栗原美江さん死去

家具レンタルで日系社会支える

コーシン社長夫人

 ニューヨーク市クイーンズ区フォレストヒルズのレンタル家具店、コーシンの創業者の妻、栗原美江(くりはら・よしえ)さんが11日、療養先のウエストチェスターのナーシングホームで亡くなった。85歳だった。

 栗原さんは、ニューヨークでミシン部品メーカーの駐在員だった夫の正義さん(2013年に83歳で他界)と結婚し68年に一時帰国後、リチャードさん、マーキーさん、ミッキーさんの3人の子供と共に再来米した。同夫妻はフォレストヒルズで現在のビジネスの全身となるロングアイランド・ステレオを開業。70年代に入って従来のミシンのパーツ販売に加えてテレビ、家具、電気掃除機、ピアノ、エアコンなどのレンタル・販売ビジネス「コーシン」を創業、学習塾も開業するなどして70年代のニューヨーク地区に赴任した日本企業駐在員世帯の当地での生活を側面から支えた。美江さんは当時ニューヨークにまだ少なかった日本人の子供たちの世話をし、また駐在員家庭の妻たちが頼る先輩として慕われた。

 現在は、長男のリチャードさんが家業を引き継ぎ、創業の地、フォレストヒルズで今も店を守っている。遺族を代表し、社長のリチャードさんは「ここに謹んで母の死をご報告申し上げますと共に生前故人に賜りましたご厚誼に対し遺族一同心から御礼申し上げます」とニューヨークの日系社会に感謝の言葉を本紙を通じて述べている。連絡先は電話718・520・0002(コーシン)。

(写真左)ありし日の美江さん(写真・家族提供)
(右)創業当時のコーシン。右手前が夫の正義さん