【編集後記】
みなさん、こんにちは。ニューヨーク市議会は9月30日、信号無視をして横断歩道を渡る行為、いわゆるジェイウォーキングを違反とはみなさない法案を可決しました。NY市では、交通規則を無視して道路を横断する行為は違法で、1回毎に罰金250ドルが課せられます。しかしNY市当局に違反者として記録されている多くは黒人やラテン系で、同法案を提出したメルセデス・ナルシス同市議会議員は「市民のほとんどが信号無視をしている一方、違反者の人種が偏っている不均衡を指摘する」と会見で語りました。同法案はエリック・アダムス同市長の承認後、執行となります。私もニューヨークに来てまもないころ、ニューヨーカーが信号を無視して交差点などを渡るのを見てびっくりして、前から来るおまわりさんを見て、ああきっとみんな、おまわりさんに注意されるぞと思っていたら、そのおまわりさん自身が信号無視して渡ったのでまたびっくり。これについて当時受けた警察の説明は、もっと凶悪犯罪を取り締まることに重点をおいているので、些細な軽犯罪をいちいち取り締まってられないというようなものでした。凶悪犯罪取り締まりか、まあ理にはかなっていたのでなんとなく納得したのですが、今回の、罰金を課せられているのが有色人種ばかりで差別だからやめろというのは、悪い方の水準に世の中を合わせることになるのではないか。悪貨は良貨を駆逐するというグレシャムの法則を高校時代だったか習った気がしますが、まさにそんな感じです。悪事を働いたものが人種差別を理由に自らを正当化することがまかり通るのか、私の見方が偏見なのか、よくわからなくなってしまうことがここ数年相次いでいるように思います。時代とともにアメリカも変わっていくのでしょうか。大統領選でまたぶれないことを祈るばかり。あ、このニュースは、今週入れようと思っていて、うっかり入れ忘れたニュースで、来週号で掲載します!それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)