これで安心! おひとりさまの永住帰国

NY日系人会サクラ・ヘルス・フェア

山口里美さんがオンライン講演中

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第14回サクラ・ヘルス・フェアで、23日(土)から5月9日(月)までライオンズ大学 大人の教養講座シリーズのオンライン講演会(企画・NY日系ライオンズクラブ、協力・マイベストプロ、マイ・イベントUSA)が開催される。一般社団法人 日本リレーションサポート協会代表理事の山口里美さんが「これで安心! おひとりさまの永住帰国」を講演している。

 帰国して日本で暮らしたい人が増えている。ニューヨーク近郊に住む日本人へのアンケートによれば、日本で老後を過ごすことを選択肢として残している人が51・4%と半数以上いる(本紙2021年1月1日号既報)。

 帰国には住まい、日常生活、財産管理という代表的な3つの不安がある。

▽「住まいの不安」

 帰国直後まず困るのは家を借りられないということ。高齢者の一人住まいは健康面や孤独死などのリスクがあるため、預貯金があって返済能力に問題がなくても高齢者に対し、大家の一定割合は入居制限をかけている。一時的に賃貸住宅を借りる場合、身元保証人、連帯保証人サービス、UR賃貸がある。日本の高齢者施設には、経費が安いケアハウスから、安くても介護度が高い介護保険3施設、費用は高いが介護度も高い有料老人ホームなどさまざま。入所要件もサービスもいろいろあり、結局専門家のアドバイスがないと、自分はどのタイプの施設を選べばいいのか分からないという問題に直面する。しかも身元保証人が必要。

▽「日常生活の不安」

 生活支援サービスは、自治会単位、小学校地区単位、市町村単位など多様な事業主体がサービスを提供している。認知症高齢者数は 2012年の462万人から2025年には700万人に増える。認知症になると財産が凍結される。銀行の預貯金が下ろせなくなる、不動産の売却、修繕、賃貸契約が出来なくなる。

▽「お金の管理」

 認知症による財産凍結を防いで、生活費や介護費用が滞らないようにするために(1)成年後見(2)民事信託(家族信託)がある。成年後見には(1)法定後見制度(2)任意後見制度がある。元気なうちに任意後見契約をすることが大切。人生のライフステージに合わせた契約ができる。

 これらさまざまな手続きをバラバラにするのは不慣れな帰国時なだけに大変。山口さんは、日本国内全国に13か所ある日本リレーションサポート協会が、まとめて1か所で相談に乗り手伝うサービスも紹介した。講座の視聴の申し込みは、JAA事務局・電話212・840・6942、 Eメールinfo@jaany.org まで。申し込んだ人に後日視聴先URLアドレスを通知する。