ウイグルへのオマージュ

ミヤコ・ヨシナガ画廊で開催中
リサ・ロス写真展

 ニューヨーク在住の米国人写真家、リサ・ロスの個展「アイ・キャント・スリープ:ウイグルへのオマージュ」が17日、チェルシーのミヤコ・ヨシナガ画廊(西27丁目547番地204号室)で始まった。
 タクラマカン砂漠では人々は屋外にベッドを置いて暮らしている。新疆ウイグル自治区で暮らすウイグル族の文化や人々を15年前から撮影してきたロスは、近年、中国政府の人権弾圧が強まるなか、被写体となった人々の行く末を憂う気持ちから同展を開催した。女性や子供が屋外ベッドの上で遊んだり凝視したりする素朴な姿を写した写真9点を展示、画廊壁面には、ロスの親友で1年半ほど前から行方不明となった人類学者ラヒル・ダウットさんを撮影した単色写真をインスタレーションとして配置している。
 初日夜にはレセプションがあり、大勢の人が詰めかけた。フランス在住のウイグル人パフォーマー、ムカダス・メジットが近年行方不明となった詩人や音楽家のためにロスと協同で創作した歌や踊りを演奏した。ロスは、「今回の個展はウイグルの人権問題を広く知ってもらう目的。2007年頃に撮影した写真で被写体はありのままの姿、特にポーズをお願いしていない」と話した。ニューヨーク在住ウイグル人のアメジャン・カシュガリさんは、「たくさんの人が会場に来ていることがうれしい。ウイグルで何が行われているか知ってもらうきっかけになる」と話していた。
 2月23日(土)まで。入場無料。開廊時間は火〜土曜の午前11時から午後6時まで。詳細は電話212・268・7132、またはウェブサイトwww.miyakoyoshinaga.comを参照。 (小味かおる、写真も)