春の装いで外出楽しい

 暖冬であっても春の訪れは気分を高揚させる。週末、イーストビレッジのトンプキンズスクエアパークには地元ニューヨーカーが集まりピクニックを楽しんでいた。「漸く春の装いで外に出れるようになったわね」と、取材に応じてくれた女性が着ていたのは、黒地に白いボーダーのH&Mクロップトップにヘルメート・ラングのミニスカート、そしてお母さんのおさがりの黒いブーツ。ヘルメート・ラングはベーシックデザインのデニムラインが豊富だし、お古のブーツは履き慣らされていて履き心地満点だ。本日はH&Mのトップスだが、環境配慮から普段はなるべくファストファッションは避けている。また、アメリカらしい屈強なデニムが好みで、リーバイスもお気に入りブランドだ。一方で、おしゃれにスタイリングしたい日はプリントが可愛いガーニーを着こなす。休日は大抵、ロウアー・マンハッタンかブルックリンでくつろぐ。友人関係が出来上がってるから居心地が良いし、進化を続ける街だから同じ場所に行っても常に新しい発見がある。「この後の予定?友達と古着屋巡りよ。ワクワクするわ」。さまざまなブランドを気軽に試せる古着購入は、環境保護意識も相俟ってミレニアムやジェネレーションZ世代から高い支持を受けている。昨今のインフレは、その傾向をより一般化し、ニューヨーカーの週末スケジュールに欠かせないエンタメとなり始めた。インタビュー最後の「We’re gonna go East Village thrifting!」の一言が時代の流れを顕著に表している。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)