【今週の紙面の主なニュース】(2023年12月2日号)

(1)犯罪記録を白紙に 犯罪者の社会復帰優先

(2)白銀の世界へ 百貨店彩り競う

(3)竹中征夫さん逝く 日本企業の対米進出を支える

(4)メールオーダーブライド 米国に渡った女性たち描く

(5)ビリー・ジョエル回顧展 ロングアイランドで

(6)古賀崇洋と中村弘峰2人展 NowHereで

(7)在外ネット投票実現に超えるべき壁

(8)麦わら帽が枝で破裂 ルフィの感謝祭パレード

(9)クリスマスツリー 場所で値段に格差

(10)ダイヤモンドネイルは永遠に 米国で唯一のMADISON25

犯罪記録を白紙に

NY州で「クリーン・スレート法」発効

犯罪者の社会復帰優先
雇用、住居、教育機会で生活改善

 ニューヨーク州のキャシー・ホウクル州知事は11月16日、特定の犯罪歴を封印し、個人が生活を改善できるよう雇用、住居、教育の機会を求めることを認める「クリーン・スレート法」(白紙に戻す法)に署名した。軽犯罪は判決から3年、特定の重罪の場合は釈放から8年後に犯罪歴を封印する。薬物事犯を含む220万人ほどの犯罪記録が封印される見込み。殺人などA級の重罪や性犯罪者などには適用されない。

 同法は1年後に施行され、ニューヨーク州裁判所管理局に対し、対象となるすべての記録を特定し封印するために必要な手続きを実施するための最長3年間の猶予期間を設けている。封印されるが抹消されるわけではなく、法執行機関、裁判所、検察官、弁護人は、特定の条件下であれば封印された有罪判決を調べることができる。銃許可機関や子供や高齢者など弱い立場にある人々を扱う仕事を行なっている雇用主も犯罪歴閲覧は可能だ。

 クリーン・スレート法はニュージャージーやコネチカット、オクラホマなど11の州が可決しておりNY州が12番目の州となった。ホウクル州知事は「犯罪を減らすのための最良の手段は高収入の仕事です。だからこそ、社会に対する負債を返済し、何年も再犯なしに過ごせば、(犯罪記録を)白紙に戻すことを私は支持しているのです」と語った。また「不足している45万件の雇用を埋め、企業の成長、拡大、繁栄に貢献する」とも述べた。

 NY州議会は今年6月、「クリーン・スレート法」を可決し、知事の署名待ちとなっていた。反対する一部の共和党議員は既存の「封印法」で充分としていたが、法案支持派は費用も時間もかかり、犯罪歴を封印する資格のある者のうち実際に封印できるのは1%未満に過ぎないと主張していた。クリーン・スレート法は刑事司法改革として労働団体や権利擁護団体などが推進してきたが、マイクロソフトやJPモルガン・チェースのような大企業を含む産業界も人手不足解消で競争力強化につながると後押ししてきた。

「小売犯罪と戦う日」制定
全米小売業協会が立ち上がる

「万引きは転売目的」
ネットで誰でもすぐ売れる

 組織的万引きはとくに都市部で深刻化しており、やはり貧困と犯罪の多さが背景にあると思われる。指令役はいるとしても警察も重罪の取り締まりに忙しく、万引きでいちいち出動するわけにもいかないという事情もある。また米国の場合、店員が万引き犯を捕まえようとすると、刺されたり銃撃されたりする可能性がある。また店員が万引き犯にケガなどさせた場合は逆に裁判で訴えられ店が賠償金を払う羽目になることもあるという。このため万引き犯にはなにもしない店が多いと言われる。陳列棚に鍵をかけたり、警備員を雇うなど対策をしている店もあるが、買い物客には利便性が下がり、店側では費用が増えてしまう。

 全米小売協会(NRF)は今年4月、「こうした万引きは個人使用でなく転売目的であり、違法ビジネス」と断言。小売盗難の抑制は国家的な問題であり、同時に地域社会で解決すべき問題と発表した。また10月26日を「小売犯罪と戦う日」と宣言した。現在、連邦議会で連邦政府と州および地方の法執行機関との連携を強化する法案「2023年組織小売犯罪対策法」が議論されている。法案では国土安全保障省が主導する組織小売犯罪調整センターが設立されるという。また、米国刑法第18編も改正され、組織的窃盗に対する基準額と期間が追加される予定だ。

