矢野顕子 今回も大盛況

ライブ終了後ロビーにて

 ニューヨーク在住のシンガーソングライター、矢野顕子が16日夜、アスタープレイスのライブハウス「ジョーズパブ」でコンサートを行った。昨年、早々に完売となった毎年恒例の矢野顕子トリオ公演の好評に応えて、今年は午後6時と8時30分からの2回公演で開催。会場では、CDの販売も行われた。トリオは矢野さんのほか、ウィル・リー(ベース&ボーカル)、クリス・パーカー(ドラム)。

 ジョーズパブはお酒も食事も楽しみながらショーが観られる。ピンクとオレンジの縦縞のサテンのコクーンドレスに身を纏い登場し、満席の会場は拍手に包まれた。オープニングナンバーは沖縄民謡の「てぃんさぐぬ花」(『荒野の呼び声-東京録音-』収録)。他には宇宙飛行士の野口聡一さんとのコラボアルバム『君に会いたいんだ、とても』から『ドラゴンはのぼる』を演奏。「彼は宇宙にいて歌詞を書き、私はEARTHにいて曲を書いた」と曲紹介をし、矢野さん流ユーモアで会場を沸かせた。全8曲演奏し、他に2曲のアンコールも。初めて矢野顕子トリオのライブに来たという俳優のアンディ・ディキンソンさんは「ハズバンドが彼女の大ファンなんです。『ラーメンたべたい』がお気に入りの曲になりました。かわいい声でエネルギーがあって素晴らしいライブでした」。夫のワタルさんは「デイヴィッド・レターマンの深夜番組が大好きで残念ながら15年に番組は終了してしまったんですが、ウィル・リーさんの本物が観られて生演奏が聴けてしかも矢野さんのトリオで、最高な時間でした」。ブルックリン在住で80年代東京で暮らした観客の森島郷子さんは「『千のナイフ』で涙が止まりませんでした。全てを受け入れる、そんな感じが昔から心に響くんです」と涙目で語ってくれた。

 また、矢野は今年10月にはサンフランシスコとロサンゼルスでのソロ弾き語り公演も予定している。(菊楽恵、写真も)