NYで日本美術普及に尽力
在ニューヨーク日本国総領事・大使公邸で14日夕、令和6年度外務大臣表彰を受賞したジョン・T・カーペンター氏(メトロポリタン美術館日本美術キュレーター)への外務大臣表彰伝達式が実施された。
カーペンター氏は2011年以降現在に至るまで、世界有数の日本美術作品の収蔵を誇るメトロポリタン美術館で日本美術キュレーターを務め、同美術館における収蔵品の管理や、数々の展覧会の企画実施、日本の書道や絵画、木版画といった日本美術に関する書籍の出版等を通じて日本美術の普及に尽力。世界各国の文化芸術が集う都市ニューヨークで日本美術の魅力を積極的に発信し続け、米国における親日家層の維持拡大や親日感情の醸成に貢献している。
外務大臣表彰は、日本と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている中で、特に顕著な功績のあった個人及び団体について、その活動に対する一層の理解と支持を国民各層にお願いすることを目的としている。
日本画家の千住博さんが乾杯の挨拶に立ち、江戸時代初期の松尾芭蕉の『奥の細道』の「月日は百代(はくたい)の過客(くわかく)にして、行きかふ年もまた旅人なり」の言葉を引用し、「 月日というものは、永遠の時間を旅する旅人みたいなもので、やって来ては去っていく年月も、やはり旅人のようなもの。芸術もまたしかり」と述べ、さらなる日本美術の海外への紹介を激励した。カーペンターさんは「自分が初めてコロンビア大学でドナルド・キーン教授の授業を受けたときに見たのが松尾芭蕉の書で、その時の彼の解説を聞いて自分は日本美術に傾倒していった」と語った。