 深刻な万引き被害が注目されるようになったのは2年ほど前のサンフランシスコからと言われている。2021年10月、ウォールストリート・ジャーナルが「サンフランシスコは万引きの天国になった」という記事を掲載、ドラッグストアチェーンのウォルグリーンが20店舗以上を閉店したと伝えた。アップルやノードストロームなどの高級店を狙った押し倒し犯罪者が繰り返しカメラに捉えられSNSにも投稿されるようになった。営業時間が短縮されり、閉鎖も相次いだ。

 カリフォルニア州での万引き増加の原因としばしば指摘されたのが、2014年に住民投票で可決した提案47(Proposition47)だ。同法に基づき、950ドル(約14万円)以下の万引きを重罪から軽犯罪に引き下げたため増加するとしたものだ。同法の目的は、万引きは生活苦から来るものが多いため重罪で罰するより更生の機会を与えるほうが良いという考えだ。重罪になればまともな仕事に就くことが難しくなり、車も家もローンが組めなくなったりするためだ。厳罰でも再犯率や犯罪率の改善はほとんど見られないこと、そして緩和すれば受刑者が増え続ける刑務所費用を削減することができるという理由だった。

 カルフォルニア州では提案47施行直後こそ増加したものの2020年にはコロナ禍もあり減少した。その後、車両盗難は増えたが窃盗は増えてはいない。また、重罪窃盗になる額については、テキサス州とウィスコンシン州では2500ドル(37万円)以上から、コネチカット州やペンシルベニア州が2000ドル(約27万円)からなどであり、カルフォルニア州はむしろ緩い方に入る。多くの州が1000ドル(約15万円)から1500ドル(約22万円)の間で、ニューヨーク州など22州が1000ドルとなっている。なお最低は200ドル(約3万円)からのニュージャージー州で、イリノイとニューメキシコが500ドル(7万4千円)からと続く。

 深刻なのは、万引きのレベルではなく組織的な集団窃盗となっていることであり、またこれが全米的に起きているということだ。全米小売セキュリティ調査によると、2022年に全国の小売業者は小売盗難により1121億ドル(約16兆6000億円)の損失を被った。この数字は、2021年の損失939億ドル(約13兆9000億円)、20年の同908億ドル(13兆5000億円)から大幅に増加した。 

 盗まれるものは高級衣類、高級ハンドバック、香水の一方で、洗剤や髭剃り用カミソリなどが多い。高級品だけでなく生活日用品が多いのは、ディスカウントストアやドラッグストアは店員も少なく万引きしやすいことと、目的が転売だからとされている。ネットショッピングの普及でいまや簡単にネット上で売ることができる。イーベイやアマゾンは販売者の身元確認や仕入れ先確認に力を入れているが、窃盗団が直接売るわけでもないため限界がある。

 

白銀の世界へ

百貨店彩り競う

 ニューヨークの街はホリデーシーズン一色だ。大手老舗百貨店のショーウィンドウも華やかなディスプレイに彩られる。その象徴とも言えるメイシーズ・ヘラルドスクエアの旗艦店が「Give Love」のテーマで冬のノスタルジーを繰り広げている。ラッピングペーパー、シャンパングラス、おもちゃ工房、北極くまを見る立体カメラなどガラスの向こうに趣向を凝らした白銀の世界が広がる。連日1万人が見物に来るショーウインドウは、歳末商戦の最中に子供だけでなく大人たちも魅了し、お正月元日まで続けられる。(11月25日、メイシーズ百貨店で、写真・三浦良一)

ブラック・フライデー好調な歳末商戦

オンラインでの購入が増加

大勢の買い物客で賑わったメイシーズ百貨店(11月24日)

 マスターカードのスペンディングパルスによると、ブラックフライデーと呼ばれる感謝祭翌日の11月24日の実店舗およびオンライン含めた米国の小売売上高(自動車を除く、インフレ調整前)は前年比2・5%増加した。

