マッド・アマノ=グラフィック・デザイナー、パロディスト。写真週刊誌「FOCUS」(新潮社)に1981年10月の創刊から2001年10月の休刊まで、最終ページに『狂告の時代』(きょうこくのじだい)を連載した。政治家や芸能人、スポーツ選手などの顔写真を引用し、旬の時事問題を広告仕立てにするという作風で知られる。東京都在住。
晩餐会に小室眞子さん出席と誤報した『女性自身』
NY日系人会は抗議メールがきて困惑
ニューヨーク日系人会(JAA )が12月12日にハーバードクラブで開催した年次晩餐会(本紙12月17日号既報)に、日本の週刊誌『女性自身』(株式会社光文社)が、秋篠宮家の長女で小室圭さんと結婚した眞子さんが出席したと報道した。これは誤報で、眞子さんは晩餐会には出席していなかった。さすがにこの記事には主催者側のJAAが大仰天。JAA事務局には「小室さん、眞子さんの2人をNY日系人会は支援するな」という抗議メールまで来て困惑している。
まるで見てきたかのような嘘
12月23日付『女性自身』電子版には「眞子さん ブラジル新婚旅行のホテルは皇族時代と同ランク! NY日系人会が全面支援」との見出しで「タキシード姿の男性やドレスアップした女性たちに交じり、歓談していたのは小室眞子さん。シンプルなワンピース姿で、アクセサリーも着けていなかった」などと報じた。さらに同誌は「NY在住の日本人ジャーナリスト」の話として「参加者は、眞子さんが着席していたのは旧財閥系企業の関係者たちのテーブルだったと話していました。秋篠宮さまからの信頼も厚い森美樹夫ニューヨーク総領事も出席し、祝辞を述べています。総領事は眞子さんにも挨拶をしていたそうです」と報道し、かつ「眞子さんのテーブルの周囲では、屈強な男性たちが目を光らせていた。男性たちは在ニューヨーク日本国総領事館が手配したSPで、眞子さんの送迎もしていたと聞きました」などと報じた。
これはまったく事実に反しており、NY日系人会の事務局でも「記事を読みました。嘘もほどほどですが、これは完全な嘘の記事ですね。このような大きな週刊誌が、嘘を書くのですね。驚いています。一応、役員に英語にして転送します。今、Eメールで『日系人会は、眞子様支援を止めろ』と来ています。JAAでは晩餐会に眞子さんを招待もしてないし、もちろん出席もしてませんでしたから本当に驚きです」と困惑している。晩餐会には170人もの参加者がいた。なぜ『女性自身』はこんな事実と違う記事を書いたのか。
JAA晩餐会についての本紙・週刊NY生活の記事(12月17日号4面に掲載)のウェブ版が出た14日の翌日、本紙の代表メール宛に『女性自身』編集部の記者から次のようなメールが入った。内容は「NY日系人会晩さん会の記事を拝読し、できましたら教えていただきたいことがあり、ご連絡を差し上げました。私どもの取材では、この晩さん会に、秋篠宮さまの長女・小室眞子さんが出席されたと聞いております。つきましては、本日16日中に、眞子さんが出席されたのが事実であるか、さらに可能であればどのようなご様子だったのかを教えていただくことはできないでしょうか。誠に急で不躾なお願いではございますが、晩さん会を取材した媒体は御社のみだったとも聞いております。ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします」というものだ。本紙では、『女性自身』編集部が誤った情報を入手していると判断し、翌日次のようなメールを返信した。
「12日夜ハーバードクラブで開催されたNY日系人会の年次晩餐会には小室眞子さんは出席されていません。当日取材しましたが、ご本人がきていれば会場でご紹介があるはずですし、念のため主催者にも改めて確認しましたが、YOUTUBEなどで事前にそのような憶測が出ていたようなことは耳にしていたそうですが、招待もしていないし、出席もされていないとのことです。来ていれば会場も騒然となり、当然、誰かしらが写真を撮影するでしょうし、うちもご本人が来ていれば、当然撮影して報じたと思います。以上、ご期待に添えずすみませんが、結論は『眞子さんは来ていなかった』ということです」と返信した。
