【今週の紙面の主なニュース】(2022年7月23日号)

(1)ご飯美味しい! NYで日本米をPR  

(2)日米首脳会談  

(3)サクラコレクション フィラデルフィアで開催

(4)NY核シェルター時代 ロシアの核使用に備え

(5)ダイソーがマンハッタン店

(6)生き生きEATS

(7)純米大吟醸 楽風舞   泉橋酒造がNYで試飲会

(8)日本素材のファッション 世界に発信する 

(9)平和を考える4色 増田セバスチャン展

(10 ) 愛は未来に繋ぐ シネマ映写室

ごはん美味しい! お米、おにぎり大好き

ニューヨークで日本米の魅力PR

 日本米の魅力を紹介する「ごはんフェス」が16日、マンハッタンのチェルシーで開催された。Jフォワード・インク(本社・ニューヨーク、山本ドラゴン代表)が主催する全米最大の日本食フェスティバル「ジャパン・フェス」の一環で、今回は通常のジャパン・フェスに加え、在NY日本国総領事館と日本貿易振興機構(JETRO)NY事務所との共催で「ごはんフェス」エリアを特設。2ブロックに35の日本関連ブースが並び、日本食17店のうち6店がお米に特化したテントとなり、おにぎりやカレー、お弁当など日本米を使った料理を提供した。NY総領事の森美樹夫大使とジェトロNY事務所の河本健一所長が登壇して、ストリートを埋め尽くした約1万5000人(主催者発表)あまりのニューヨーカーに、日本米の旨さと栄養価の高さ、日本の食文化の根幹をなす「ジャパン・ライス」の魅力を売り込んだ。

(写真上)日本の法被を着て、餅つきを初体験するニューヨーカーたち(16日午後3時40分、写真・三浦良一)

日本米の良さ食べて実感

ごはんフェス

 日本米の魅力を紹介する「ごはんフェス」が16日、マンハッタンのチェルシーで開催された(1面に記事)。当日は、2ブロックを日本の出店で占め、日本関連35店中、日本食ブース出店は17店舗。その中で、ご飯関連は、おむすび権米衛(おむすび)、MakiRevo/TabiKase 旅する・おまかせ(野菜寿司・手巻き寿司)、BentOn(「祭」弁当)、ゴーゴーカレー(チャーシュー丼、カレートッピング)、J-Spec Wagyu Dining(A5和牛丼)、大戸屋(茶の間おにぎりと抹茶カフェ)の6店舗が出店した。

 会場では、餅つき体験やおにぎり作りの体験イベントが市民参加で行われた。参加者は真剣な面持ちで体験、出来上がったおにぎりを口に笑顔がこぼれた。おむすび権米衛のおむすびは、一時完売してテーブルが空になるほどの人気。BentOnの「祭」弁当は、美しく入った料理に来場者が「ビューティフル!」と感嘆の声を上げた。

 ニューヨーク総領事の森美樹夫大使は、「試してもらうことによって、どれだけ日本のご飯が美味しいか、それから日本のご飯の背景にある日本文化に対する関心というのも一層高まると思うし、日本米がこんなにいいんだということをできるだけたくさんの人に知っていただきたいと思う。これからも日本文化の認知度を高めて、多くの人に日本を好きになってもらう努力を続けていきたい」と話していた。

 共催したジェトロNY事務所の河本健一所長も「私は、マラソン命で走っているが、ご飯を食べれば元気百倍、皆さんもぜひ食べて」と日本米をステージから売り込んだ。

日米首脳会談

 令和4年5月23日、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のジョセフ・バイデン・アメリカ合衆国大統領と、日米首脳会談を行いました。また、6月27日、G7エルマウ・サミットに出席するためドイツを訪問中の岸田総理大臣は、同大統領と短時間、日米首脳会談を行いました。それらの概要を週刊NY生活の読者の皆様へお伝えいたします。アメリカ合衆国在住の皆様におかれましては、両国の友好関係が一層強化されていくよう、引き続きお力添えをお願い申し上げます。

写真上:日米首脳会談(5月23日)


