石原慎太郎さん悼む

NYタイムズ紙が訃報掲載

 今月1日に膵臓がんのため89歳で亡くなった石原慎太郎元東京都知事について3日付ニューヨークタイムズ紙が訃報を写真付きで大きく掲載した。同紙は、石原氏について中国との領有権問題をめぐって外交的緊張を高めたことで知られる作家、過激なナショナリストの政治家と紹介。一橋大学法学部在学中の1955年に処女作『太陽の季節』を発表して芥川賞を受賞し、戦後の日本に幻滅した若者の姿を描いて評判になったが、このテーマはその後の著作でも繰り返されたと評した。

 1999年から13年間、東京都知事を務め、日本を活性化し、米国への隷属から解放すると信じて、厳格な右翼キャンペーンを展開し、第二次世界大戦の原爆投下によって未だにトラウマを抱えている日本で、核兵器の開発を要求、日本が戦争をすることを禁止する(米国によって課せられた)憲法の規定を廃止するよう要求したなどと報じた。

 また、保守的な考えを貫き、女性や外国人への差別的な発言で批判されることもあったことや、2012年には東京都知事として、東シナ海に浮かぶ尖閣諸島と釣魚島を購入するために数百万ドルを集め、中国との外交問題に発展したことなどを紹介した。

(写真)モノいうナショナリスト(国粋主義者)の見出しで報じる3日付NYタイムズ紙