『女性自身』の記者からこれに対する返事がきたのは前述の「眞子さん晩餐会に出席」の記事が出た後だった。
それには「ご返信いただき、誠にありがとうございました。なぜかGmailのプロモーションフォルダに分類されていたため、確認が遅れてしまいました。こちらの確認ミスで大変失礼いたしました。もう少し早く確認できていればよかったのですが。余裕のないスケジュールでのお願いになってしまったことも、確認ミスの原因になってしまいました。重ねてになりますが、大変申し訳ありませんでした」と記されていた。
返信メールがジャンクメールに入るというのは腑に落ちないのでこの記者宛に「この記事は取材して書かれたのですか? 一体どうしたらこんなことが書けるのでしょうか? 私はその現場にいましたが、眞子さんは来てませんとはっきり伝えてますよね。それがどうしてこうなっているんですか」と再度返信した。
今度は返事がすぐ来て、「この度は手違いがあり、誠に申し訳ありませんでした。何かご迷惑がかかってしまうようでしたら、重ねてお詫び申し上げます」の一点張りで一体どんな手違いがあったのかは依然として不明のままだ。
『女性自身』の記事中で実名を出され、祝辞を述べて眞子さんに挨拶したとまで書かれた森NY総領事に、後日ある宴席で同席する機会があったので、この記事についてどう思うかを単刀直入に聞いてみた。
森大使は、表情から、かなりの憤りを感じている様子だったが、記者の質問には丁寧に「『女性自身』の報道にはコメントする立場にはないです」と答えた。
(三浦良一記者、写真も)
世界は色彩に満ちている
千住 博
芸術は「ないもの」を描いて「あるべき世界」を示すものです。
たとえば、人類史上最悪といわれた14世紀の疫病の蔓延後、レオナルド・ダヴィンチは科学の大切さを、ミケランジェロは健康的な肉体の大切さを訴え、「再生」を意味する「ルネサンス」を拓きました。
19世紀のヨーロッパは戦争に明け暮れる時代だったのですが、モネは足元に降り注ぐ光を、ルノワールは暖かで平和な情景を描き、「印象派」を生みました。
日本でも、信長、秀吉の戦国時代、狩野永徳は一枚の絵の中に四季を入れて、様々な概念の調和を示しました。この作品がかつて日本で「モナリザ」が展示された時、交換作品としてルーブル美術館に貸し出された日本美術の最高峰、永徳の国宝「花鳥図」(大徳寺聚光院)です。彼らがその時代に足りないものを描いたのは、単なる偶然ではありません。
芸術とは、そのような「あるべき世界」を示すイマジネーションのコミュニケーションなのです。今私は滝の内側から外側を見るという視点に立って、色彩に満ちた世界を描いています。
滝の間から朧げながら見える世界は、多様性に溢れています。それらは、そもそもは森林であったり、様々な花であったり、空であったりしました。しかし流れる水によって物体性は消え、多様な色彩としてのみ、滝の内側にいる私に届きます。
色彩は、光の作用によって見えるものです。つまり私は、その時純粋に光だけを見ているのです。そして光は、世界は多様性に満ちていると伝えているのです。
どんなに暗くても、一条の光さえ届けば足元に広がる多様性を示すこともできるでしょう。閉塞感に満ちた現代、私はその様な「あるべき世界」を示したいと思っています。
せんじゅ・ひろし(画家。ベネチア・ビエンナーレ名誉賞、日米特別功労賞、イサム・ノグチ賞、恩賜賞、日本芸術院賞、日米協会金子堅太郎特別賞などを受賞。ニューヨーク在住。)
LAは着心地と機能を重視