日米首脳会談

〈5月23日の首脳会談〉

 冒頭、岸田総理大臣から、今回のバイデン大統領の訪日は、米国がいかなる状況にあってもインド太平洋地域にコミットし続けることを示すものであり、心から歓迎する旨述べました。これに対し、バイデン大統領から、大統領として初めて訪日でき嬉しく思う、日本側のおもてなしに心から感謝する、今回の訪日を通じて、米国のインド太平洋地域への揺るぎないコミットメントを示していきたい旨述べました。

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序の根幹を揺るがす中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を断固として守り抜く必要性を改めて確認しました。その上で、両首脳は、欧州で進行中の危機のいかんにかかわらず、インド太平洋地域こそがグローバルな平和、安全及び繁栄にとって極めて重要であるとの認識の下、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、基本的価値を共有する同盟国である日米が国際社会を主導し、引き続き豪州、インド、ASEAN、欧州、カナダ等の同志国と緊密に連携していくことで一致しました。この関連で、両首脳は、24日の日米豪印首脳会合において、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、様々な実践的協力の進捗を確認し、更に推進していくことで一致しました。

(地域情勢について)

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略について、引き続きG7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、対露制裁措置を講じつつウクライナ支援を進めていくことを改めて確認しました。また、両首脳は、今回の侵略のような力による一方的な現状変更の試みをいかなる地域においても許してはならず、その試みには重大なコストが伴うことを明確に示していくことが重要との認識で一致しました。さらに、両首脳は、今回の侵略によりいかなる国にも誤った教訓を与えず、また機会が訪れたと誤信させぬよう、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。そして、岸田総理大臣から、インド太平洋地域を含む国際社会の連帯に向け、日本が各国に積極的に働きかけていることを説明し、バイデン大統領から、日本の取組を高く評価するとともに、米国も引き続き国際社会に対して結束を訴えていく旨述べました。

 両首脳は、ウクライナ情勢がインド太平洋地域に及ぼし得る影響について議論し、最近の中露両国による共同軍事演習等の動向を注視していくことで一致しました。また、両首脳は、東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや経済的威圧に強く反対し、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況を深刻に懸念するとともに、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。さらに、両首脳は、台湾に関する両国の基本的な立場に変更はないことを確認し、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促しました。そして、両首脳は、中国と対話を継続し、共通の諸課題については協力していくことで一致しました。

 両首脳は、ICBM級弾道ミサイルの発射を始めとする北朝鮮による核・ミサイル開発活動を非難した上で、安保理決議に沿った朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、北朝鮮に対してこれらの決議の下での義務に従うことを求めました。また、岸田総理大臣から、バイデン大統領が拉致被害者の御家族と面会することに謝意を伝えつつ、拉致問題の即時解決に向けた全面的な理解と協力を改めて求め、バイデン大統領から、一層の支持を得ました。

 両首脳は、韓国新政権の発足を歓迎するとともに、安全保障協力を含む日米韓の三か国協力を一層強化していくことで一致しました。

 両首脳は、イラン核合意をめぐる情勢についても議論し、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。

(日米同盟の強化について)

 両首脳は、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化していくことで一致しました。バイデン大統領から、日本の防衛へのコミットメントが改めて表明され、両首脳は、今後も拡大抑止が揺るぎないものであり続けることを確保するため、閣僚レベルも含め、日米間で一層緊密な意思疎通を行っていくことで一致しました。また、両首脳は、尖閣諸島に対する日本の長きにわたる施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを改めて表明しました。さらに、岸田総理大臣から、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明し、バイデン大統領から、これに対する強い支持を得た上で、両首脳は、日米の能力の相乗効果を最大化し、日米同盟の優位性を将来にわたって堅持するため、宇宙・サイバーの領域や先進技術の分野を含め、日米間の安全保障・防衛協力を拡大・深化させていくことで一致しました。そして、両首脳は、沖縄を始めとする地元の負担軽減の観点から、普天間飛行場の固定化を避けるための唯一の解決策である辺野古への移設を含め、在日米軍再編を着実に推進することで一致しました。

