TAKEYAボーカルレッスン

Belting 発声を使って、心と身体を繋げよう

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第16回秋のヘルスフェアで、9月25日から10月5日までYouTube公開されたライオンズ大学大人の教養講座シリーズ4講師の講演内容を順次紙面で掲載する。第3回目の今週は、「DIVAの歌声、Belting発声法を使って心と身体を繋げよう」と題して福井県敦賀市在住のボイストレーナーHyca さんの講座から。同オンライン講座は、NY日系ライオンズクラブが企画、マイベストプロとマイイベントUSAが協力して開催した。

 Belting発声法は、高音を地声感のまま健康的にダイナミックに発声する歌声の出し方。米国のロック、ポップス、ゴスペル、ミュージカルなどで利用されている。音楽の巨匠DIVAたちの共通点は圧倒的な存在感とエネルギー。それは、発声法に秘密があり3つのバランス(構成要素)から成る。

 多くの人が気にするテクニックは数%から20%程度。発声が整う前にテクニックを身につけてしまいがちだが、それでは自分の声を見失ってしまい、感情とかけ離れた歌声になってしまう。

 大切なのは身体の使い方「フィジカル」。すでに自分に備わっている能力を使う。次に「マインド」。声は、精神状態、物事の捉え方、認知のバランス、自分と他者との人間関係などに深い関係があり、心理学では「潜在意識が行動に大きく影響する」と言われている。思考は表層心理だが、自覚、無意識なのが深層心理。高音に対する固定観念や歌唱に対する認識、囚われを、記憶の書き換えによって払拭するのがベルティング発声で、心と身体を繋げるという観点から人生をも変えると言われている。

 ポイントは、自分自身の心の声に耳を傾けるマインドが重要。声量への囚われからくる過剰な喉の力みは、無自覚でそれは自分が感情を感じなくしているので日頃から感情を解放することが大切だ。

 具体的方法として身体はリラックスして瞑想と同じ脱力状態に。細胞レベルで感じること。声の通り道を確保するため首と同じ太さになるまで喉を押し広げるイメージ(あくびで喉が開く感覚)で。みぞおちまで繋がる1本の太いパイプをイメージして怒りなどの感情を形にする。一息で一気に吐き出す。理性から解放された声。歌う時には、自分の現在の体重より30キロから50キロ増えたイメージで横幅を感じて、ゾンビのような低い声を出す、一音一音に対して感情を吐き出すように。音は全て後ろにあて、高くなるほど遠くへ叩き落とす。顔の輪郭より前に声は出さない。その時に喉の前側や外側の筋肉は使わない。声を身体の深いところから出し、喉はただの通過点にしておくなどと解説した。

 「嫉妬、嫌悪感、罪悪感、虚無感、自己否定などネガティブな感情は潜在意識からのサイン。感情を抑圧し続けることは、行動の制限や生きづらさへと繋がる。抑えつけた無意識の感情を自分自身の声で解放して人生がより健康的で生きやすくなるように自分の心の壁を突き破ってください」とアドバイスした。問い合わせはhttps://mbp-japan.com/fukui/takeya-s95/