speech about future architecture and the possibilities for the future, and also touched on the future prospects for children to become interested in international exchange and space. Tsutomu Nakai, who bridges New York and Japan as a jazz guitarist, produced the convention, and the USA National Director is Mina Nagakubo. Grammy Award-winning top musicians performed and tap danced. Tsuruta, who came to the U.S. from Japan for the event, said, “November 8 is the day of the One Story Awards NYC. Today is the birthday of One Story Awards NY. Please enjoy the One Story Award as it grows with all of you here in New York for the next year and years to come. I would like to play a role in connecting Japanese culture with the cultures of the world. I am grateful for this day that I was able to meet all of you,” he said. USA Director Nagakubo said, “I was moved by the way you all shined and gave powerful speeches about what you are working on every day. (Ryoichi Miura)

(Photo) After the presentation, the winner, Kelly (center), with USA Director Nagakubo (left) and Representative Tsuruta

19歳女子、映画で世界に羽ばたく

 全米学生映画祭が10月21日から23日までニューヨークで開催され、西山夏実さんの監督作品「今日も明日も負け犬。」が上映された。西山さん、小田実里さん(脚本)、古庄菜々夏さん(主演女優)、古賀月海さん(スタイリスト)の4人が来米し、世界中の若者と堂々と交流を交わした。

 同作品は、西山さんが福岡県立筑紫丘高校在学中の2年前に制作。「朝起きられない病気」と言われる起立性調節障害をもつ自身の体験をふまえた内容だ。映画づくりは初体験。「映画監督になってお金を貯めて作ろうと思っていたテーマ。コロナ禍で登校できない日が続き、作るなら今だ」と思って走り出してからの彼女たちの団結力と戦略と勢いが凄まじい。まず小田さんが長編小説を書きSNSを通じて販売、それを脚本化。「映画祭で日本一になる映画を作る」と公約して、同校内外から同世代26人を募り、音楽はプロに直談判した。クラウドファンディングで352万円を集め、福岡市で一番大きい映画館の上映会を催し、オリジナルグッズも作った。

 西山さんは、闘病と学業と映画、どれが優先なのかと周囲から問われるなか「26人の時間と人生を預かっている」という思いで3か月部屋にこもって最後の編集作業に取り組んだ。西山さんの熱意と責任感、それを適材適所で支えた小田さん、古庄さん、古賀さんら仲間たちの信頼あってこそ、損得勘定のない素晴らしい映画が仕上がった。「高校生のためのエイガワールドカップ2021」(NPO法人映画甲子園主催)自由部門でグランプリを獲得、ニューヨーク上映の権利を得た。

 同映画祭は、クルーズ船での開会式、AMCエンパイア25での上映、キングズ劇場でのレッドカーペットや表彰式と豪華な内容で、副賞も大学学費免除など、いわば映画人を目指す高校生の登竜門だ。「誰かに寄り添えるような映画であってほしい」と願う西山さんは「アメリカでも伝わるのかなっていうのは正直不安だった。でも涙目で感動したから必ず一票入れるとか映画を作ってくれてありがとうとかの言葉にとても安心した」と話す。

 国際部門でノミネートされたものの惜しくも受賞は逃した。しかし「同年代のクリエーターとの交流が刺激的」(古庄さん)、「数多くの同年代が夢に向かって一生懸命作った作品に感銘」(古賀さん)「青春は世界共通」(小田さん)など、貴重な同世代交流を楽しんだ。そして4人とも、ニューヨークの自由な空気や他人との距離感が大好きになった。「なぜかほっとした。時には非難を浴びながらも私たちがやってきた事をすべて肯定してくれるような街」と西山さん。

 今は全員19歳。今夏には本映画の権利等を守るために一般社団法人「MAKEINU.」を創設、今後もクリエイティブな活動を続けていく。 (小味かおる、写真も)

(写真)左から、古賀さん、西山さん、古庄さん、小田さん

既成概念を覆す表現手段を検証

ジャパン・ソサエティー、現代ファッション展

 ジャパン・ソサエティー(JS:東47丁目333番地)ギャラリーは18日(金)から2023年2月19日(日)まで、JS初の現代ファッション展、新進気鋭のファッションブランドCFGNYとWataru Tominagaの視点を通じて、人種、ジェンダー、アイデンティティを探求する展覧会「Refashioning: CFGNY and Wataru Tominaga」を開催する。