(経済政策における日米間の協力について)

 両首脳は、地域の経済秩序への米国の関与がますます重要となっているとの認識を共有した上で、バイデン大統領から、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の立上げを表明し、岸田総理大臣から、IPEFとその立上げに係るバイデン大統領のリーダーシップを評価し、日本として参加・協力する旨述べつつ、戦略的な観点から、米国のTPP復帰を促しました。また、両首脳は、日米両国の競争力・強靱性の強化のため、「日米競争力・強靱性(コア)パートナーシップ」の下、がん研究や宇宙等の分野において引き続き協力していくとともに、最先端半導体の開発を含む、経済安全保障の確保に向けた協力を強化していくことで一致しました。さらに、両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略により、エネルギー・食料をめぐる状況が大きく悪化している中、G7や国際機関と緊密に連携して対応していくことで一致しました。こうした議論を更に掘り下げるため、両首脳は、1月のテレビ会談の際に立上げに合意した、閣僚レベルの日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)を本年7月に開催することで一致しました。そして、岸田総理大臣の進める「新しい資本主義」に関し、バイデン大統領から、改めて力強い支持が示され、岸田総理大臣から、中間層重視の政策を掲げるバイデン大統領と協力して、主要国に共通する経済政策の大きな潮流を作っていきたい旨述べました。

(地球規模課題について)

 岸田総理大臣から、国際社会の平和と安全に主要な責任を負う安保理を含む、国連の改革と強化の必要性について述べ、バイデン大統領から、同意するとともに、改革された安保理において日本が常任理事国になることを支持する旨述べました。

 両首脳は、安全保障上の課題に適切に対処しつつ、核軍縮・不拡散に関する現実的・実効的な取組を進め、「核兵器のない世界」に向け日米で共に取り組んでいくことで一致しました。

 両首脳は、国際保健や気候変動、人権・民主主義の保護・促進等への対応についても議論し、引き続き日米で国際社会の取組を主導していくことで一致しました。

(人的交流の促進、2023年の広島でのG7サミット等について)

 両首脳は、ポスト・コロナに向けて各種交流事業を再開させ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた人材育成や交流や更なる日系人の参画を含め、日米間の揺るぎない絆を支える重層的な人的交流を促進していくことで一致しました。

 両首脳は、今回の会談の成果として、日米首脳共同声明「自由で開かれた国際秩序の強化」を発出しました。この声明は、現下の国際情勢やインド太平洋地域の戦略的重要性を踏まえた、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・発展を目指す日米の共同戦略を示すものです。

 日本が2023年にG7議長国を務めることに議論が及び、岸田総理大臣から、G7として平和へのコミットメントを示す上で、広島ほどふさわしい場所はないという考えの下、G7サミットの開催地を決定したことを紹介し、両首脳は、2023年の広島でのG7サミットの成功に向け、共に取り組んでいくことを確認しました。

 両首脳は、様々な機会を通じて意思疎通を継続し、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

写真撮影(5月23日)

〈6月27日の首脳会談〉

 岸田総理大臣から、5月のバイデン大統領の訪日の意義に言及した上で、両首脳は、日米同盟の更なる強化及び「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

 両首脳は、7月に開催予定の閣僚級の日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)の成功に向け協力していくことで一致しました。

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略に対し、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。この関連で、両首脳は、プライスキャップ等石油価格高騰への対応についても議論しました。

 日本国政府(写真提供:内閣広報室)

ジョセフ・バイデン米国大統領と会談する岸田総理(6月27日)

より詳しい情報は、首相官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)、外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/)をご覧ください。

また、日本政府の政策や日本の魅力について、英文の日本政府公式ホームページ「JapanGov」(http://www.japan.go.jp)や、英文オンライン・マガジン「HIGHLIGHTING Japan」(和文も掲載。
https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/index.html)も
ご参照ください。

