その3:距離は最短でも見所満載のカンザス
ルート66ファンの皆さん、こんにちは! 今月はまず、お詫びから始めさせてください。先月ここでお伝えしたアリゾナ州セリグマンのイベント「Arizona Fun Run」ですが、新聞の発行直後に何と中止が決まってしまいました。執筆時には中止の兆候がなかったのでご紹介したのですが、何とも残念な結果となりました。主催者側からチケット購入者には、払い戻しか翌年への振替をすると発表があったようです。まだまだコロナ禍の影響があり今後の見通しがはっきりしない中、特定のイベントに絡めたご案内は避けるべきだと私も痛感しましたので、これからは純粋にルート66を愉しむ行程をご提案していきます。大変失礼致しました!
ということで、今月はイベントとは関係なく通常の週末または祝日を1日プラスした連休をエンジョイできる短区間の「ウィークエンド・ゲートウェー」をご紹介いたします。
皆さんはルート66が8州に跨って走っていることはもうよくご存知だと思いますが、その8州の中でルート66部分の距離が一番短い州を憶えていますか? そう、カンザス州ですね。カンザス・ルート66は僅か13マイルしかありません。車で走れば20分にも満たない距離ですが、見所満載の街が何と3つもあるという黄金郷でもあります。早速ここを目掛けて旅に出てみましょう!
旅のタイミングはやはり初夏から秋がおススメです。冬の寒さは厳しく、12月〜2月は氷点下になるうえ雪もしっかり降ります。時期的な限界はベテランズ・デーの週末でしょうか。残念ながらカンザス・ルート66の近くには大きな空港はないので、ミズーリ州スプリングフィールドまたはオクラホマ州タルサのどちらかを利用することになります。もちろん一方から入って他方より出ていくという方法もありますが、その場合は走行距離が長くなるとともに、見所も極端に増えてしまいます。更にレンタカー会社やタイミングによっては返却空港が借りた所と異なると余分な費用が発生しますので、今回はオクラホマ州タルサでのイン・アウトということにします。タルサの空港は沢山の路線が運航していますので、皆さんのお住まいの場所からきっと便利な便があるはずです。行程はフルで2泊3日と致しましょう。フライト時間が長く押してしまう場合は、申し訳ないですがご自身の好みでどこか削ってください。(笑)
もちろんオクラホマ州タルサ市内にも沢山のポイントはあります。近郊にもあります。が、今回の目的地はあくまでもカンザス・ルート66が中心。そこを目指しながらオクラホマ州、ミズーリ州のポイントも盛り込んでいきます。
第1日目、朝タルサからまずはカンザス州バクスタースプリングスを目指します。距離にして約100マイル、1時間半のドライブです。タルサ空港は街の西側にありますが、インターステートを走ればさほど難しくありません。本来ルート66を通って北上することが好ましいのですが、「時間との戦い」は常に頭に入れておく必要があります。バクスタースプリングスはそのダウンタウンの大通りと、「Independent Oil & Gas 」という旧給油所(今は観光案内所)、そしてそこからルート66を北上し次の街リヴァートンへ行く途中に現れる「Field of Dreams スタジアム」を見逃さないように。リヴァートンではレインボー・ブリッジを渡り、ランチ時を目指して、このコラムでも何度か紹介しました「Old Riverton Store」に行き、ローストビーフサンドウィッチをスコットさんに作ってもらってください。お腹が満たされたらカンザス最後、ギャレナの街へ。ここは映画「カーズ」に出てくるキャラクターが沢山展示されています。小さな街ですが、ルート66と交差するメイン通りとダウンタウンを満喫するには結構時間が必要です。初日の宿泊場所はもう少し頑張って更に30分ほど走ったミズーリ州カーセイジの街で。在りし日の面影が印象深い「Boots Court」がルート66の夜を彩ります。
翌日第2日目はカーセイジから一気にオクラホマ州方面へ戻ります。I-44をカンザス方面に行かず、オクラホマ州マイアマーまで走ります。そこでは一旦フリーウェイから降りてルート66へ。ダウンタウン内のコールマンシアターと、郊外のリボンロードを体験してください。その後そのままルート66を走り続けますと、チェルシー、フォイル、クラレモアというオクラホマ・ルート66の名所を通過します。初日にすっ飛ばした街々を巡り、最終的にタルサの街まで戻って宿を取りましょう。タルサにも多くのホテル・モーテルがありますが、私のおススメは「Campbell Hotel」または「Desert Hills Motel」です。夕飯は突然の閉店から昨年復活した「Tally’s Cafe」が良いのではないでしょうか。
最初に申し上げたように、タルサには沢山のルート66撮影スポットがあります。現役、廃墟のモーテルの数々、巨大シンボルのゴールデンドリラー、ミドウゴールドのネオンサイン、ルート66ビレッジ、そして屋外シネマ。街の郊外には青いキュートな鯨さんのいる「Blue Whale」。それら全ては最終日3日目にカバーして安全に帰路につくことにします。そうそう、「Buck Atom’s 」でのお土産購入は欠かせませんよ。是非お立ち寄りを!
「カンザス・ルート66+」、いかがでしたでしょうか。「この部分をもっと詳しく聞きたい」などご質問がございましたら、どうぞ週刊NY生活編集部(info@nyseikatsu.com)までお気軽にご連絡ください。一人でも多くの読者の皆さんに実際にルート66を体験頂ければ幸いです。ではまた来月お目にかかります!
(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表)