日本の介護事情 帰国支援セミナー盛況

シニアライフを日本で
お金、健康、人間関係、どれも、みんな大切

 日本で介護事業を展開するケアブリッジ株式会社を中心に、業務提携する各部門の専門会社らで構成され、シニア世代の日本帰国支援サービスを行っている「かざぐるま・ふるさとプロジェクト」は、11月22日、市内のグローバルラボで、ニューヨークでは通算5回目となる「日本の介護事情・帰国支援セミナー」を開催、今回も初参加の人を中心に約30人の参加者が集まった。
 当日は、同プロジェクト代表の青木幸司さんと医療コンシェルジュの加藤千晴さんが講師を務め、青木さんは介護施設経営者の立場から、加藤さんは介護・看護に実際携わる看護師の立場から、日本に帰国してシニアライフを送るメリットについて解説した。
 日本人の平均寿命と平均健康寿命の差が年々開いていることを説明、介護を受ける年数が増えていることを示した。それにより、例えば10年間米国で介護を受ける場合の費用と、日本で介護を受ける場合の費用の差を説明するとどよめきが起こった。また、今回のセミナーでは、昨年セミナーに参加したのち個別相談を経て同プロジェクトの支援サービスで今年実際に帰国してシニアライフを日本で始めたクライアントの実例を挙げ、現在の生活環境や入居施設の費用なども具体的に説明した。
 後半では、「お金」「健康」「人間関係」「生活」各ジャンル合計20問の質問に「はい」がいくつ付くかによる参加者それぞれの「日本帰国緊急度診断」を行い、「もし帰国して送る幸せなシニアライフを選択肢に入れているなら、手遅れにならないうちに準備して早く行動することが大事だ」と説いた。
 セミナー終了後と翌日には、参加者のより具体的な悩みに対応するため個別相談会も行われた。同プロジェクトは今回、ニュージャージー日本人会主催のセミナーでも講演した。今後はニューヨークにも拠点機能を置き持続的なサポート活動を行うことを宣言、次回は来年3月にまたセミナーを開催することも発表された。