マスク着用求めたら… 店員殴られ負傷

NY日系スーパー

 5月26日午後1時45分ごろ、マンハッタンのミッドタウンにある日系食料品店サンライズマート41丁目店にマスクをしていない黒人男性が店内に入ったところマスク着用をスーパーの店員から求められたのを断り、店外に出るよう求めたマネージャーを殴って逃走した。来店客が911に通報、救急車も駆けつけた。警察は、逃走した容疑者の身柄を同日午後に市内ミッドタウンサウス分署に確保して取り調べをしたが被害者に差別的な発言をしていないので憎悪犯罪とは考えていないとしている。

 被害に遭ったマネージャーのIさんは、たまたまレジから5メートルくらいのところで別の客の対応をしていて、レジ係と男がマスク着用で言い合っているのは聞こえていたが、店員の指示に従わずに男が店内に進もうとしたので、店員が大声でIさんを呼んだという。

 Iさんは両手を前に出してストップサインをして制止したが、男はそれに従わずに前進して店内に進み、自分からIさんの手に体が触れたところで男がIさんの額を殴ったという。Iさんは眼鏡が床に落ちたので下を向くと床に血がポトポトと落ちたので額に怪我をしたと分かった。顔を上げた時には男は店外に逃走していたという。Iさんは救急車で市内の病院に搬送され額を3針縫う全治1週間の怪我を負った。額にバンドエイドを貼ったIさんは「何かあったらすぐ呼ぶように日頃から従業員には伝えている。お客様の安全を考え、お客様用のマスクも常備しているが、今回はその余裕もなく、一瞬何が起こったのか分からなかった」と話している。

 サンライズマートの好田忠夫社長は「コロナ禍でマンハッタンに限らず、至るところに犯罪の危険があるような昨今だが、お客様と従業員の安全をこれからも第一に考えて営業していきたい」と話している。