編集後記 4月23日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)が、ニューヨークのメトロポリタン美術館アジアギャラリー内日本館に展示されている掛け軸のオンライン版のカタログに実名でこのほど解説を執筆し、同美術館デビューを飾りました。この掛け軸は、沖縄の画家、山田真山(1887~1977)が、鎌倉時代(1192~1333)に仏教を大勢の人々に紹介するために日本中を旅した僧侶、一遍上人の生涯に着想を得て描いた作品です。今週号で写真と共に1面と5面で掲載しています。実はこの絵を探すのにはちょっと手間取りました。眞子さんが書いたカタログ解説にある、「一遍」(Ippen)の名前が展示会場で見つけることができなかったからです。目を皿のようにして広い館内を2回、一つひとつ作品のラベルをチェックしたのですが、とうとう見つからず、もうその作品は撤去されてしまったか、修復のために一時的に取り外されているのかと諦め、美術館からとぼとぼとオフィスに帰ってきました。ほどなくして会社に1本の電話がかかってきました。知り合いのジャーナリストからでした。美術館に行って骨折り損のくたびれ儲けだった話をすると「作品の解説は、もともとアジア部門の責任者であるジョー・カーペンターさんが書いたもので、タイトルは「山田真山筆、平清盛入道図」となっていて、今年の1月に、ある閲覧者から解説内容が間違っているのではないかとの指摘があり、調べた結果、それは山田真山の絵画『「發心 出家」一遍聖絵(ひじりえ)の場面より』であることが分かった」と教えてくれました。カタログの図録はセキュリティー上拡大できないようになっていて、細かいところまでわからなかったので、ラベルに頼ったのが展示会場で作品を探せなかった敗因でした。「そういうことなんだ!」と気を取り直してもう一度、今度は、時間の関係で47丁目のオフィスからタクシーを飛ばしてまた81丁目のメトロポリタン美術館へとんぼ返り。同美術館の正面階段を上り、アジアウイングの日本館の展示ホールを正面ゲートから奥に進んだ突き当たりの奥の右側の壁のガラスケース内にその2点はありました。眞子さんが執筆したカタログには、絵の詳細な分析、一遍の生涯の物語、一遍の描写の違いについての説明が英文でなされています。同美術館のアジア部門責任者のジョン・カーペンターさんが元々記述した解説「平清盛入道図」を同氏の指導で訂正、加筆修正したもので、同美術館のホームページでは「Monk Ippen Giving a Warrior the Tonsure and His Wife as a Lay Buddhist Nun」の新しいタイトルに修正されて紹介されています。現在展示されている日本館でのケース内の表題は、まだ修正前の「山田真山筆、平清盛入道図」のラベルが貼られているままなので、名前で探しても到底見つかるはずがない訳です。いずれ、館内のこのラベルも「平清盛」から「一遍」に取り替えられることになるのでしょうね。そしてその時には、眞子さんの名前が解説者としてラベルに記載されているのをガラスケース越しに見ることができるでしょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)