この記事に関するご意見・ご感想は下記までお寄せください。

  内閣府大臣官房政府広報室

  Public Relations Office, Cabinet Office, Government of Japan

  E-mail: g.kaigai@cao.go.jp


遠州綿紬をテーマにファッションショー、フィラデルフィアで開催

日本素材を活かす「サクラコレクション」

 一般社団法人サクラコレクションは7月6日、次世代の若者を育成するための「日本の素材」をテーマにしたファッションショーをペンシルベニア大学内アイロンゲート劇場でフィラデルフィア近郊のファッション学部専攻の学生デザイナーとともに開催した。同法人が10年間海外で実施してきたショーの一環で、北米では初開催となる。

 今年のテーマは、江戸時代から続く静岡の伝統織物「遠州綿紬」。伝統を重んじ、日本の四季をイメージした色で糸を染め、昔ながらの織機で1日40メートル以上、丁寧に織られた生地は、驚くほど柔らかな手触り。明治以降、織機メーカーとして創業した現トヨタ自動車や浜松に本社を構えるスズキ株式会社により、動力で織機を動かす力織機(りきしょっき)が登場、昭和30年代に全盛期を迎えた。浜松市は現在も日本3大繊維産地のひとつである。

 同イベントでは、共催の在NY総領事館の森美樹夫大使やフィラデルフィア市長ジム・ケニー氏が挨拶、尺八生演奏と殺陣ライブショー のパフォーマンス、デザイナー表彰式、懇親会も行われた。このショーは今年10月にブルックリンのジャパンビレッジでも大規模な日本イベントとして開催される予定だ。

 同イベントを企画・主催したサクラコレクション代表理事の田畑則子さんは「コロナの2年間、予定していたイベントが中止になり、なんとか継続しようとオンラインでコンテストを実施してきたが今回、北米大会を初めて開催できたこと、それも、リアルのイベント会場で実施したことをとても感慨深く思う。森大使をはじめ、フィラデルフィア市のケニー市長などもご出席くださり、今回のイベントは大きな歴史の意味をもつ出来事です」と話していた。同大会は全日空、マウントフジ、ぬくもり工房、ZESDAが後援した。

(写真)華やかなフィナーレで幕を閉じたサクラコレクション北米大会(ペン大講堂で)

(関連インタビュー)

NY核シェルター時代

ロシアの使用に備えて
NY市が説明の動画を公開

 ニューヨーク市緊急管理局は11日、核兵器による攻撃を受けたとき、住民が取るべき行動を説明した動画を公開した。

 緊急管理局は「ニューヨーク市や近郊で核攻撃が発生する可能性は非常に低いが、安全を確保するための手順を知っておくことは重要だ」と指摘している。アダムス市長は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて作成したものであることを明らかにしており、プーチン大統領が核兵器使用も辞さない姿勢を示していることを念頭に置いた対応と見られる。

 動画は90秒ほどで、黒い服の女性が「ビッグアップル」(NY市の愛称)に核兵器による攻撃があったらどうすればいいのかを説明をしていく。「どうして、どのようにして、このようなことが起きるかは尋ねないでください」と断りを入れたのち「3つの重要なステップがある」と説明が開始される。ステップ1は「すぐに屋内に避難すること」で、窓から遠く離れた場所に移動すること。車内に留まるのは薦められないとしている。

 ステップ2は「室内に留まること」で、建物の窓と扉をすべて閉め、可能な限り建物の奥にいるようにし、地下室があればそこに隠れることとしている。爆発時に屋外にいた場合は、放射性物質が付着したすべての服をポリ袋などに入れ、すぐに石鹸やシャンプーを使いシャワーで体を洗い流すことしている。

 最後のステップ3は「メディアからの最新情報を得ること」で、安全であると公式発表があるまでは外にでないこととしている。ニューヨーク市の無料の公式緊急通信プログラムであるNotify NYCへの登録も求めている。 

 旧ソ連陣営と西側が対立した冷戦時代は、こうした核攻撃に関する公共広告はもちろん避難訓練も行われていた。ニューヨーク市内に1万7千か所以上の核シェルターが設置されていた時期もある。

