【編集後記】 みなさん、こんにちは。ニューヨークで対面式で2年ぶり、5回目のアニメNYCが11月18日から20日までジェイコブ・ジェビッツ・コンベンションセンターで開催され、久々5万人の入場者で賑わいました。今週号でジャーナリストの武末幸繁さんが1面で記事を書いています。世界的ヒットとなった漫画「進撃の巨人」の作者、諫山創さんのトークショーが行われて本人登場に大歓声が上がった様子などが臨場感あふれる記事で書かれていますのでぜひご覧ください。そして、そのアニメNY Cとの合同企画の同時開催で、マンハッタンの57丁目の日本クラブ7階の日本ギャラリーでは、北海道常呂郡置戸町が生んだ日本アニメ美術界の第一人者で今年8月25日に89歳で亡くなった小林七郎氏を追悼する回顧展「小林七郎-光と闇のドラマ」 展が22日までありました。小林氏の代表的作品は「巨人の星」「ムーミン」「ど根性ガエル」「新オバケのQ太郎」「元祖天才バカボン」「ルパン三世 カリオストロの城」「はじめ人間ギャートルズ」「家なき子」「あしたのジョー2」「うる星やつら」など日本の高度経済成長期にテレビアニメや漫画映画を通じて日本中の子供達を虜にした名作の数々の背景を手がけたアーティストです。同じく今週号の2面で掲載してますので併せてお読みください。現代と日本アニメ黎明期のクリエーターたちの心意気が伝わります。日本クラブの展示会場で小林さんの生前のビデオメッセージが流れていました。「アニメという手書きの貴重さというか有り難さ、こういったことをもっと世界に広めていきたいと思います」と話していました。コンピュータで今やどんな表現も自由自在となってしまったアニメや映画の世界。「手描きで、、、」という言葉通り、展示された小林さんの名作アニメの背景には、絵師としての魂が紙の上にしっかりと宿っていました。偶然ですが、私の母親は、小林さんが生まれた置戸町の出身で、私も幼少の頃、何度もお正月や夏休みに訪れたことがあります。山の中に川が流れる美しい故郷。日本クラブの展示会場に、小林さんが昔を思い出して描いた置戸町の山村の水彩画もありました。アニメの原画よりもその絵の前でしばらく立ち尽くしてしまいました。小さな田舎町は、隣の北見市と併せ今ではカーリングのメッカとして全国的に有名です。日本のアニメを支えて全国的に活躍された人を輩出していたなんて、置戸もすごいなと誇りに思いました。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)