トランプ大統領は3月20日、教育省の閉鎖を開始するよう命じる大統領令に署名した。教育省のリンダ・マクマホン長官に対して、法律で規定された範囲内で同省の閉鎖を促進し、教育に関連する権限の州・地方自治体への返還に向けて、あらゆる必要な措置を講じることを指示した。
トランプ大統領は「米国は生徒1人当たりの教育費が他国をはるかに上回るが、成果については最下位に近い。教育省をできるだけ早く閉鎖し、教育を各州に戻す」と表明した。障害を持つ子供らへの資金援助機能などは維持するとした。
教育省は教育機会の均等化を目指し、小中高校への助成金や奨学金の交付、学生ローンの運営などを行っている。大統領令に合わせて提出されたホワイトハウスのファクトシートによれば、同省は1979年の設立以降、教育予算を拡充してきたにもかかわらず、学力は向上してこなかったなどとして、連邦政府主導の教育行政制度を非効率だと断定、またDEI(多様性、公平性、包摂性)のイデオロギーを押し付けてきたことも問題視している。
ニューヨークの民主党議員らは相次いで反発する声明を出した。連邦下院のハキーム・ジェフリーズ民主党院内総務(ブルックリン選出)は「教育省を閉鎖すれば、全国の公立学校に通う何百万人もの子供たち、その家族、そして勤勉な教師たちに悪影響が及ぶ。クラスの規模は急増し、教師は解雇され、特別教育プログラムは削減され、生活費がすでに高すぎるこの時期に大学の学費はさらに高くなるだろう」との声明を出した。
グレゴリー・ミークス下院議員(民主党、クイーンズ区)は「共和党の学生に対する攻撃は、教師の解雇によってクラスの規模を拡大し、障害を持つ子供たちを傷つけ、大学や職業訓練を手の届かないものにするだろう」とし、「トランプ大統領とイーロン・マスク氏は、再び連邦政府職員の生活をひっくり返し、全国の何百万人もの人々を傷つけた。すべては富裕層への減税に充てる資金を調達するために、不可欠なサービスに対する政府支出を削減するためだ」と述べ、憤慨を隠さない。
ミークス下院議員はまた、「トランプ大統領の命令は「連邦機関を廃止する権限は議会のみにあるため、我が国の民主主義を露骨に無視している」と述べた。教育省の閉鎖は議会での法案通過が必要となる。共和党は上院で53対47の多数派だが、重要法案の成立には60票が必要であり、民主党議員7人の賛成が必要となる。閉鎖を疑問視する共和党議員もおり、困難と見られる。