大卒の共和党員にトランプ支持広がる

 15日、米共和党の大統領候補指名争いのアイオワ州党員集会で緒戦を飾ったトランプ前大統領は、高卒白人の労働者を岩盤支持層としているが、大卒など高学歴者からの支持も増えていると14日付ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

 1年前の世論調査では、支持率がフロリダ州知事のロン・デサンティス氏を下回ることもあったトランプ氏だが現在は回復している。世論調査の分析では回復の中心となっているのは大学教育を受けた保守派層という。大卒の共和党支持者の間では、2020年の大統領選挙は不正だとのトランプ氏の主張とその後の論争には動揺が広がった。2022年11月の中間選挙では「赤いウェーブ」(共和党圧勝)を起こすことはできなかったばかりか、選挙後に白人至上主義者のニック・フエンテス氏や反ユダヤ主義的な発言で非難されていたラッパーのカニエ・ウエスト氏らと会食をしたことは共和党内からも激しい批判が起きた。

 当時のサフォーク大学とUSAトゥデイの世論調査では、共和党支持者の61%がトランプ氏の政策を支持しているものの、大卒の共和党支持者のうち76%が、「別の共和党大統領候補を望んでいる」という結果だった。しかし今月の調査では共和党支持者の62%、大卒者で60%がトランプ氏を支持している。FOXニュースの最近の世論調査でも、大卒の白人共和党支持者のトランプ支持率は昨年の2倍となり60%に達している。

 記事では、トランプ氏はこの1年の間に4件の刑事事件を抱え、91件の容疑がかけられているが、その間に支持が増えたことを強調。大卒の共和党支持者の間で、過剰かつ不当な法的捜査だと疑問を抱く見方が広がったとしている。また外交関係よりも国内問題を優先したいと考えており、高金利に不満の声も高く、バイデン候補に勝つにはデサンティス氏やニッキー・ヘイリー元サウスカロライナ知事よりもトランプ氏の方が勝てると思う人が多くなっているようだと伝えている。