 アートとしての現代ファッションをテーマとした同展では、NYを拠点とするCFGNYと東京を拠点とする富永航の作品を展示。衣服、アクセサリー、テキスタイル作品、彫刻、ビデオなどで、2組のブランドが従来の服飾の枠を超えたさまざまな表現手段を実験的に利用することで、ジェンダーやアイデンティティに対する既成概念を覆す表現手段を検証する。アーティストによるトーク、ワークショップ、CFGNYの最新コレクションの独占公開も予定している。

 開廊時間は水曜〜日曜の正午から午後7時まで。入場料は一般12ドル、学生・シニアは10ドル、JS会員・16歳以下・障がい者および付添者は無料(金曜午後6時〜9時は誰でも入場無料)。詳細はウェブサイトhttp://www.japansociety.org を参照。

(写真)CFGNY  New Fashion II,2018 Polyester, cotton, stuffed animals Courtesy of CFGNY.
Photograph by David Brandon Geeting

編集後記 2022年11月12日

【編集後記】 みなさん、こんにちは。米国の中間選挙は昨日投票が終わりましたが、連邦議会の方は開票作業が進んでもまだ決着は見えていません。上院は48対48で拮抗し、激戦区ジョージアが12月6日に決戦投票をする予定です。下院は共和党が207議席、民主党が183議席で、改選となる435議席中390議席が確定してます。過半数は218議席です。ニューヨーク州知事選は民主党現職のキャリー・ホークル知事(64)が共和党のリー・ゼルディン連邦下院議員(42、ロングアイランド選出)を破り当選しました。アメリカ地図を色分けしした政党別分布を見と、米国東西の小さい州が青の民主党、土地の面積の広い内陸部はほとんど赤の共和党です。共和党トランンプ大統領候補が本命民主党ヒラリー候補を破った時の真っ赤なアメリカ地図が目に浮かびました。予想されたほどの快進撃ではないにせよ、勢いに乗ったトランプ氏が14日に次期大統領選挙出馬を表明するとも言われています。プーチンを賛辞していたトランプ氏が現在の西側諸国対ロシア・中国・北朝鮮の独裁国家とどう対峙するのか、枠組みに影響はないか、アメリカに住みながらも米国の選挙権のない外国人としての立場ながら先行きが不安でなりません。トランプ氏の極端な移民排除政策でビザが取れなくなり悲鳴を上げた多くの日本人がいた一方、不法移民に寛大なバイデン政権に反対するテキサス州などがニューヨーク市に春以降、4万人もの不法移民者をバスで送り届けて、NY市が対方に苦慮しています。いずれにしても対局の too much な政策は必ずどこかで誰かが困ります。米議事堂襲撃の首謀者として、脱税疑惑の被疑者としてこれだけ叩かれもまだ、トランプ氏が過去の人として葬りされていないところにアメリカの「言論の自由」が守られているともある意味思えます。
 話は変わって、今年もあと2か月ほどとなって、各種団体の年次晩餐会やパーティー、演劇、合唱団の演奏会などが目白押しです。本紙今週号1面で掲載したニューヨーク日本商工会議所(JCCI)の晩餐会が日米ビジネスマン550人を集めて、3年ぶりに対面で開催されました。また今週末の日曜日、13日午後4時30分から西66丁目の教会で「ありがとう!安倍元首相」と題する第14回風の環コンサートが開かれます。2008年に米国同時多発テロ犠牲者追悼というテーマでスタートしたこのコンサートは、音楽監督を務める白田正樹氏が指揮するジャパン・コーラルハーモニー「とも」、風の環少年少女合唱団が出演、ソプラノ歌手の野中百合子さんが美声を披露します。海外で安倍元首相の追悼をテーマにするコンサートは今回のニューヨークだけではないでしょうか。本紙先週号の2面に告知記事(https://nyseikatsu.com/editions/888/888.pdf )、20面に詳細がわかる全面広告(https://nyseikatsu.com/editions/888/pdf/page20.pdf)が載っています。私も久しぶりに日本の歌を聴いて心を和ませてみようと思います。入場無料です。皆さんも日曜日の午後、お誘い合わせてお出かけしてみてはいかがでしょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年11月12日号)

(1)NY州知事にホークル氏 米中間選挙

(2)NY日商晩餐会 対面で実施3年ぶり

(3)街角ファッション 動画DEチェック

(4)ワンストーリーアワード 北米大会を開催

(5)あめりか時評 デサントスによる共和党正常化は可能か

(6)求人情報に給与表示 NY市で義務化へ

(7)ホットドッグも値上げ 1本6ドルも登場

(8)HRを仕事にしたら 給料はいくらか?

