ニューヨーク在住の日本人ジャズピアニスト、海野雅威 (うんの・ただたか)さんが、9月27日午後7時半ごろ、ハーレム135丁目地下鉄駅(B・C線)構内で突然8人の男女に襲われ、鎖骨骨折、頭を含む全身にアザを受ける怪我を負いました。海野さんが地下鉄を降り、誰もいない改札を抜けた後、男4人、女4人の8人が出口をふさぐ様な形で通行を妨害したため、通り抜けようとしたところ、その中の一人の女性が「ぶつかった」と言いがかりをつけ、同グループの複数人が殴りかかったそうです。他に地下鉄を利用している人はいない状況で、逃げようとしたところ、同グループに後を追いかけられ更に殴られて負傷したものです。暴行を受けた後、海野さんは、救急車で運ばれ病院で数日を過ごし退院しましたが、手術が必要である可能性が残っているという。友人らがクラウドファンディングを立ち上げましたたが、目標額に達したため現在は終了しています。海野さんは「今回は、たまたま地下鉄駅でしたが、ある一つの駅だけが危なくてあとは安全かといったらそういうことではない社会情勢だと思いますので、とにかくどこを歩くにも人気(ひとけ)のない場所を避けて欲しいです」と本紙の取材に答えてくれました(本紙今週号4面で記事掲載)。ニューヨーク市警察(NYPD)によると、今年9月の拳銃発砲事件逮捕者数は607人で、前年同期の307人と比較して98%増加。9月中の逮捕者数としては1994年以降最多の人数とのこと。ニューヨーク日本総領事館でも、在留法人に対して7日、事件現場付近には近づかないようにする、夜間の外出や人通りの少ない道は避ける、不審な人物には近づかないなど安全を確保するようメールで注意を促しています。私も実際に治安が悪くなっているのを最近感じます。先日も風景写真を公園で撮影していたら後ろから「さっきアンタ、アタシの写真撮ったわよねっ。お金ちょうだい!」と浮浪者風の女性からいきなりすごい剣幕で詰め寄られました。今まであまりそういうことはなかったのですけどね。あと今まで深夜帰宅時に会社近くの銀行ATMでやっていた入金なんかも最近は夕方までには終わるようにしています。街を歩く時はしばらく警戒が必要ですね。(三浦良一 週刊NY生活発行人)