幌加内高校からそば実習生来米

蕎麦屋の八木さん招く

 全国で唯一カリキュラムの中に「そば」を設定している北海道幌加内高校の生徒2人と教師の3人が1月21日から27日まで、ニューヨークのそば処、イーストビレッジの蕎麦屋で1週間、海外研修した。

 きっかけは、1年前に蕎麦屋を経営するレストラングループTICグループの八木ボン社長が見たテレビ番組。同校の活動に感激した八木社長が1年がかりで交渉して私費で3人をニューヨークに招いた。

(写真上)左から実習生の作田さん、大森教諭、野口さん、八木社長

 幌加内は日本でそば生産、作付け面積で日本一を誇る町。同校そば局の大森拓教諭と高校2年生の作田康喜さん、野口翔さんが来米した。1月24日午後には、蕎麦屋で、北海道ゆかりの会の武田勝男代表らメンバーと日系地元紙記者を招いたそば打ちの実演と試食会が行われた。

 大森さんは「海外で生徒が研修するのは、そばを通して世界を広げるいい機会。卒業生の中にもドイツにそば職人として就職した者もおり、ニューヨークで多くのアメリカ人が蕎麦を食べている姿を見て励まされた」と語る。

 野口さんは海外での「今回の体験は、今後の自分の人生で大きなできごと」と話す。同校は、今年1月7日には「ディスカバー農山漁村の宝」交流会で石破総理から激励を受けるなど幌加内高校の取り組みが地域を超えて認められ全国で注目を集めた。

 八木さんは「幌加内は1200人の人口なので、たくさんのことを勉強して学校で発表していただけたら、バーチャルリアリティーじゃなくて、百聞は一見にしかずの諺に近づけると思います」と話した。