オフィスの引越し荷物を片付けていたら、机の引き出しの中から常盤新平さんからのエアメールが出てきた。綺麗にしまってあった。日付は2007年7月8日になっている。本紙、週刊NY生活で、連載「ニューヨーカー三昧、I LOVE NEW YORKER」というコラムをお願いして、快諾いただいた時のお手紙だ。連載はその年の9月8日号から2010年11月13日号まで、3年余り、30篇ほどのコラムを連載していただいた。毎月ファックスで手書きの原稿が送られてきた。彼の大好きな雑誌『ニューヨーカー』への思い入れから、老舗のバーや書店など、原稿に記載されている実在の場所へ出かけて行って原稿に合った写真を撮るのが楽しみだった。ニューヨークはコロナで一変してしまったが、またいつか常盤さんが愛して止まなかったマンハッタンの景色が戻ってくるのに違いない。新オフィスのテラスは、そんな古き良き時代のマンハッタンのビルの谷間にある。天国の常盤さんが見たならなんと言うだろうか。
(写真)常盤さんが愛した古き良き時代のマンハッタン(3日午前、本社新オフィスのテラスから、写真・三浦良一)