【編集後記】
みなさん、こんにちは。ニューヨーク・ファッション・ウイークの8日、マンハッタンのアッパーウエストサイドの教会で、アジア系ファッションデザイナーのショーが開催されました。日本からは、新潟県で江戸時代の1819年に創業した老舗の大嶋屋呉服店(新潟県五泉市)が参加しました。日本の着物そのものをストレートにNYファッションウイークのランウェイにかける試みは異例の試みといえます。折しもエミー賞やグラミー賞を受賞した日本の「SHOGUN」が、吹き替えなしの日本語で全編を通したように、もはや「JAPAN」そのものがブランドとなっているのですね。純粋な着物5着と、新品の反物からデザインしたドレスも披露して場内の拍手を浴びました。マネージング・ディレクターの大嶋美樹子さんは「着物の魅力を世界の人に発信できれば嬉しい」と話していました。ジャパンといえば、日米首脳会談もありましたね。今週号では米国主要メディアの論調も紹介しています。共同記者会見は日本でも同時中継され注目されました。NYタイムズ紙は7日電子版の記事を10日付紙面で大きく再掲載しました。「トランプ大統領になんとか取り入ろうと、各国の国家元首がこれまでトランプ大統領にお世辞外交を繰り返している」との論調の中で、石破首相の「テレビで見る有名人にお会いできて興奮する」だの「怖い印象だったが対面でお目にかかると誠実な方」などなどへりくだった言いぶりや日本でもあまり見せたことのないとびきりの笑顔で握手していた様子をアメリカ人記者たちはどう見たのでしょうか。会見前は「ゴルフ外交ができた安倍晋三前総理と違い、プラモデルが好きな石破首相」がどう出るのかお手並み拝見というニュアンスでしたが、「お世辞外交も努力の一環」(NYタイムズ紙)、「ベストを尽くした」(ワシントンポスト紙)と、あと記事の紙面は比較的好意的な論調でした。トランプ氏も会見時に限って、日本の着物を仰ぎ見るような彼なりに最大限の気遣いを見せていた印象です。それが続かないのがイタイところですが。日本的に言うと「先が思いやられる」という表現が今のところピッタりでしょうか。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)