ニューヨーカーは信号を守らない。左右を確かめ、車が来なければ、すたすたと道を横断する。いや、車が来ていても、接触しないほどの距離があれば、十分だ。 接触しそうでも、車よ、止まれ、とばかりに悠々と歩いていく人も多い。 […]
カテゴリー: ニューヨークの魔法
あの日の散歩道 ニューヨークの魔法
今朝も空は真っ青で、ハドソン川の川面には太陽の光が反射し、輝いている。ヨットがゆったりと行き来する。 こんな気持ちのよい日に、部屋で執筆? 神様がくれた最高のプレゼントではないか。 そうだ、フェリーに乗ろう。 ガ […]
最悪なダンスのお相手 ニューヨークの魔法
私の場合 近くの人とペアになってください、というインストラクターの呼びかけで、ラテン系の青年が私の手を取った。 マンハッタンではときどき、誰でも参加できる無料のダンス教室が開かれる。 昨年のある夏の夜、四十四丁目辺 […]
最悪なダンスのお相手 マリーパットの場合
モンティの華麗なステップに、マリーパットがひと目ぼれした。 ふたりが出会ったきっかけは、社交ダンスだった。 モンティと一緒に踊れたときには、胸が高鳴ったわ。でも、踊りたくもない相手に当たったら、最悪よ。 […]
羊のお頭
夫と入ったギリシャ料理店で、その日の日替わりメニューを見る。 kefalaki(ケファラーキ)と書かれている。 マンハッタンの東側を流れるイースト川を渡ると、そこはクイーンズ区だ。マンハッタンにほど近いアストリアに […]
Prayers for Japan 日本への祈り
二〇一一年三月十一日のあの日を、私はニューヨークで迎えた。朝起きると、日本にいる家族からは無事を知らせるメールが、私が東京にいると思っていた友人からは安否を尋ねるメールが続々と届いていた。 あわててテレビをつけると、 […]
テーブルで水浴び
村上春樹がアメリカに来たとき、会えるならぜひ、会っておきなさい、と勧められた作家が、E・L・ドクトロウ(E. L.Doctorow)だったと、何かで読んだことがある。 ニューヨークの図書館で、彼の本を借りるためにカウ […]
私は、ザ・デストロイヤー
友人夫婦ロブとベッツィのところに、しばらく滞在した。ロブはふだん穏やかそうなのに、一緒に過ごしてみると意外な発見がある。 ロブは音に対して、とくに神経質だ。テレビのボリュームは最低にし、コマーシャルになる […]
マジックタッチ
ワールドフィナンシャル・センターの前にちょっとした横長の人工池がある。その前にカフェのようにテーブルと椅子が並べられていて、一部は誰でも使えるスペースになっている。 木陰のテーブルにすわり、コーヒーを飲みながら、仕事 […]
セントラルパークで励ます人
真夏の日曜日の朝七時頃、セントラルパークを集団で走る人たちがいた。週末はここを、さまざまなマラソン大会に参加する人が、一緒に練習している。資金集めのために走る人もいる。その日の参加者は二、三千人だという。 それをサポ […]
各停よ、そんなに急いでどこへ行く
地下鉄がそんなにいい加減なわけがない。作り話だろう。 拙著『ニューヨークのとけない魔法』の読者が、ブログか何かでこう書いているのを見つけた。 その人がこの街を訪れたら、拍手で迎えてあげたい。 Welcome to […]
ニューヨーカーはひたすら歩く
ニューヨーカーはよく歩く。とにかく歩く。碁盤の目のマンハッタン。東西に走るストリート間は、徒歩で一ブロック一分ほどかかるといわれる。 歩くべきでない時も歩く。赤信号なんて待っていられない。ひたすら歩き続ける。赤信号で […]