命のビザと友情 マーシャのありがとう

杉原ビザで生き延びた母
NYの3姉妹が感謝のCD


神戸市内の公園で撮影されたマーシャさん(中央)と母ゼルダさん(前列左から2人目)の写真。当時は戦時下で海外からの難民がカメラを所持することはできなかった。日本滞在半年中唯一の写真

 第二次世界大戦中にヨーロッパから逃げるために陸路シベリア鉄道を使って日本経由でアメリカに渡った多くのユダヤ人たちがいた。手にしていたのは、戦時下に海外渡航するための唯一の手段である第3国を通過する「命のビザ」だった。

 その2000余りの手書きのビザを書いた外交官、杉原千畝と日本に感謝する家族がニューヨークにいる。当時10歳だった少女、マーシャ・ベルンスタイン(後に結婚して姓はレオン)さん。5年前に86歳で他界したが、3人の娘たちは、母親から日本人に親切にされた時の思い出を聞いて育った。

 黒澤明の映画を見に連れて行ってくれたり、歌舞伎や浄瑠璃公演も一緒に行った。3人はそれぞれ、作曲家、ピアニスト、写真家として立派に社会で生きている。そんな3人が協力して日本に感謝する1枚のCDを作った。創作曲と「さくら」が収録されている。タイトルは「マーシャのありがとう」だ。

娘たちが感謝のCD日本へ

 会議の後半では、杉原によって命を救われたマーシャ・レオンさん(故人)の娘でニューヨーク市在住のピアニスト、ローラ・レオンさんがメッセージを読み上げ、創作曲「マーシャのありがとう」を演奏した。

 レオンさんは杉原がビザを発給して80年余りの歳月が経とうとしているが、杉原によって命を救われ、ニューヨークに辿り着いたユダヤ難民の子孫たちは今も、日本に感謝しながら生きていると感謝のメッセージを読み上げた。

 本紙は、2017年86歳でこの世を去ったこのサバイバー、マーシャ・レオンさんの3人の娘のうち、ニューヨーク市内に住む長女のローラさん(67)と次女のカレンさん(64)に12月4日午後、ZOOMでインタビューすることができた。

CDの詳細は

https://lauraleonpiano.com/cds/cds/c/241

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