フルクサスと日本人女性

60年代初頭の芸術

ジャパン・ソサエティーで開幕

 フルクサスにおける日本人女性アーティストの重要な役割に焦点を当てた初めての展覧会「アウト・オブ・バウンズ フルクサスと日本人女性芸術家たち」が10月13日(金)から2024年1月21日(日)まで、ジャパン・ソサエティー(JS)ギャラリー(東47丁目333番地)にて開催される。1960年代初頭にアーティスト、作曲家、詩人のネットワークとして始まり、国境を越えて新しい芸術表現様式を定義したトランスナショナルなムーブメントであるフルクサスにおいて、日本人女性が果たした本質的な役割を探求する初めての展覧会で、同ギャラリーの全スペースを使用し100点以上の作品を展示する。    

 昨年、ムーブメント創設60周年を迎え、同展では、久保田成子(1937〜2015年)、オノ・ヨーコ(1933年〜)、斉藤陽子(1929年〜)、塩見允枝子(1938年〜)の先駆的な日本人アーティスト4人の貢献に焦点を当て、フルクサスと1960年代以降のより広範な芸術運動における彼らの役割について考察する。フルクサスはラテン語で「流れる小川のように連続的に移動すること、通り過ぎること」を意味し、フルクサスのアーティストたちが流動性と不確定性の概念を重要視していたことを示している。絵画や彫刻といった従来の芸術形式を避け、フルクサスのアーティストたちは、映画、音楽、パフォーマンス、出版、大量生産されたオブジェの流用などに新たな表現手段を見出した。この芸術運動は、偶然の出来事、日常生活のはかないものや行為に芸術的価値や意味を持たせることで伝統的な美的概念に挑戦した。

 開廊時間は水〜日曜の正午から午後7時まで。入場料は一般12ドル、シニア・学生10ドル、JS会員・16歳以下は無料。チケット・詳細はウェブサイトhttps://japansociety.org/を参照する。

(写真)Peter Moore Yoko Ono with her “Morning Piece” installation, New York, September 12, 1965, 1965 Photography by Peter Moore; © Northwestern University