 特にオンラインでの購入が増え、前年同期比8・5%増加した。アパレルや宝飾品、飲食店の分野が伸び、店舗売上高も1・1%増加した。センサーマティック・ソリューションズによれば、来店客が前年比4・6%増加と、やや客足が戻った。

 アドビ・アナライティックスによると、24日のオンライン売り上げは前年比7・5%増で、過去最高の約98億ドル(約1兆4600億円)を記録した。アドビ・デジタル・インサイツのビビック・パンディア主任アナリストによれば、オンライン売上のうち53億ドル(約7889億円)がモバイルショッピングで、衝動買いが多かった可能性があると指摘、インフルエンサーやソーシャルメディアの広告の影響が大きいとしている。近年人気のある「今すぐ購入、後で支払う」は7900万ドル(約118億円)で、昨年より47%増加した。

 ガソリンや食料品などの記録的な物価高の最中だった昨年に比べると消費意欲は高まったとみられる。アドビによれば、よく売れたものは定番の玩具・ゲームと並び、スマートフォンやテレビなどの電子機器が目立った。オンラインでは価格比較が容易のためか、どの製品も割引率が高いものが順当に売れたという。

竹中征夫さん逝く

日本企業の対米進出を支える

 竹中パートナーズ(本社ロサンゼルス市)代表取締役社長の竹中征夫(たけなか・ゆくお)氏が11月20日、病気療養入院先の東京・聖路加病院で亡くなった。享年81歳だった。葬儀告別式は故人の希望で家族葬で24日東京で執り行った。

 竹中氏は1942年愛知県豊橋市出身で15歳の時に家族と共に来米し、ユタ州立大学会計学部を卒業後、65年にKPMGの前身である米国公認会計事務所ビッグ8のピート・マーウイック・ミッチェルに入社し、ロサンゼルス事務所でキャリアをスタートさせた。マイノリティの壁を乗り越え持ち前の粘り強さと献身的な努力により、8年後に日本人初のパートナーに昇進。80年代以降の日本企業の対米進出をM&Aの手法で次々と成功させ、戦略的パートナーシップに関するソリューションプロバイダーとして活躍し、米国側から日本企業を支えたことで知られる。

日本企業支えた竹中さん

次世代育成に夢「竹節会」作った矢先

 11月20日東京で亡くなった竹中征夫氏は、1989年に独立して竹中パートナーズを設立し、M&Aからグローバル戦略コンサルティングまで幅広いサービスを提供する企業に成長させ、海外展開を目指す日本企業のインベストメントバンカーとして日米の架け橋の一端を担いたいとの強い情熱のもと日本企業の対米進出を支えた。日本ミニチュアベアリング(現ミネベア)対米進出で知られる。

 また多くの経営者のメンターとしてグローバルな考え方や文化の違いの乗り越え方などについてリーダーの在り方を熱く語ることが多かった。生前のモットーは3P(パッション、プロアクティブ、ポジティブ=仕事に情熱を持って前向きに行動すること)で、若き経営者や将来のリーダーを育成することを目的に「竹節会」を今年作り、人材育成に乗り出した矢先だった。同社では「皆様のご支援に感謝申し上げると共に、故人の遺志を継いで全社員一丸となって皆様のお役に立たせていただく所存です」とのコメントを発表した。

生き残る国際企業とは

日本クラブで「成功の条件」講演

NYの日本クラブで講演する竹中さん(2019 年2月28日撮影)

