日系人強制収容の自伝絵本 ジョージ・タケイさん

ジョージ・タケイ・著

ランダムハウス・チルドレンズ・ブックス・刊

 日系俳優で社会活動家のジョージ・タケイ氏の自伝的絵本が出版された。第二次世界大戦中の収容所での幼少期を描いた作品だ。1942年2月19日、フランクリン・D・ルーズベルト大統領が大統領令9066号に署名し、西海岸に住む米国民および日本人の血を引く非市民の12万5000人の強制退去と収容を認めたことによりタケイ氏の人生は一変した。 タケイ氏は5歳で収容所に入り、3年後の1945年に終戦を迎えるまで収容所にいた。

 「有刺鉄線のフェンスに囲まれた子供時代が、私が活動家になった理由です。兵士たちがドアを叩いたとき、自分がどんな目に遭ったか、どんなに怖かったか、そして両親が兄弟姉妹と自分が戸惑うばかりの新しい家で安心できるようにしてくれたことなど、とても鮮明に覚えています。このアメリカの歴史の一章を子供たちに伝えることが私の使命。そうすることで、私たちは皆、民主主義の脆さと重要性を知り、それに参加しながら成長することができる」と語る。

 同氏は、『スタートレック』のヒカル・スールー役で世界中で知られる俳優であり社会活動家。日系人強制収容所に関しては2014年にブロードウエーミュージカル『アリージャンス 』(Allegiance)で主演男優を務めた。昨年NYで開催されたジャパン・パレードのマーシャルも務めている。現在は、全米日系人博物館の名誉理事長、日米友好基金委員会の理事も務め、2004年には日米関係への貢献が認められ旭日章を叙勲している。同書は日本では来春北丸雄二氏の訳で翻訳版が刊行される予定だ。

   (三浦良一、写真も)