【編集後記】 みなさん、こんにちは。本紙今週号10面の書籍欄「即買える新刊を紹介」コーナーで掲載してい6冊の一番にあった本のタイトルに校閲中に目が止まりました。『捨てない生き方』(五木寛之、マガジンハウス新書)「何年も着ていない服、古い靴や鞄、本、小物など愛着ある「ガラクタ」は人生の宝物であるから「捨てなくていい」と提唱する五木寛之氏。孤独を癒す一つのよすがとして物に囲まれて暮らすのだ。後半生の生活を豊かにするヒントが満載の五木流「捨てない生きかた」の極意」とある。世の中、断捨離とかシンブルライフとか、片付けることが美徳とかいつの間にか、スッキリさっぱりするのがいいことだとここ5、6年のトレンドで思わされていたが、このタイトルをみて、なんだかとても救われた気がして、マンハッタンの中心部、ブライアントパークの真前にある紀伊國屋書店NY本店の地下新刊売り場に早速昨日、昼休みに行ってこの本を買ってきました。5冊くらい平積みになっていました。日本での定価909円でしたが、NYでは15ドル99セントでした。人生100年時代に「捨てない生活」のすすめ。私の部屋にも人から見たらガラクタに見えるものがわんさとあります。Uコン模型飛行機のプロペラとかもう古くてかからないであろうエンジンとか。ボーイスカウト時代に米を炊くのに使った飯盒とか。使わないけど時々ケースから出して眺めるコールマンのアルコールランタンとか。目で愛でるモノに囲まれて生活するのは気持ちがいい。きっと、ものを集めるのに凝っているコレクターなんかもそういう部類なんだろう。まだ、読みはじめ。会社の通勤の行き帰りの電車の中で読むのが楽しみ。モノは捨てなくてもいいのですね。レコードなんかも取ってあったから今、楽しめるしね。今週号で、ほんと、取材や記事で、アジアンヘイトや犯罪、ウクライナ戦争や日本の地震など大変な記事が締め切りにドーンと集中して、いい加減に心が疲れているのだと思う。心が美味しいと思うものに浸るのも生きる術かもしれない。1日休んでまたペンの戦いへ。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)