(9)おしゃれな大学のおしゃれじゃない話 ニューヨークの魔法

(10 ) 女性映画人の視点 JSで20日まで上映

(11)故安倍首相を偲ぶ NYで風の環コンサート

NY州知事にホークル氏

米中間選挙開票

 中間選挙が8日投開票が行われ、ニューヨーク州知事選は民主党現職のキャリー・ホークル知事(64)=写真=が共和党のリー・ゼルディン連邦下院議員(42、ロングアイランド選出)を破り当選した。開票92%の時点でホークル氏が52・8%(299万8162票)、ゼルディン氏47・0%(266万7422票)となりホークル氏が勝利宣言を行った。

 郡部の多くはゼルディン氏が過半数を獲ったが、大票田のニューヨーク市はじめウエストチェスター、アルバニーなど有権者数の多いところをホークル氏が抑えた。

 ホークル氏は昨年8月にクオモ前知事がセクハラ問題で辞任したため副知事から昇格。民主党予備選を圧倒的強さで勝ち抜き、初の有権者の審判となったが、特に失点のない実績と中絶容認などで支持を集めゼルディン氏を退けた。

 ゼルディン氏は陸軍勤務の後、同州上院議員、連邦下院議員として政治経験を積んできた。トランプ前大統領の熱心な支持者とされ2020年の大統領選も不正があったと主張し、10月にはトランプ前大統領からの支持を得た。民主党が強い「青い州」とされる同州だが、治安悪化を鋭く突いてホークル氏に世論調査で肉薄したものの及ばなかった。

 州司法長官では民主党現職のレティシア・ジェームス氏(64)が共和党マイケル・ヘンリー氏を退け再選された。

 ニューヨーク州選出の連邦上院議員選は民主党現職のチャック・シューマー氏(71)が5選を決めた。共和党が過半数を奪った下院選だがニューヨーク州は民主党が強く、アレクサンドリア・オカシオーコルテス下院議員(第14区)はじめ26議席中、14議席を獲得、共和党は7議席、5議席が未確定とっている(9日朝時点)。

 キャシー・ホークル氏=1958年にニューヨーク州バッファローでキャスリーン・コートニー(Kathleen Courtney)として生まれた。家庭はアイルランド系で、カトリック教徒。1980年にシラキュース大学で学士号を、83年にアメリカカトリック大学(Catholic University of America)のコロンブス・ロースクールで法務博士号を得た。シラキュース大学在学中に政治関係に目覚めていて、その後連邦下院議員を経て、M&T銀行の政府関係部署も務め、2014年にアンドリュー・クオモの知事選挙で彼の副知事候補となり、選挙に勝ち、翌年から副知事を務め、18年にも再選された。21年8月のクオモ州知事の辞任表明によって、ニューヨーク州副知事から州知事に昇格。

JCCI、日米の絆

NY日商3年ぶり対面で晩さん会

 ニューヨーク日本商工会議所(JCCI NY、上野佐有会頭/米国三井物産社長兼CEO)は、日米関係の発展を祝う第38回年次晩餐会を7日、ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウンで開催した。

 今年のテーマは「Moving Towards the Future」。ポストコロナ社会における私たちの働き方と暮らし方の向上に焦点を当てている。今年のディナーチェアは株式会社三菱UFJ銀行の専務執行役員 米州副担当の新家良一氏。共同チェアはKPMG会長兼CEOのポール・ノップ氏が務めた。日米ビジネス・文化関係者ら550人が参加した。

 日米および世界の友好と理解に貢献した個人をたたえる日米特別功労賞(イーグル・オン・ザ・アワード)は、米日カウンシルの会長兼CEOであるスザンヌ・バサラ氏と2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏に授与された。

 また、故ノーマン・ミネタ氏(第14代米国運輸長官)と故安倍晋三氏(元日本国内閣総理大臣)の功績をたたえる「特別顕彰(Commemorative Award)」も贈呈された。今年は、ユーラシア・グループの創設者であり社長のイアン・ブレマー氏が基調講演を行った。

(写真) 左から新家氏、バサラ氏、ノップ氏、司会のマックスウエルさん、上野会長(7日夜、ヒルトンホテルで、写真・三浦良一)