2011年のブラックフライデーセールで、パタゴニアブランドのジャケットを新規購入せず修理か再利用するように呼び掛ける広告が話題となったパタゴニア。今年9月、創業者であるイボン・シュイナード氏が自身の所有する全株式を環境保護活動に従事する非営利団体や信託へ譲渡するとの発表は、業界関係者のみならず一般消費者にも衝撃を与えた。同社は、サステナビリティを真剣に追及する非上場企業で、どう事業を拡大するか?ではなく、どこまで事業を拡大すべきか?という議論が真剣に経営陣の中で行われる。パタゴニアの主要購買者層は、週末にアウトドアスポーツを楽しむような機能性重視で環境意識と所得が高い消費者であり、どうしても都市部に集中する。LAもその一つだ。シュイナード氏自身もサーファーであり、同社はLA北部のベンチュラに本社を構える。
これまでW2NXTチームは、ニューヨークやロサンゼルスを中心に街角ファッションインタビューを行ってきたが、環境意識の高さは共通するものの、東海岸と西海岸ではファッションテイストに差がある。NYは年間通して温暖の差が激しく、重ね着時の色合わせに拘ったり、極寒の冬を終えた春の到来時には華やかなプリントの服を好んで着る傾向がある。一方で、常夏のLAは着心地を含む機能重視だ。例えば、ニューヨークでVANSのシューズはカジュアル感への評価からだが、LAではスケートパークと滑り止めラバーソールの相性が支持されている為だ。また、LAではNYでは耳にしないようなサーフィンに特化した地元の中小ブランドへの人気も高く、インタビュー後の文字起しに一苦労することもあった。今回のインタビューに答えるサーファーの女性は、サンタモニカビーチに到着するとパロ・サントスのスエットを脱ぎ捨て、ソリッド&ストライプトのトップとシッドウェイのボトム。ビキニ上下を別ブランドで合わせる拘りようだ。一番のお気に入りはHeidi Merrick。サーフィンとハイファッションを上手く融合させたハイファッションブランドで、サンタバーバラ出身の女性サーファーによって立ち上げられた。
NY、LA共にインスピレーションを求めてデザイナーが集まる都市だ。その為か消費者のファッションテイストも洗練されている。ニューヨーカーのファッション研究も楽しいが、西海岸との比較を通して見えてくることも多い。ファッションは文化を反映する。主要都市を訪れた際には現地ファッションに着目すると、改めて広大な米国文化の多様性が垣間見えるかもしれない。
(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)
お正月でも一手間かけて
プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)
元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (32)
■お雑煮
干し椎茸は水につけて戻しそぎ切り。ほうれん草は沸騰した湯に塩を加え、さっと茹でてザルにあげ、冷水をかけ、水気を絞って食べやすい長さに切る。紅白蒲鉾は7ミリくらいの幅、鶏もも肉は一口大に切る。ニンジンは皮をむいて6ミリくらいの厚さに切り、抜き型で抜く(なければ食べやすい大きさに切る)。土鍋に水と昆布を入れて1時間以上おき、弱火にかける。椎茸と戻し汁を加え、沸騰直前に昆布を取り出し、鶏肉とニンジンを投入。5分くらいしたら浮いてきたあくと油をとり、酒と醤油各大さじ1、塩小さじ1/2を入れ、味見して必要に応じて味を調整する。お椀に焼いた餅を入れ、熱々の汁と具を注ぎ、紅白蒲鉾各1切れとほうれん草をのせる。あれば柚子の皮、絞り汁、三つ葉を加えるとなお良い。
■お洒落ふろふき大根
