令和5年新年賀詞名刺交換会開催
ニューヨーク日本総領事館主催(NY日本商工会議所、日本クラブ、NY日系人会共催)による新年賀詞名刺交換会が13日昼、日本クラブで開催され、120人が参加した。君が代斉唱のあと、主催者を代表してニューヨーク総領事の森美樹夫大使、続いて共催団体の代表として上野佐有NY日本商工会議所会頭、和田知徳日本クラブ会長、佐藤貢司NY日系人会会長がそれぞれ年頭の挨拶を行った。4氏による鏡開きの後、全員で乾杯し、来場者たちは日本クラブの祝い肴とお雑煮を振舞われて新年の歓談を楽しんだ。代表者の挨拶の要旨次の通り。
在留邦人の安心安全に役立つ
森美樹夫NY総領事・大使
2022年を振り返ると引き続きコロナとの闘いは続いているが、人々の社会経済活動が再活性化して正常化に向けて大きく動き出した年だった。これまでにもオンラインで行われてきたイベントも次々と対面での開催になってきた。NYの街には賑わいが戻ってきた。史上初のジャパンパレードが5月に開催され、米国からの野球伝来150周年を記念したさまざまな日米交流も盛況で、秋には対面で国連総会が開催されて岸田文雄夫妻の3年ぶりの訪問で在ニューヨーク邦人との交流を深めた。
今は、水際措置の撤廃、緩和を受けて日米間ではより多くの人が往来を再開して交流の機会が格段に増えていると予想される。こうした中で、日本政府、総領事館としては引き続き在留邦人、日本コミュニティ、日本企業への支援さらには、日本文化発信のために最善を尽くしていきたい。在留邦人の安心安全の役に立てるよう治安、安全対策に対する情報を積極的に発信していく。日本のビジネス、文化などをニューヨーク市民、NY州政府、市当局に伝えていくための働きかけを引き続き強力に行っていく。さらには、いまアメリカ、ニューヨークがどういうことになっているのか、日本はどういうふうに見られているのか、日本の立ち位置はどういうものなのか、在留邦人がどういう苦労をして、あるいはどういう思いでここで暮らしているのかといったことについて東京の日本政府、さらには日本の官民に伝えていく役割を担っていきたい。今年2回目となるジャパンパレードが5月13日に開催されるが、2回目をさらに実りのあるものにするために日系社会の皆様に協力をお願いしたい。
不確実性の時代こそ日米の役割大きい
NY日本商工会議所(JCCI)上野佐有会頭
アメリカの金融政策が大きく動き、国際秩序も含めてグローバルなビジネスが環境にとっても大変な1年だった。10年くらい前から不確実性の時代と言われてきたが今まさに昨年は新しいポストコロナに向けてパラダイムシフトの1年になったのではないかと自分では感じている。昨年JCCIは創立90周年を迎えた。7月にはメトロポリタン美術館でウクライナを支援するチャリティイベントとして収益金をウクライナ復興支援として使わせていただいた。8月には冨田駐米大使、森総領事と共にエリック・アダムスNY市長と会談、11月には3年ぶりのインパーソンで第38回のJCCIアニュアルディナーを開催することができた。新しく迎えた2023年は、グローバルベースでの大きな環境変化が我々にとって新しい機会になりつつあるのではないかということを自分では確信している。気候変動とかサプライチェーンの強靭化という国際社会が直面する新たな課題に日米両国が果たす役割は非常に大きなものがある。不確実性の時代にこそJCCIのミッションである日米両国の良好な関係構築に貢献できるよう頑張っていきたい。
好転する飛躍の年にしたい
日本クラブ 和田知徳会長
新型コロナの世界的な感染拡大が3年を経てワクチンの浸透と共に状況は落ち着いてきたのではないか。この3年間で生活、仕事、社会も大きく変化したが本格的な日常生活に向けてどんどん加速している。昨年NYはレストランや公共交通機関でマスク適用となったがそれも撤廃されていて、いよいよウィズコロナの生活に確実に入った感がある。世界に目を向けるとウクライナでの戦争勃発、アメリカと中国との関係悪化という地政学的リスクがかなり顕在化した年ではなかったか。世界的には経済面で各国が金融引き締め政策をとっている中で、世界経済は若干減速気味ではある。そういう環境の中で我々のビジネスだけではなく、日々の生活にも少しずつ影響が出ているのかと思う。先行きは見通しがつかず予断は許さない状況だが、アフターコロナ、ウィズコロナの時代に向けて今年はさらに前進できる年にしていきたい。日本クラブでは医療従事者と警察などフロントワーカーの人たちの仕事の支援になるのではないかと弁当を提供するプロジェクトを続け、昨年3年目を迎え、昨年末までに1万6198個の日本食の弁当を届けた。昨年は野球大会、ゴルフ大会、日本ギャラリーでのアート展などインパーソンのイベントも展開し、日本クラブ本来の大きな目的である会員同士の交流の場としての賑わいを復活してきた。スポーツ、食、カルチャー、アートを通じ、会員の親睦を深め、NY地域社会との交流の場として日米交流の親交に尽力していきたい。卯年は跳ねる、新しいことを始めるには縁起がよく希望が溢れ、景気回復、好転する飛躍の年にしたい。
2023年は挑戦の年に
NY日系人会 佐藤貢司会長
2023年は卯年で世界が挑戦する年です。今日は岸田首相とバイデン大統領が日米首脳会談をしています。1907年に創設されたNY日系人会にとっても昨年はチャレンジングな年でした。活動は、教育、文化、地域社会を柱に行っており、コロナ禍前は100人以上のシニアが参加したJAAのシニアの昼食会・敬老会も、春ごろからは、約60人の72歳から100歳までのシニアがJAAホールに集って会食、他50人〜60人にはデリバリーやピックアップなどで、お弁当を提供してまいりました。シニアたちは、久しぶりに会えてとても幸せそうでした。昨年は100歳を祝う方もいました。3月の3・11と9月の9・11の在ニューヨーク日本国総領事館と共催のコミュニティボランティア活動では、三菱UFJ銀行等の企業と共同で日本食を集め、市内のフードバンク・オブ・ニューヨークに寄付、 ホームレスシェルターの配膳や飢餓を終わらせるためのMeal Packing が行われ、私もMeal Packing のボランティアに参加し、ボランティアの大切さと充実感を感じました。4月30日にはフラッシングメドウコロナパークで桜祭り、5月の美術展、5月30日のマウントオリベット日本人墓地で1912年から続く日本人先駆者への墓参会を開催することができました。最後の大きな行事は、12月12日にハーバードクラブで開催された115周年記念晩餐会でした。170人が集まる盛大な会を開催することができました。ニューヨーク日系人会会長として在ニューヨーク日本国総領事館、在米日本企業、NY日本商工会議所、日本クラブ、ボランティアの皆様のご支援に対し深く感謝致します。2023年が皆様にとりまして素晴らしい年となりますよう祈念しております。(スピーチは英語で行った)