対応すべき3つのポイント
(1)すぐに屋内に避難を
(2)室内に留まること
(3)最新情報の入手を



「百円ショップ」のダイソー、マンハッタンに開店

 大手100円ショップチェーンのダイソーが15日、マンハッタンで初、ニューヨーク市内では4店舗目となる店を東57丁目、3番街近くにオープンした。

 商品は1ドル99セントから最高で15ドルまでの低価格帯のものが店内にぎっしり並んでいる。店舗面積は4500平方フィートで市内では最大規模。

 米国の6月の消費者物価指数が前年同期比で9・1%上昇し、40年ぶりの物価高の中、ニューヨーカーの注目度も抜群。初日には開店前に150人以上が行列を作った。開店2日間は、30ドル以上の買い物客に景品バッグ、100ドル以上の客にぬいぐるみがプレゼントされた。

 オペレーションマネージャーの下司修平さんは「ニューヨークでは3年前の開店以来一度も商品の値上げをしていない。これからもこの方針でやっていきたい」と話している。現在同店はカリフォルニア、ワシントン州シアトル、ニューヨーク、ニュージャージーなどで84店舗を展開しており、来月はラスベガス店を開店する。

夏を味わう簡単手料理3品

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (27)

 1996年に創業した酒蔵は、ニューヨーカーに日本酒の世界を紹介するパイオニア的存在で、全米屈指の日本酒バーとして、世界中から多くの日本酒ファンを魅了している。200種類以上の厳選された日本酒もさることながら、本格的なタパススタイルの日本料理でも知られている。米国における日本酒ブームを牽引しているそんな銘店の今月は井上勝久シェフ(50)が登場。埼玉県出身でハワイに10年を含む滞米16年のベテラン日本食料理人、井上氏に、今回は「夏を味わう簡単手料理」3品を教えていただいた。

酒蔵

211 43rd St. B1

New York, NY 10017

212-953-7253

Sakagura.com

月、火、土    17:30-23:00  

水〜金Lunch: 11:30-14:15 

Dinner: same as above 

日曜定休


■夏野菜とシーフードの味噌ペスト和え

材料
アスパラガス 60g
タコ 80g
バジル 40g
ニンニク 40g
かぼちゃ 50g
イカ 50g
味噌 40g
粉チーズ 10g
ミニトマト 4〜5個
エビ 60g

(1)アスパラガスは皮が硬いところだけ薄く剥いて軽くボイルする。

(2)かぼちゃは食べやすい大きさにカットし、レンジもしくはボイルする。

(3)ミニトマトはヘタを取り水洗いする。

(4)魚介類も一口サイズにカットしボイルする。

(5)味噌ペストはバジル(葉だけ)、大葉、ニンニク、粉チーズをミキサーでペースト状にし、そこに味噌、オイルの順に入れ再度ミキサーで合わせる。

(6) (1)〜(5)をボールに入れ、味噌ペストを半分の量を入れざっくり合わせる。

(7) (6)を器に盛り、残りの味噌ペストをかけて、バジルの葉を飾り完成。


■もろこしのハラペーニョ・バター

材料
とうもろこし 150g
ハラペーニョ 12g
バター (有塩) 110g
醤油 5g

(1)バターを常温で柔らかくし、刻んだハラペーニョを混ぜ、ラップにくるみ冷蔵庫で冷やし固める。

(2)とうもろこしの皮を剥き、横に半分、もしくは3分の1にカットして実を切り取る(※写真参照=包丁を上下に動かすと上手にできる)

