マンハッタンの会社員
マンハッタンの企業に勤める従業員のうち、週5日出勤を再開したのは8%で、約62%はいまだ在宅勤務を継続していることが、大手企業の雇用者たちから成る非営利団体パートナーシップ・フォー・NYCが9日に公表した調査結果でわかった。
4月末の平日に行われた同調査では、完全に平日出社を再開したと回答したのは12人中1人に過ぎなかった。同団体は、2021年3月と10月末に同様の調査を行い、そのたびに半年以内に会社員のほぼ半数が会社出勤を再開するだろうと推測していた。しかし相次ぐ変異株の拡大で、在宅勤務がさらに日常化した。同団体のキャサリン・ワイルド代表は、リモートワークの普及傾向を「慣性」とし「ひとつのことを長く続ければ続けるほど、生活を変えることがますます難しくなる」と解説している。
一方、雇用主側の意見としては約78%が、従業員の在宅と対面のハイブリッド勤務を望んでいる。在宅勤務希望の理由としては「慣性」のほかに都市部の犯罪やハラスメントの懸念があり、雇用主の3分の2は、公衆安全やホームレス問題の改善が出勤回復を促すだろうと答えている。通勤者数の低迷は都市交通局(MTA)の経営にも打撃を与えている。公共交通機関の乗車率は現在、2019年比の40%減で、パンデミック前の状況に戻らなければ、2025年までに赤字は5億ドルに達するだろうと同局は推定している。