小津安二郎監督「早春」 3月28日にJ Sで上映

  ジャパン・ソサエティーは28日(金)午後7時から小津安二郎監督の「早春」(1956年)を上映する。35ミリクラシック映画のためのジョン・アンド・ミヨコ・デイヴィー基金の支援を受けて実施される。

 朝の通勤時間、電車やバス路線に集まる活気あふれるサラリーマンたちの白いシャツの群れで始まる小津の『東京物語』の続編は、戦後の東京で、若いサラリーマンが大人になることへの幻滅を経験する様子を描いている。情熱のない結婚生活と単調な事務仕事に飽き飽きしていたサラリーマンの庄司(池辺朗)は、大きな目から「金魚」というあだ名で呼ばれる活発な同僚の女性(岸恵子)と関係を持ち、それがきっかけで短いながらも重大な結果をもたらす関係が始まる。若い観客をターゲットにした小津の青春ドラマは、仕事と私生活におけるさまざまなもつれを検証し、大人としての意欲が薄れ、人生の多くの譲歩や後悔へと姿を変えていく様子を描いている。戦友、職場仲間、家族など、重なり合う社会的なつながりの罠を通して、小津の最長作は、戦後の結婚、成功、不倫に対する姿勢を探っている。このホワイトカラーの生活の考察を通して、小津は「そのような人生の哀愁」を描きたいと主張した。入場料は会員8ドル、一般16ドル。シニア、学生、身体障害者は14ドル。チケットはhttps://japansociety.org/events/early-spring/