■【編集後記】
みなさん、こんにちは。週刊NY生活の2020/新年号ができました。ニューヨーク市内、郊外では明日、26日の配達となります。 今年の新年号のテーマは「万延元年遣米使節団派遣から160年」です。異国の地から来た侍たちの上品で礼儀正しい立ち振る舞いに米国人たちは敬意を払い、どの地に行っても大歓迎を受けたと当時の新聞は伝えています。ニューヨークのブロードウェーでは侍パレードも行われました。五番街42丁目のニューヨーク・パブリック・ライブラリーにその160年前の当時を記した新聞があるのをライターの石黒かおるさんが本紙の依頼でつきとめ、その貴重な資料から特集レポートしています。
石黒さんは、図書館で電子新聞資料の部署に行って、1860年6月23日のNEW YORK ILLUSTRATED NEWSの記事を見たいのだがと係りの人に聞きました。1時間ほど待たされて、古い平たいダンボール箱を渡されました。 そこのブースに持って行って見てくださいといわれ、係りの人がいる透明のプラスチックの楯のある、6人くらいが座れるプラスチックの楯の囲みの中に行きました。ダンボール箱をあけると縦約40センチ、横約30センチくらいの大きさの茶色の表紙の1860年の1年間のNEW YORK ILLUSTRATED NEWSの新聞が はいっていました。歴史を紐解く感じでぺ-ジをめくるごとにドキドキしました。 おそらく、ずいぶんと長い間誰もそれを触る人はいなかったと思います。そーっと一枚づつページをめくっていきました。 使節団一行がサンフランシスコに船で到着したのが3月だったので
3月あたりから注意深く一枚、一枚めくっていきました。ページごとに使節団に関するイラストが出てきた時はその都度、携帯で写真を撮りました。触れるたびに端っこがボロボロと崩れるので心配になりました。また50年後か100年後にこの新聞を見る人がいるかもしれないので、その人のためにも出来るだけきれいに保管しておかなくては、と石黒さんは思ったそうです。本紙では、彼女が撮影したその当時の新聞をつなぎあわせた当時の挿絵などの写真も紙面で紹介しながら、一行80人の侍たちの渡米滞在を追いました。2020年には、この遣米使節団160年を記念して、大規模な日本パレードが5月10日のジャパンデーに合わせて開催されるそうです。楽しみですね。それでは、みなさま、よいお年を。また来年もどうぞよろしくお願いします。新年あけて、最初のレギュラー号は1月9日配達の1月11日号です。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)