R指定の映画としては歴代最高のヒットを記録している「ジョーカー」に出てくるブロンクスの階段を訪れる人が絶えず、住民は困惑しているという。
ブロンクス区ハイブリッジにあるシェークスピア通りとアンダーソン通りを結ぶ歩行者用の階段は、ホアキン・フェニックス演じる主人公のジョーカーが奇妙な踊りを踊るシーンのロケに使われたことから一躍有名になった。
通称「ジョーカーの階段」と呼ばれ、普段は人通りはそれほど多くない場所に「インスタ映え」を求めて人が集まるようなり、住民は困り顔だ。24日には、住人が階段を登る人に向けて卵を投げつけている様子を写したビデオがツイッターに投稿された。「彼らは店でお金を使うことなく、写真だけ撮って帰る。ここから出て行け」と書き込みされている。
ブロンクスのルーベン・ディアス・ジュニア区長らは「観光資源」などにできないかと考えているというが、ほとんどの観光客が写真だけ撮ってさっさと帰るという。ブロンクス出身のアレクサンドリア・オカジオ・コルテス連邦下院議員(民主党)は「子供の頃はあそこは危険で近づいてはいけないと言われました。いまははるかに安全になって嬉しい」と語っている。
アニメなどの「聖地巡り」は日本では観光資源化している。米国でも映画のロケ地が観光ガイドブックなどに載っており人気を集めるが、今回は映画が映画なだけに住人は複雑な心境のようだ。