編集後記

【編集後記】


 みなさん、こんにちは。大寒波の20日、第47代米国大統領にドナルド・トランプ氏が就任しました。戦後の日本の民主主義と自由貿易を背景にした高度経済成長とその後の戦争のない日本の社会とともに、アメリカは常に日本の最大の仲の良い関係を維持してきた友好国です。80年代半ばには、日本車を叩き壊したり、日本人と間違えられた中国人が殺されたりの際どい時期もありましたが、日本はこの危機ですら「日米貿易摩擦」という言葉でオブラートに包みました。いまは日本の政府はこの日米関係を同盟と呼んで、その結束ぶりを不動の安全地帯のように死守しようとしています。戦後生まれの「戦争を知らない子供たち」の私たちにとって、日米安保条約反対やベ平連の反戦運動があっても、基本、アメリカは常に正しい国だと思って育って大人になりました。アメリカは常に、中国や北朝鮮、ロシアなどの専制君主国家が西側諸国を脅かすたびに、時に世界の警察官や保安官のようにふるまって頼もしい存在でした。トランプ大統領が誕生してまだ2日目ですが、すでに大統領令で国内外から大きな反発が出ています。ウクライナ・ロシア戦争やイスラエルとガザの戦争を終結させるウルトラCの手腕を見せる天蓋稀に見る不世出の天才型大統領なのか、はたまた他人の意見は一切聞かずに独走する西側最大のディクテーターになるのか、誰も読めないところがこのドラマから目を離せないところです。アメリカに住んでいる日本人としては、日米関係が安泰であることがベストですが、なにが起こるのか、舞台のシナリオは見えません。ただ世の中は常にゼロサム社会です。つまりいいことと悪いことは最後でバランスがとれます。最初に苦労してもあとで幸せになったり、最初は幸せだったのにあとで不幸になったり。最初から幸せで最後まで幸せだったり、最初から不幸で最後まで不幸だったりはあまり聞きません。何があっても動じないことが、冷静に記事を書く要点だと思ってます。連続ドラマ小説はリアルな社会で to be continued(つづく)です。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)