【編集後記】
みなさん、こんにちは。マンハッタンのビルの谷間の編集部に昨日、1通のJAPAN POSTの国際郵便が届きました。友人のノンフィクション作家、川井龍介さんからでした。袋から出すと『別れのサンバ』、帯に「歌とギターが語る人生という名の旅」とあります。川井さんが監修した本です。表紙を見ただけで、本のタイトルを目にしただけで、長谷川きよしの、あの、流れるような歌声が記憶の彼方から甦ってきました。初めて私があの曲を聴いたのは、中学生の頃ではなかったでしょうか。長谷川きよしは、1949年に東京で生まれ、2歳半で失明。6歳からギターをはじめ18歳の時にシャンソン・コンクールで4位となり、銀巴里はじめ都内のレストランなどで弾き語りをするようになり1969年自作の「別れのサンバ」でデビュー、ラジオ深夜放送で流れ大ヒットとなります。現在も京都を拠点に活動を続けていて今年75歳になったそうです。70歳をこえて体の衰えを感じるようになったそうですが、パンデミックが明けてからは、再婚した奥さんのサポートもあって歌うことをまた始めて、80くらいまでなら、マイペースでやっていけるのではないかという気持ちを本書で綴っています。いまは便利な時代です。YouTubeで往年の名曲がどこにいてもすぐ聴けますから。クリスマスホリデーシーズンで賑わう五番街も深夜午前0時を回ると静かなものです。長谷川きよしの「別れのサンバ」を聴きながらグランド・セントラル駅まで歩きました。そんな書評を今週号で書きました。デジタル版だと音声変換して記事が読めるそうで、川井さんが長谷川きよしさんにさっそく記事をメール転送したら「元気づけられた」と言っていたとのこと。元気づけられたのはこっちの方です。今週号19面に掲載しています。Happy Thanks Giving!です。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)