(3)フライパンに油を敷き、(2)を入れ、(1)を5分の1位入れる。

(4) (3)が馴染んだところに香りを付けに醤油を垂らし仕上げる。


■きゅうりの浅漬け カレー風味

材料
きゅうり 150g
カレー粉 2g
塩 10g
砂糖 10g
水 100g

(1)きゅうりを縦半分に切り、種を取り除き、1口サイズにカットする。

(2)漬け汁は、水に砂糖、塩、カレー粉を入れ混ぜる。

(3)ジップロックバックに(1)(2)を入れ、冷蔵庫で一晩寝かせる。

純米大吟醸 楽風舞をどうぞ

泉橋酒造の橋場社長がNYで試飲会

 泉橋酒造(本社・神奈川県海老名市)の橋場友一社長がこのほど来米し、15日午後、マンハッタン2番街54丁目のアンバサダーワインで試飲会を開催した。同酒造は江戸安政期の1857年に創業で、橋場さんは6代目の社長。当日は、店の常連客をはじめ、試飲会を聞きつけて来店したニューヨーカーなどが橋場社長、米国での同酒造レップを務める阿部嘉代子代表が注ぐ日本酒、楽風舞を楽しんだ。この酒は共同貿易を通して販売、同酒造の酒は、米国では現在8種類が販売されており、市内の高級レストランなどでも提供されている。

 特に純米大吟醸楽風舞は、菅元首相が2回の来米の際、ホワイトハウスにプレゼントとして使った酒で、先月ニューヨークで行われたジャパン・ソサエティの115年記念晩餐会でも乾杯にこの酒と希少な5年熟成した純米大吟醸梅酒がVIPレセプションで振る舞われた。楽風舞は、「五百万石」と食用米「どんとこい」を親に育種され、泉橋が全国で初めて 産地品種銘柄として登録し、泉橋が得意とする生酛造りで醸した。

 橋場社長は、大学卒業後、証券会社に就職、その後、泉橋酒造に戻り、地元農家と共に相模酒米研究会を設立し、全国でも珍しい「栽培醸造蔵®」「全量純米100%蔵」に生まれ変わらせた。「酒造りは米作りから」というのがモットーだ。同酒に関する問い合わせは 電話202・297・1109、Eメール info@mugendc.com

日本素材のファッションを世界に発信

一般社団法人サクラコレクション 代表理事

田畑 則子さん

 フィラデルフィアで今月6日、次世代の若者を育成するための「日本の素材」をテーマにしたファッションショーをペンシルベニア大学内アイロンゲート劇場でフィラデルフィア近郊のファッション学部専攻の学生デザイナーとともに開催した(3面に記事)。田畑さんが10年間海外で実施してきたショーで、北米では初開催となる。今年のテーマは、江戸時代から続く静岡の伝統織物「遠州綿紬」。伝統を重んじ、日本の四季をイメージした色で糸を染め、昔ながらの織機で1日25メートル以上、丁寧に織られた生地は、驚くほど柔らかな手触り。同イベントでは、在NY総領事館の森美樹夫大使やフィラデルフィア市長ジム・ケニー氏が挨拶、尺八生演奏と殺陣ライブショー のパフォーマンス、デザイナー表彰式、懇親会も行われ華やかな日本紹介イベントとなった。

 田畑さんは、1971年埼玉県生まれ。短大児童教育学科を卒業後、クレジットカード会社に就職、ワーキングホリデイでオーストラリアに約1年間滞在。現地ツアーデスク、日本語教師などを経験した。帰国後、旅行系派遣会社や出版社勤務を経て、95年フリーライターとして独立した。

 97年、女友達と二人で、ポンコツ車に乗って45日間でオーストラリア大陸(約2万2000キロ)一周ドライブの旅に出るなど冒険家だ。

 2008年に多言語で日本の文化や地域を紹介するフリーペーパー『AJ Adventure JAPAN』編集長、発行人として起業。翌09年1月株式会社アドベンチャー・ジャパンを設立した。創刊4号で文楽特集をしたことがきっかけで、13年文楽マレーシア公演をコーディネイト。14年より吉田簑紫郎氏とともに通称「バックパッカー文楽」、アジアワークショプ公演を企画。タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インド、ミャンマー、シンガポール、台湾など14都市を巡回、海外イベントに乗り出すきっかけとなった。

 そんな田畑さんが継続して力を入れてきているのがサクラコレクションだ。「伝統文化と世界の人々を繋ぐプラットホームになればと願います。この先は、文化、経済、観光、教育の循環がうまくいくように、生み出されたデザインが、市場に周り、その売上でまた、新しい若いクリエイターを支援できるような仕組みになればと思います」と語る。著者に『起業本能~夢を生み出す女性たち』(サンマーク出版) ほか共著多数。(三浦良一記者、写真も)

