新潟県南魚沼市の中学生と高校生合わせて19人が米国ワシントンDCとニューヨーク市を訪れた。同市と市教育委員会がニューヨーク新潟県人会(大坪賢次会長)の協力を受けて4年越しの計画を実現したもので、一行には林茂男南魚沼市長、岡村秀康南魚沼市教育長はじめ、市役所職員が同行し、ワシントンDCでホワイトハウスやリンカーン記念堂、アーリントン墓地、スミソニアン国立自然博物館などを見学した。ニューヨークでは4日午前、日本政府国連代表部に石兼公博大使を表敬訪問した。石兼大使は、国連の役割を説明する中で、新潟からの拉致被害者の問題や、ミャンマー、ウクライナとロシア、マリ、中東アフリカの問題など世界中で起こっている問題が単体で存在して発生しているのではなく、開発、教育、平和維持、保健、気候変動などが複雑に絡みあって全てが繋がって起こっているということを述べ、国連の安保理がロシアのウクライナ侵略を止めることができないことに対して機能不全との思いを抱くかもしれないが、国連は力と力の要素を無視できない現実の中で力ずくで問題を解決してもその後の統治ができなければ長続きできないという仕組みを説明。全ての政治は身近なところに戻ってくる、最後は人の問題になってくる、日本が多くの国から信頼されているのはコツコツと努力を積み重ねてきたからだ、日本という国の信頼できるイメージは国の資産。時間はかかるが皆さん一人ひとりがそういう意識を持って生きて欲しいと話した。生徒を代表して井口咲楽さん(国際情報高校2年)が「高校生の私にとってとても貴重な機会をいただき、とても感謝しています。私も海外の人たちから信頼を得られるような日本の代表という気持ちで努力したいと思います」とお礼の挨拶をした。(写真上:国連代表部で、石兼大使(後列左から5人目)と記念撮影)
一行は午後からNY総領事の森美樹夫大使主催の歓迎意見交換会に出席するため、総領事公邸を訪れた。森大使はNY総領事館の仕事やニューヨークと日本との結びつき、世界経済の中心地であり情報を世界に発信するニューヨークの特徴などを説明した後「今回の海外での体験は、将来いろいろな分野で活躍する上で必要な広い視野を与えてくれるでしょう。その広い視野を持ってどうやって自分が世の中に貢献できるか考えて成長していってください」と激励した。会場からは外交官になるためにはどうしたらいいかなどの質問が出され、最後に生徒を代表して小島涼さん(六日町高校3年)が「私が今回の事業に参加しようと思ったのは、ニューヨークは芸術など世界の文化の中心地なので、将来は芸術交流の仕事に進むためのアウトプットができるよう自分の見聞を広めたいと思ったからです。将来は日本のよさを海外に広める活動に関わって行けたらいいなと思いました」と挨拶した。ツアー後半の週末は、自由の女神島上陸やメトロポリタン美術館見学、最終日は分散してニューヨーク新潟県人会が迎えるホストファミリー宅に宿泊するなど盛りだくさんの1週間の滞在となり、7日帰国した。