現代のアジア系を意識して舞台で踊る

ダンサー

古井 伽林さん

 11月2日(土)午後4時30分からブルックリンで開催されるレゾナンス ・マルチ・エクスペリエンシャル・ダンス・ショーに出演する。アジア系アメリカ人のストーリーを称え、コミュニティーを構築することを目的とした作品。多様な体験ができるアジア系アメリカ人にスポットを当てたダンスイベントは、反アジア系ヘイトに対抗し、コミュニティ意識を育むという時代のニーズから生まれた。

 レゾナンスは、アジア系、クィア系がストリートダンスを中心として組織を結集し、アジア系アメリカ人の豊かな経験を祝うことで、これまでの活動をさらに発展させる。ストリートダンスとコンテンポラリーな動きを通して、マイノリティのアイデンティティを祝福するというテーマを探求する。舞台は体験型ナイトマーケットを通して、黒人とアジア人の連帯を築く。このイベントは、ブルックリンのWe Are Here (weareherebk.com) で開催される。

 出演する古井さんは、日本生まれの日本育ち。出身は名古屋。日本から来て2年、自分がアジア人であることをNYに来て初めて意識するようになったという。

 5歳の頃から家の近所のスタジオでヒップホップダンスを習い始めた。10歳の時にはオーストラリアで開催されたワールド・スーパーメイシー・バトルグラウンドというダンス大会に出場して優勝、早くも頭角を現し、高校在学中にVIBEジャパン、ワールド・オブ・ダンスにも参加して1位、2位と好成績を納めた。

 20歳の時に来米し、ニューヨークの有名ダンススタジオ、ペリダンスの認定プログラムに入学。渡米のきっけは、母親の言葉だった。「やりたいことがあったら今しかないよ」。昔から母の影響で海外のアーティストを見るようになり、いつかそこに自分も入りたいと思ったのがこの世界には入るきっかけともなった。

 「私はダンスを通して自分の気持ちや感情をオーディエンスにシェアできることに喜びを感じます。簡単なことではないので、うまくできないこともありますが相手に伝わっていると踊りながら感じられる時が私はとても好きです」と語る。将来の夢は「ビヨンセとお仕事をすることです。彼女は私がアメリカに来た1番のきっかけのアーティストでもありますから」と目を輝かせた。

 (三浦良一記者、写真も)

     ◇

11月2日のブルックリンでの公演詳細はこちらから。

https://www.versd.co/listing/66b0e099-3bde-48cd-9aa5-3cfe89e5e4a9