コロナ時代の帰国受験 第4回 田畑康
いよいよ海外生・帰国生入試が始まりました。オンライン入試を実施していない中学・高校を受験するために、既に帰国された生徒もいますが、今年度は何と言っても「オンライン入試」がキーワードです。
前回の記事でも「今後は帰国生入試も一般入試もオンライン入試がカギになってくる」とお伝えしました。来年度以降に入試を控える小4〜5年生、中1〜2年生の保護者様からも「来年以降はどうなるでしょうか」という問い合わせが増えてきています。今回は、来年度以降の展望についてもお伝えいたします。
昨年度までは、海外に居ながらにして受験できる学校は、書類選考型もしくはスカイプ面接を採用していたほんの数校しかなかったのですが、今年はこのコロナ禍のなか、オンライン入試がとても増えています。果たして、オンライン入試は今年度のコロナ対応のみの現象なのでしょうか。
実施を決めた首都圏のとある私立中学・高校の入試担当の先生によれば、コロナ感染拡大による休校措置期間中の在校生へのオンライン授業提供の経験が、入学試験のリモート実施の実現につながったとのことです。
現在、公立・私立を問わず、日本国内の学校ではICT(情報通信技術)を活用した「オンライン授業」の進歩が目覚ましいです。インターネットの普及と「プログラミング授業必修化」などの時代の流れに、ウィズ・コロナ時代が運命的に重なったともいえるかもしれません。
今年度の「帰国生オンライン入試」がどう行われるのかをまとめてみました。
①書類提出+面接試験 これまでも実施されてきた、スカイプやZOOMを用いた面接試験です。学校での成績や活動をまとめた書類の内容が重視されるか、面接が重視されるかは学校によって違います。
②事前課題提出+面接試験 出願者には事前に課題が提示され、期限までに自宅でその課題をこなします。「解答用紙」または「回答動画」をスマートフォンなどで撮影し、データをメール送信するか、受験生用に作成されたアカウントにアップロードする形式です。
③オンライン学力受験 学校側が試験時間中、受験生を監督する形式です。カメラ・マイク・スピーカー付きのパソコン、A4の印刷ができるプリンターなどの環境を整える必要があります。試験終了後、答案データを速やかに学校に送信することになります。
いかがでしょうか。昨年までは想像もつかなかった入試形態が今年、出現してきています。
先述の学校の入試担当の先生に来年度のオンライン入試はどうなるかと質問したところ、「続けるかもしれないし続けられないかもしれない」という回答でした。
田畑康(たばたやすし)
早稲田アカデミーニューヨーク校校長。海外生・帰国生指導歴15年。自らも帰国生(オーストラリア、マレーシア)であった経験を生かし、「合格のその先」を見据えた指導を心掛けている。