編集後記(補足)P.S.
トランプ大統領が日本に24%の関税をかけると発表し、同席したレビット報道官が日本はアメリカの米に700%もの関税をかけていると、ボードをかざして発表しました。これには世界もびっくり。私もびっくりして今週号の編集後記に書いたところです。本当に実際に日本は700%も関税を掛けているのでしょうか。日本の農水省によれば、2001年ごろのWTO(世界貿易機関)の貿易自由化の交渉で、当時のコメの国際価格に基づき、税率に換算すると確かに778%だという。しかし、現在の実行関税率は204.3%だと試算し、国産のコメの価格に影響を与えないよう、1kgあたり341円の関税を掛けているそうです。アメリカが使用したデータが古いのかどうかわからないが、その根拠は明らかにしていない。各種報道を見るとWTO(世界貿易機関)協定に基づく関税に加え、国内の米農家を保護するための「マークアップ」と呼ばれる追加関税が上乗せされていて、このマークアップを含めた実効関税率が、700%に相当するとアメリカ側はどうやら主張しているようだが実際のところは詳しい説明がないので不明だ。この件に関しては、当然日本国内でも報道関係者から政府に記者会見で質問が出たが、林官房長官は「米政府関係者の発言にいちいちコメントする気はない」と答えたのみでした。日本の国内新聞にも大きく、米国産の米に日本は関税700%と見出しに出して報じたが、記事本文では、「国内的には、実際には700%ではないが、アメリカのその発言の根拠は不明」とするところが多かったようです。アメリカのメデイアでは、大統領の発表と米国政府が公式の場で発表した数字を正面から「嘘っぱちだ、フェイクだ」と批判する記事は今のところ見当たらないです。名指しされた当事者の日本がきちんと反論すべきだったと、ここで申し上げて、前回の編集後記の補足とさせていただきます。