 竹中氏は2019年2月28日にニューヨークの日本クラブで「生き残る国際企業のリーダーたちへ」と題する講演会を行っている。

 講演要旨次の通り=戦後日本は焼け野原から復興して経済成長を遂げたがそれは輸出に頼った産業システムに基づいていたもので、いま日本は海外に輸出できるものは少なくなっている。私自身は、日本ミニチュアベアリングが対米進出した当時、米国議会で軍需産業に関わる製造品は米国で生産されたものに限定するという法案が通り、カリフォルニアの工場を買収するお手伝いをして、いまミネベアミツミは巨大企業に成長している。80年代の自動車日米貿易摩擦でも、ホンダが最初に現地工場を作り、トヨタ、日産が追随して、いまは米国の自動車産業を日本車が追い抜いている。現地生産、現地化が成長の鍵だ。日本企業が米国で成功するためには3つの条件がある。ひとつは優秀な米国人を雇うこと。権限を与え、モチベーションを高めること。第2は、マーケティングとセールスに力を入れること。第3は、アメリカの社会、アメリカの市場を相手にビジネスをすることだ。日本食レストランでも日本人を相手にした店はどんどん衰退していっている。逆にアメリカ人をターゲットにした店は常時列ができるほど繁盛している。アメリカに来て日本企業や日本人をビジネスの対象にしていては大きな成長は見込めない。日本企業が米国に進出して拡大展開していく上で、M&Aはオプションではなくマストだと思っている。M&AのAは、アクゼッション(買収)ではなくアライアンス(共同連合)という意識だ。従業員や顧客に対して、まったく別の会社になってしまったという不安を与えず、さらに拡大するために大きなチームワークで会社を発展させようと連帯意識を持たせることが合併後の相互社員のシナジー効果を高める上での経営者の工夫といえる。経営者がビジネスをする上で大切なのは、メンターを持つことだ。心底畏敬の念を抱ける相談相手や指南役を持つことが大事。私のルーツである近江商人の言葉に「三方良し」という言葉がある。自分もよく、相手もよく、そして社会にもいい。それが大事だ。(本紙2019年3月6日号)

ビリー・ジョエル回顧展LIで

半世紀の音楽活動紹介

 NY州ストーニーブルックにあるロングアイランド音楽とエンターテインメントの殿堂(Long Island Music and Entertainment Hall of Fame:97 Main St, Stony Brook)で11月24日から、NY出身の歌手ビリー・ジョエルの回顧展「マイライフ・ピアノマンズ・ジャーニー」が開催されている。ジョエルの50年にわたる音楽活動の記念品や賞などを集めた初の展示で、これまでに発表したアルバム、楽器、写真、ビデオなどを見ることができる。

 ブロンクスで生まれ、ロングアイランドのヒックスヴィル/レヴィットタウンで育ったビリー・ジョエルは2006年にこの殿堂入りを果たした。また、恒例のマジソン・スクエア・ガーデンでのコンサートは2024年7月に行われる同会場での150回目となる公演をもって終了することが発表されている。

 入場料は大人35ドルから、シニア32ドル50セントから、13歳以上20ドルから。時間指定チケットのほかVIPチケットなど各種ある。記念品展示室のほか、最新サラウンドシアター、殿堂ホールに入場できる。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.limusichalloffame.org

米国に渡った女性たち描く

メールオーダーブライドで

河原その子演出

 フィリピンからメールオーダーブライドと呼ばれる結婚紹介システムで、米国に渡った女性たちの実話をもとにした演劇「Export Quality」が12月3日(日)から17日(日)まで、ヒア・アーツセンター(6番街145番地)で上演される。脚本はエリカ・ミゲル、キャロリン・アントニオ、ドロテア・メンドーサ、演出は河原その子。上演時間は85分、休憩なし。公演は火曜から土曜の午後8時30分から、マチネは水・土・日曜の午後4時から。

 入場料は35ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://here.org/を参照。また、経済的支援が必要な人のために各公演先着順で10ドルのチケットを10枚用意している。ACCESSのコードで利用できる。ひとり2枚まで(空席状況により利用できない場合もある)。

NYを拠点に活躍する演出家、河原さんのコメント。

「メールオーダーブライドというシステムは昔から、日本社会でも男性が海外からお嫁さんを探す方法として知られています。フィリピンからの女性が多いのは英語が母国語であること、尽くす女性というイメージ、フィリピン政府がかつて自国民を支えきれないので、海外出稼ぎや、嫁にゆくことを奨励していたなどさまざまな問題が背景にあることを、今回この舞台に演出家として参加することで学ぶことが多くありました。今の日本の在り方 (実技研修生と称しての労働搾取、日本人の海外からの移民の認識の仕方、また若者が海外で稼ぎを目指す現在)、意識化に植え付けられている女性蔑視など、これ以上目をそむけてはいけない事実に直面させられる思いです。実話がもとの群像劇ですが、プロジェクションを多用した、視覚的にも革新的な舞台作りを目指しています。今までに見たことのない舞台を見てもらいたいと思っています」

