がんと闘う世界の日本女性を応援

ジャパニーズSHARE代表

ブロディー愛子さん

 乳がん・卵巣がん・子宮がん患者支援団体のジャパニーズSHAREの母体であるSHAREキャンサー・サポートは、23日と24日の2日間、医療格差を無くすための会議を開催した。ジャパニーズSHAREの代表、ブロディー愛子さんが患者向けワークショップ「患者として、どのように自分を主張したら良いのか」を英語で行った。

 自身もサバイバーであるブロディーさんは、以前は、乳がん患者サポートグループの「ネスト」で活動していたが、2013年7月にSHARE日本語プログラムの代表として就任、活動8年目の昨年4月、母体のSHAREキャンサー・サポートの活動の一部となり、名前もSHARE日本語プログラムからジャパニーズSHAREに改名し、サービスを全米に広げた。ヘルプラインでの相談は、検査をどこで受ければ良いか、アメリカで医療サービスを受ける場合、また日本での治療を選択する場合、治療中に渡米や日本へ帰国することになった人などさまざまで、それぞれの状況に応じて、幅広く対応している。これら のサービスはすべて無料だ。これまでに累計1000人を悠に超えるサポートをしてきた。大都市圏以外の地方都市で生活する日系女性患者にとっても大きな心の支えとなっているに違いない。

 昨年は、コロナウイルスの感染拡大で3月16日から遠隔での活動となり、8月から西海岸方面にも活動を広め、今年からは西海岸と東海岸に分けて乳がん患者へのミーティングを行っている。さらに卵巣がんと子宮がん患者のミーティングと転移がん患者のミーティングも行なうなど、今年になってから忙しさを増している。これらのミーティングはそれぞれの疾患を専門とする医師らの協力を受け日本語でアドバイスを受けることができる。ここは米国では数少ない日本人向けの常設の乳がん患者支援団体となっている。

 米国で暮らす日本人女性のがんと向き合う。がんと診断される年齢が若くなっているという。「自分のことが後回しになりがちのママ世代や、仕事で忙しいキャリアウーマンなどには、何よりも検診に行くことを優先してていただきたいです。また私のように『若いし、アジア人だし、家族に乳がんは誰もいないんだから、心配ないわよ〜』なんて言う医師の言葉を安易に信じて、その結果、2年間胸のしこりが癌に育つまでの経過観察なんてことのないようにしてもらいたいですね」と自身の体験からアドバイスする。

 時間を見つけて油絵を描くのが趣味だが最近は時間がない。家庭では活動を支援してくれる夫と娘がいる。栃木県生まれ。東京文化服装学園卒業後、77年に来米。(三浦良一記者、写真は本人提供)