昨年12月に新装なったザ・プリンスキタノニューヨークは、マンハッタンのパーク街38丁目に建つ全客室数150のニューヨークにおける唯一の日系ホテルだ。
数々の美術品に囲まれたロビーから階段で地下に降りると、リブランドされた老舗日本食レストラン「hakubai」が営業を再開している。パンデミックで4年間閉店後、全面改装された同店内のダイニングスペースは、モダンな中にも和に寄り添った木彫のシックなデザインをベースに伝統の技とコンテンポラリーな温もりを融合させた美しい空間へと生まれ変わっている。もとの「白梅」を知っている人はそのグレードアップぶりに目を見張るはずだ。エントランスのバーと個室、離れ、メインダイニングなど最大60席以上が利用できる。
営業時間は午後5時30分から午後10時(ラストオーダー午後9時、定休日・日曜、月曜)のディナーのみで、厳選された旬の食材を使用した本格的な懐石料理(おまかせ11品コース1人225ドル)を楽しめる。夏メニューでは先付けのあおり烏賊、前菜は純菜にホタテと海老、鱧(はも)、蒸しものは人気の雲丹茶碗蒸し=写真右=、織部焼きの器で出されるお造り=写真上=、魚料理は太刀魚とホタテ、穴子てんぷら、茶蕎麦と続き、A5和牛、釜飯のコーンライスなどどれも美味しい。このほか銀鱈の西京焼き、ほっけの開きなど多彩な一品メニューにミールセット(ご飯、味噌汁、漬物、23ドル)を付けて純和風定食をいただけるのも日系ホテルならではだ。新鮮で丁寧に仕上げられた寿司も握り5貫50ドルから楽しめる。
総料理長として昨年着任した大塚圭介さん(54)=写真左=は、1991年にプリンスホテルに入社後、2018年には総理官邸や迎賓館などを担当、2019年には即位の礼などに携わり宮内庁の料理業務を通して米国、フランス、ロシア大統領および各国首脳陣など約50か国のVIPの料理を担当してきたベテラン中のベテランだ。そんな輝かしい経歴の大塚シェフだが「形式ばらずに、どうか気楽にいらしてください。うちは食後のデザートもパティシエ2人が日本から来ているのでアメリカでは食べられない味を楽しめますよ」と笑顔で話してくれた。本物の日本食を食べられる新装「hakubai」は、もちろんビジネスの会食、個室を使った大切な人とのお食事会、接待にも大いに活躍しそうだ。 (三浦)
hakubai
at The Prince Kitano NY
66 Park Ave, East 38th ST,
New York, NY 10016
Tel: 212-858-7111
www.hakubainyc.com
営業時間:17:30-22:00
定休日:日曜、月曜