古賀崇洋と中村弘峰、2人展ナウヒアで

「クラシカル・ミューテイション」

 陶芸家・古賀崇洋と人形師・中村弘峰の2人展 「Classical Mutation」が12月14日(木)から2024年1月14日(日)まで、ナウヒア(NowHere:(ウースター通り40番地)で開催される。日本の若手工芸作家をサポートするB-OWNDがプロデュースするもので、日本の伝統的な美意識や工芸を背景にした2人のアーティストの作品を紹介する。

 古賀は、日本文化の「不完全性を愛でる」という美意識を、戦国時代に花開いた「わびさび」などシンプルで簡素なものだけではなく、派手な歌舞伎や侍文化にも垣間見られることに着目。中村は、戦国/江戸時代に武士が身に着けていた家紋入りの装束や兜は、現代におけるブランドアイテムと本質的な共通性があると洞察し、もしも江戸時代の人形師が現代のファッションカルチャーに出会ったならばどのような作品が生まれるのかという発想を基に制作している。

 入場無料。オープニングレセプションは14日(木)午後6時から8時まで。要予約。予約はhttps://classical-mutation.eventbrite.comから。詳細はウェブサイト https://www.nowhere-nyc.com/を参照する。

(写真左)“NEO MANEKINEKO” by Takahiro Koga
(写真右)“DREAM CATCHER” by Hiromine Nakamura 

在外ネット投票実現に超えるべき壁

 百万人を超える海外在留日本人で、日本の国政選挙で投票できた日本人が2万人から増えない現状が続いています。(1)遠すぎる在外公館、(2)短すぎる投票期間、(3)間に合わない郵便投票が主な原因です。

 実は(3)の郵便投票は23年間も実施されており、日本国内よりも権威を与えられている制度です。それは選挙の根幹である立会人なしでの投票が認められているからです。ところがその郵便投票が劣化しています。途上国などでの遅配、国内での週末配達停止、選管ミスなどが理由です。(1)と(2)も改善の余地はありません。つまり、在外公館で投票できない人のセーフティーネットであった郵便投票制度が機能しない以上、いよいよ在外ネット投票しか方法はありません。総務省有識者会議が2018年に提言した制度です。

 しかし、10月に竹永浩之海外有権者ネットワーク共同代表と若尾龍彦海外有権者ネットワーク日本代表を国会にお連れしましたが、まだまだ高い壁が存在します。本人認証を譲らない意見や、国内でのネット投票への波及に反対する意見などが存在するのです。各党への働きかけや、憲法裁判も検討する一方で、 (1)2024年4月に開始される海外でのマイナンバーカード利用による簡易な在外選挙人登録や(2)郵便投票用紙の在外公館からの発送と在外公館での受領、なども検討されるべきです。

 そんな中、国内でもさまざまな動きが出ています。茨城県つくば市は国家戦略特区「スーパーシティ」の枠組みを生かして2024年10月の市長選挙と市議会議員選挙で、全国初のネット投票の実用化を目指しています。本人確認、買収や強要の回避、通信障害、データ改ざんなどの問題点の克服に取り組んでいます。

茨城県下妻市は12月10日投開票の市議選で通信アプリLINEを使った不在者投票用紙の交付を行います。

こうした投票率アップに対する動きも追い風にしたいものです。投票は憲法に保障された国民の権利であり、海外においてはネット投票しか道がないことが明らかになった今がチャンスです。その前に立ちはだかる壁を超える知恵とご支援を海外在住日本人の皆さんから頂きたく思います。

ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

麦わら帽枝で破裂

 今年もメイシーズ主催の感謝祭パレードが11月23日午前9時から正午まで、マンハッタンで開催された。ルートは西77丁目のセントラルパークウエストをスタートし、59丁目コロンバスサークルを左折、6番街を南下し34丁目にあるメイシーズデパートまでパレードした。