平和を考える4色、増田セバスチャン展

 増田セバスチャンのチャリティアート展「カラー・フォー・ピース」が29日(金)から31日(日)まで、Mizuma & Kips(グランド通り324番地フロアB)で開催される。(協力:在ニューヨーク日本国総領事館)

 増田のNY移住後初のイベントで「平和を考える」をテーマに、平和のための4つの色(青、黄、 緑、ピンク)をフィーチャーした作品を展示。作品販売による利益の一部と寄付箱に集まった金額は全米ウクライナ女性協会や、戦争で傷ついた人々を支援する人権団体に寄付される。会場にはアーティストが愛用するビンテージシーツを使用したペイント作品やリトグラフの他、ベッドのインスタレーションやドネーションボックスが設置される。

 増田さんは「人種・宗教・年齢・性別・国境、ありとあらゆるボーダーを飛び越え、会場がたくさんの笑顔で溢れることを願っています」とコメントしている。

 入場無料。開廊時間は正午から午後6時、31日は午後5時まで。オープニングレセプションは29日午後6時から8時まで。

オープニングレセプションは要来場予約

https://www.eventbrite.com/e/charity-art-event-colors-for-peace-opening-reception-tickets-367935463877

愛は未来に繋ぐ

Love and Thunder

https://www.youtube.com/watch?v=U-vBV85ujjw&ab_channel=kruger_lah

 「Thor」シリーズ第4弾。前作「Thor: Ragnarok」のタイカ・ワイティティ監督が続投。ガンズ・アンド・ローゼズの曲をバックに愛と憎しみを経てたどりつく子供たちの明日をウエットとユーモアを織り交ぜ描き出す。

 むろん主人公はソーなのだが、本作で存在感を示すのが天文学者でソーの元恋人ジェーン・フォスターとヴィラン、ゴア。ムジョルニア(ソーのハンマー)を振るうことができる女性版ソー「マイティ・ソー」に変身するジェーンと愛する娘を失った悲しみで心つぶされ、神を憎み殺戮を繰り返す神殺しとなるゴアだ。単なる極悪非道の殺人鬼とは異なり、クリスチャン・ベール扮するゴアは吸血鬼のような妖気を漂わせる一方で氷のような悲哀の情をにじませる。

 ひび割れた大地をゴアと娘が歩き続け、遂に娘は息絶える。ゴアは緑地にたどり着き神ラプーに希望への救いを求めるがラプーはこれを一笑に付した。この時から憎しみの権化となったゴアの神殺しが始まる。

 狂気の道を突き進むゴアをとめられるのはソー(クリス・ヘムズワース)しかいない。ニュー・アスガルドの国王となったヴァルキリー(テッサ・トンプソン)や助っ人コーグ(ワイティティ)とゴア征伐に乗り出すソーの前になんとマイティ・ソーに変身したジェーンが現れる。

 ジェーンはステージ4の癌と診断されムジョルニアに治癒力を求める。ヘラによって破壊され今はニュー・アスガルドに展示されているバラバラになったムジョルニアが一体となってジェーンの手に収まる。マイティ・ソーの誕生だ。

 ゴアとソーらの激突は見てのお楽しみだがラッセル・クロウ扮するゼウスの傲慢ぶりや、ソーの今の相棒武器ストームブレーカーがムジョルニアに嫉妬するかわいいシーンもありワイティティ監督ならではの笑いもふんだんだ。ちなみにエンドロールが始まってもすぐに席を立たないように。今後のストーリー展開を予測させる驚きのおまけシーンが2つも出てくる。2時間5分。RG。 (明)


■上映館■

Regal E-Walk Stadium 13 & RPX 247 W. 42nd St.

AMC Empire 25 234 West 42nd St.

AMC Loews 34th Street 14 312 W. 34th St.

Cinepolis Chelsea 260 W. 23rd St.