阪上眞澄が大規模個展

フロリダの森上美術館で

阪上眞澄氏

 ニューヨークで活動するアーティスト、阪上眞澄がこの秋、フロリダでふたつの個展を開催する。10月4日から、来年2月16日までの4か月半、パームビーチ郡の森上美術館で、個展「水のように時は流れる(Time Flows Like Water) 」を開催中だ。同美術館は北米最大級の日本庭園を持ち、毎年20万人以上が訪れる米国で人気の美術館。日本庭園を背景に本格的な書法芸術と抽象芸術を行ったり来たりする36点を新しい視点から日本現代アートのキュレーター、カーラ•シタンシィファーによる展示。 日本の書法芸術を元に、和墨、柿渋、岩絵具、胡粉など、日本特有のマテリアルに特化し、それをキャンバスに乗せたり、除いたりしていく。 来場者からは「まったく新しいスタイルに驚いた。陽のひかりは全ての人に同じように光は降り注ぐというメッセージにさまざまなバリエーションがある」との感想が聞かれた。  

 阪上は「私は筆勢の感じられる書法芸術の技法で基本の構図を決め、ニューヨークに移り住んでからは、それに色を重ねたり、取ったりして、文化の違う人々にメッセージが伝わりやすいようしている。 何十年も書道を続けて奈良教育大学の特別書道科で、最高の教育を受けたが、アーティストとして伝えるためには、愚直なやり方だが、一旦は全ての技法を捨て、Me is the first, Me  is the last.  の精神でするしかなかった」と語る。

 また、3日から31日までは、キーウエスト最大の芸術団体ザ・スタジオ・オブ・キーウエストのXOJギャラリーで「時の流れ、海、空、宇宙」(キュレーター・マイケル•ロス)の新作39点を展示している。肌の色、民族、言語の違いを超えて、お互いを大切にすることを表現している。