連邦上院で超党派が
米連邦上院の超党派グループが12日、新たな銃規制法案の骨子に合意した。上院議員数は民主、共和が50対50の同数だが、銃規制の慎重な共和党のうち10人が賛成しているため法案は成立する見通しだ。
法案では、①21歳未満の銃購入者に対する身元調査の厳格化②著しく危険を見なされた人物から銃を没収できるように州政府を支援③メンタルヘルスや学校の安全対策に資金援助などが盛り込まれた。
民主党が多数である連邦下院では8日に半自動小銃の購入年齢の18歳から21歳への引き上げや、大容量弾倉の販売制限が持ち込まれた包括的銃規制法案が賛成223、反対204の賛成多数で可決した。しかし上院での議決は難しいため、超党派グループが法案作りを進めていた。
バイデン大統領は法案について「自分が求める規制強化にはほど遠いものの、重要な進展をもたらすもの。法制化されればこの数十年で最も意義ある銃規制となるだとう」と述べた。
米国では毎日平均50人が銃で殺害されている。5月14日にはニューヨーク州バッファローの食料品店で10人が、25日にはテキサス州ユバルディの小学校で21人が死亡する乱射事件が発生した。遺族や被害にあった人たちが証言する公聴会が開かれ、銃規制の機運が高まった。
6月11日には首都ワシントンをはじめニューヨーク、ヒューストン、ロサンゼルス、シカゴなど全米各地で銃規制を訴える集会・デモが行われた。主催した「自分たちの命のために行進(MFOL)」によれば450か所で集会が行われたという。
MFOLは2018年2月にフロリダ州パークランドで起きた高校銃撃事件の生存者たちが立ち上げた銃規制団体。