来春リバーサイドに
コネチカット州グリニッチのニューヨーク日本人学校(相澤順校長、児童生徒数102人)が来年春移転することが明らかになった。同校を運営するニューヨーク日本人教育審議会ではすでに移転先との契約を済ませ、保護者向けの説明会も2回開催している。移転先は同じくコネチカット州内の現在よりはスタンフォード寄りのリバーサイドの元カソリック系小学校だった建物をリースして来年4月の新学期から新校舎での授業を行う。
同校は1975年にニューヨーク市クイーンズ区ジャマイカに創立された北米で最も古い全日制日本人学校。1992年には児童生徒数の増加により、ニューヨーク州に隣接する緑豊かな環境の良いコネチカット州の現在のグリニッチに移転した。しかし、ここ数年生徒数の減少が続き、規模に応じた校舎を探していた。来年でリース切れとなるのを機に移転を決めた。
ニューヨーク日本人教育審議会新家良一会長の話「数年かけて日本人学校の中長期的な安定運営について検討し、2019年に移転を決定、保護者向け説明も2回実施している。移転まで1年弱となり、学校関係者、保護者会は元より、グリニッジタウン、総領事館、文部科学省などの協力を得つつ、移転を完了させ、魅力ある学校づくりを推進したい」。
学舎と共に30年
ニューヨーク日本人学校(コネチカット州グリニッチ、児童生徒数102人、相澤順校長)が移転計画を進めていることが明らかになった(1面に記事)。契約はすでに2年前に移転先と済ませ、保護者会にも2回にわたり説明が済んでいるという。1975年に創立された北米で最も古い全日制日本人学校の同校が現在の場所に校舎を構えたのは1992年。1年間のヨンカースでの仮校舎を経て自前の学校を購入したが、2006年に米国の私立学校に売却し、そのままテナントとして校舎を使用して数度の契約更新を経て30年近くをこのグリニッチで日本人児童生徒の教育の場として運営してきた。
生徒数の上限は450名とされたが、450人の上限に生徒数が達することはなく、リーマンショック以降も生徒数が減少し、現在は102人とピーク時の3分の1程度にまで児童生徒数が減っている。児童は減っても家賃は逆に値上がりしていて、ニューヨーク地域で全日制と補習授業校を管理運営しているニューヨーク日本人教育審議会の財政負担が大きくなっていたのも移転の背景にあるものとみられる。
移転先が、現在のグリニッチから電車の駅で2駅しか離れていないリバーサイドに決まったことは、在校生徒たちの通学にとって配慮された選択だったといえそうだ。来年4月からの新学期に向けての新入生や転入生を迎えるにあたり、審議会側も正式な対外発表のタイミングを計っているところだという。同校は進路指導に高い定評があり、保護者との面談や受験面接など丁寧で具体的な指導を行っている。国内校への指定校推薦や校長推薦制度があり、日本の国立大附属高校や有名私立高校へ進学する生徒も多い海外でも有数の進学校として実績がある。生徒たちへの教育環境が大きく変わることのない移転計画を進めてきた審議会に対する保護者たちからの理解も得られているようだ。