 今年はネットフリックスで実写版ドラマが全世界配信された日本のアニメ「ワンピース」の主人公ルフィ=写真=が初登場。高さ50フィート(約15メートル)、長さ43フィート(約13メートル)の大きさで、海賊王を目指す麦わらの一味の大胆不敵な船長が感謝祭のニューヨークに現れ、沿道から大きな声援を受けたが、トレードマークのルフィの麦わら帽のひさしは、行進序盤にセントラルパークの枝に触れて割れて萎んでしまった。 (写真・きゃま)

クリスマスツリー場所で値段に格差

ホールフーズでは69ドル99セントで販売(6番街41丁目)

 クリスマスシーズンを迎え、街角では生木のクリスマスツリーが売られはじめている。売っている場所によって値段にかなり差があるようだ。アッパーウエストサイド98丁目では、6フィートが160ドル、8フィートが180ドル。一方、6番街41丁目のホールフーズでは、6フィートの生木ツリーが69ドル99セントで販売中だ。またホームデポでは、オンライン注文だと無料デリバリー付きで、6フィートまでのオレゴン産生木ツリーが 89ドル、7・5フィートは149ドルで販売している(www.homedepot.com )。郊外に住んでいるなら、実際に店舗で好きな木をネットに包んでくれる。乗用車でも助手席を前に倒せば運搬が可能だ。もみの木の香りが家の中に漂うクリスマスの思い出は、子供にとっては一生の宝物になる。日本では体験できない本物のツリーをぜひ自宅で楽しもう。

(写真上)アッパーウエストサイドでは160ドルから180ドルが相場

ダイヤモンドネイルは永遠に

米国で唯一の店がニューヨークに

 アメリカで唯一、ダイヤモンドネイルを施しているネイルサロンがニューヨークにある。マジソン25だ。0・01カラット(1粒62ドル)から0・15カラット(1559ドル)まで4種類の大きさのハイクオリティーダイヤモンドをジェルネイルに装着してくれる。オーナーネイリストの石原静香さんによると0・01カラットをいくつかアレンジするのが存在感があり、かつ使いやすいそうだ。ダイヤモンドはお客さんがまず最初に購入して個人の所有物とし、それを何度でもこのサロンで取り外し装着が可能なサービスを提供している。上からコーテイングでカバーをするので、ダイヤがポロリと取れることはない。付け替える時は、ジェルネイルを特殊溶液に漬けてコーティングを溶かしダイヤを店に保管もできるほか一生モノとして何度でも利用できる。

 同店は、今年5月に、ブルックリンのネイルサロン「miGak」の姉妹店としてマジソン街48丁目角ビル4階にオープンした。ビルの外からは看板が見えないので、知る人ぞ知る、スピークイージー的隠れ家ビューティーサロンだ。「紹介が紹介を呼ぶようなお店にしたいですね」と話す静香さん。ヘアサロン「HAZUKI HAIR」を経営するご主人の大地さんとの共同経営で、店内は、ネイルテーブルがメインに並ぶが、奥のヘアサロンは、ニューヨークで20年以上営業している老舗だけあって、常連客で予約が埋まっている。ヘアサロンは東京にも支店があり、夫婦でヘアサロン3軒、ネイルサロン2軒を経営している。

 同店はアジア系ネイルサロンの中でも超高級なクオリティーが自慢の店で、値段もネイル装着が平均200ドルから300ドルと高級だ。ただ現金での支払いの場合は20%オフになる。現在ホリデーシーズンプロモーション中で、ダイヤモンドネイル取り付け手数料(50ドル)が無料に、ダイヤモンドネイルをしない人には、装着した店に関わらず爪のリムーバルが来年1月31日まで無料になるキャンペーンを実施中だ。ホリデーシーズンにダイヤモンドネイルを指先に輝かせてみてはいかが。

(写真左)0.01カラットのダイヤモンドをアレンジしたジェルネイル
(写真右)MADISON25のオーナーネイリスト静香さん


MADISON 25

420 Madison Avenue, 406

New York, NY 10017

Tel: 212-755-2623