草の根運動で50か国批准
国連の核兵器禁止条約が10月24日、発効に必要な50か国の批准に達した。核兵器の開発、保有、使用などを全面的に禁止する条約で、国際法の下で核兵器を最終的に違法とするものとなる。条約発効は2021年1月22日。
草の根レベルで同条約の批准・発効を求めて長年活動を続けてきたフィルムメーカーの竹内道さんは、「核兵器を人間の命、果ては環境をも破壊する非人道的な凶器と位置付けた国際キャンペーンの成果。広島で被爆したサーロー節子さんは、核兵器を無くすために死ぬまで活動を続けると涙声で語った。私が5年を費やして制作したThe Vow From Hiroshimaではサーローさんの生き方を通して核軍縮運動そして責任に目覚めていくヒバク2世についても描いた」、ピースボートUSダイレクターのエミリー・マグローンさんは「長年、被爆者と緊密に協力し世界の人々と証言を共有してきたが、同条約の採択と発効に至る過程で世界中の人々と協力できたことを誇りに思っている」と喜びを語っている。
しかしながら、国連安全保障理事会の常任理事国で核保有国の米露英仏中5か国は同条約に一致して反対する姿勢で、日本も批准していない。ピースボートは2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営団体の一つとして役割を果たしてきた。その声明文の中で「日本を含むすべての国がこの条約に署名し批准すること、そしてそのために世界中の市民、議員、政府が努力することを求める」と声をあげている。(小味かおる)
(写真)NYに寄港したピースボート(2017年)(Photo: Peace Boat)