ミカ・ストルツマンがソロ公演

カーネギーホールの聴衆魅了

村上春樹さん客席から拍手

 ボストン在住のマリンバ奏者、ミカ・ストルツマンが2日カーネギーホールでの11回目となるコンサートを行った。当日はバッハ作品のシャコンヌ、無伴奏チェロ組曲第3番、ポール・サイモン、ジョエル・ロス、チック・コリア、ジョン・ゾーンが書き下ろしたソロマリンバ作品、またムーンリバー、オーバーザレインボー、あんたがたどこさ、などのアレンジ作品7曲を演奏した。今回のカーネギーリサイタルは、初めてマリンバソロ曲だけによるリサイタルとなった。当日は、最後2曲は夫でクラリネット奏者のリチャード・ストルツマンと、アンコールをソロで1曲、デュオ1曲、全2曲演奏した。

 会場では作家の村上春樹さん夫妻も2階客席から鑑賞し、拍手を贈った。村上さんは今回発売となったミカの新アルバム「マリンバ・ソウル」の帯を書いている。そこには「マリンバは日頃あまり耳にする機会のない楽器だけど、その響きは深く、柔らかく、いったん気にいると病みつきになってしまいます。まるで森の奥に腰を下ろし、どこからか聞こえてくる生き物たちの声の集積にそっと耳を澄ませているような、そんなとくべつな気持ちになれるかもしれません。聴いてみてください」と書いてある。

 ミカは2000年トロント大学上級演奏学科修了後、2001年東京とカーネギーホールでリサイタルを開催して本格的に演奏家としてデビューした。2008年熊本県天草市からニューヨークに移住し、NYを拠点に演奏活動を展開。過去10回に渡るカーネギーホールでのリサイタル開催を始め、現在までに世界22か国66都市で公演を行っている。

 ミカさんは「今回のリサイタルは、マリンバのソロに特化したリサイタルで、お客様に喜んで頂けるか不安でしたが、自分の持ち前であるジャンルを超えた音楽の世界が表現出来るプログラムで、無事カーネギー公演を終える事が出来て安堵しています。ご来場頂きました沢山のNY在住の日本人の方々に心から感謝申し上げます。有難うございました」とコメントした。