今年はNATOも参加
1984年以降、ニューヨーク市で行われている米海軍、海兵隊、沿岸警備隊の推進週間「フリートウィーク」が、メモリアルデーの週末を挟んだ5月24日から30日まで開催された。
ハドソン川に巨大な海軍艦艇が停泊し、約2400人の水兵・沿岸警備員が上陸。期間中は、船のパレードや水難救助のデモンストレーションなど、さまざまなイベントが開催された。
ピア88には強襲揚陸艦として世界最大級のUSS WASPの一般公開も行われ、多くの観光客や家族連れが普段見ることのない戦艦内部を見学した。隣のピア86に常設展示となっている空母イントレピッド海上航空宇宙博物館では甲板に往年の米海軍機やヘリコプターなどが展示されており、大勢の観光客が訪れている。今年は米海軍の艦船3隻、沿岸警備隊の艦船2隻、米海軍兵学校の艦船4隻のほか、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるカナダの海上沿岸防衛艦、イタリアのフリゲート艦、英海軍の測量船が寄港した。 (写真上)米国海軍の艦上戦闘機などが展示されている空母イントレピット海上航空宇宙博物館の甲板(5月27日、三浦良一撮影)
航空母艦が常設博物館
ハドソン川に「イントレピッド」
米側から見た戦争の歴史
フリートウィークで賑わいを見せたニューヨークで、イントレピッド海洋航空宇宙博物館(Intrepid Sea, Air & Space Museum)には、連日多くの観光客が来館している。同博物館は、米海軍で使用されていたエセックス級航空母艦「イントレピッド」を利用し、艦船や航空機の展示を行っている。場所は、ウエストサイド・マンハッタンのハドソン川沿いの西岸・86番桟橋に接岸。イントレピッド財団が運営を行っており、1982年に開館した。86年に合衆国国定歴史建造物に指定された。飛行甲板上には各種航空機が展示されている。このほか潜水艦やコンコルドも展示されている。また博物館にはアメリカ海兵隊の募集事務所があるほか、艦隊週間の際にはホストとして機能する。また館内にはレストランやミュージアムショップなどの各種施設もある。
退役後の空母「イントレピッド」は築80年以上になる86番桟橋が老朽化が著しく、2006年には近代的なものに改築するのと同時に、「イントレピッド」にも補修改修工事を施すためにハドソン川を約8キロメートル下ったニュージャージー州ベイヨンのドライドックへ一時移動。飛行甲板の修理、未公開エリアの整備、外装の再塗装などの補修改修工事が施され、2008年秋には改修された86番桟橋に無事戻され博物館として再オープンした。同博物館は、航空機を展示している甲板(フライトデッキ)とギャラリーデッキ、体験見学・歴史展示会場となっているハンガーデッキの3層からなっている。ハンガーデッキには、特別展として太平洋戦争中に米海軍を恐怖のどん底に陥れた日本軍の神風特攻隊のアメリカ側から見た分析や映像などが展示されているコーナーもある。詳細はhttps://www.intrepidmuseum.org
入場料は大人(16歳から64歳まで) 36ドル、シニア(65歳以上) 34ドル、子供(5歳から12歳まで) 26ドル。4歳以下は無料。(写真・三浦良一)