大根は5〜6センチの長さに輪切りし、皮を厚めにむいて面取りする。なべに入れてひたひたになるまで水を入れ、出汁の素、白醤油と酒各大さじ1を入れて弱火にかける。沸騰したら30分から1時間くらい茹でて火を止め、蓋をしたまま完全に冷ます。赤ピーマンは縦半分に切って種をとり、華氏425度で30分、黒っぽくなるまでローストし、皮をむいて1センチくらいの幅に切る。柿はフルーツボールくり抜き器でくり抜く(なければ食べやすい大きさに切る)。カイワレ大根少々は洗って、ペーパータオルで水気をとる。酒とみりん各大さじ1、砂糖大さじ2、八丁味噌(なければ赤味噌)6を加えてよく混ぜて味噌だれをつくる。大根を再び温め、芯まで柔らかくなっていることを確認し、器に盛る。味噌だれをかけ、柿、赤ピーマン、最後にカイワレ大根をのせる。
■お洒落とろろがけ
小鍋にみりん大さじ1強を入れて火にかけてアルコール分を飛ばし、醤油大さじ1と柚子胡椒小さじ1を加えてよく混ぜ、冷めたら角切りにした刺身用のマグロか鮭を20分以上漬ける。アボカドは魚同様に切り、カイワレ大根少々は洗ってざく切り。器に魚を3切れだけ残して入れ、その上にアボカドをのせ、とろろ芋をかけ、残して置いた魚3切れをのせて、最後にカイワレ大根をのせる。
作りかたの補足メモ
「私は美容食をブログ、インスタグラム、集英社OurAgeの連載で紹介しています。私の美容食のコンセプトは、①美肌効果が高い栄養素が入っている食材を使っていて②美味しくて③見た目がお洒落。多忙でも美容食生活を続けられるように、手早く簡単にできることもモットーです。
私は東京で生まれ育ち、母のお雑煮の味は醤油味で角餅になります。海外でも手に入りやすい食材でつくる簡単なお雑煮で、出汁は昆布、干しシイタケ、鶏もも肉からとります。もしよろしければお試しください。ニンジンは羽子板や梅などの抜き型で抜くと、お正月らしさをプラスできます。
お餅やお酒など、胃腸に負担が大きくなりがちなお正月。おせち以外の料理は華があって簡単にできて、なおかつ消化を助けてくれるものが望ましいでしょう。大根と山芋は、消化酵素のジアスターゼを含んでいます。ジアスターゼはすりおろして生で食べるのが最も効果的にとれますが、大根をおろすのは疲れるし、面倒という方もおられるでしょう。ふろふき大根なら、皮を厚めにむいて太い輪切りにした大根を茹で、余熱で柔らかくするだけなので楽です。彩りに添える柿は、色だけでなく味の面でもいい仕事してくれます。柿はビタミンCを特に多く含むので、積極的にとりたい食材。ローストして柔らかくなった赤パプリカとシャキシャキしたかいわれ大根も、色と味、栄養面でバランスがとれたお洒落ふろふき大根に一役かってくれます。
山芋は大根よりずっと簡単におろせるので、すりおろして使いましょう。漬けは柚子胡椒も加えました。
杉本佳子
(ファッションジャーナリスト兼美容食研究家) 1988年よりニューヨーク在住。ファッションジャーナリストとして働く傍ら、集英社OurAgeの連載(https://ourage.jp/column/writers/writer/杉本佳子/)とインスタグラムhttps://www.instagram.com/で美容食を紹介している。
ポストコロナで世界が一変した今
本当にやりたいことを続ける
大江 千里 FROM BROOKLYN
新年あけましておめでとうございます。
歳を重ねると年々一年が短くなっているように感じます。コロナがこれほど僕たちに根底から覆すようなダメージを与えるなんて一体誰が2年半前に想像したでしょう。僕は現在62歳ですが、2020年初頭まではアメリカと日本のジャズの世界をひたすら切り開き、駆けていました。しかしコロナで状況は一変します。フェス、ラジオ局、ベニューの担当者などが次々に職を離れ、連絡が取れなくなっていったのです。つながりを半年以上断つともうふりだしに戻ったも同然です。今も一緒に仕事するマネージャーは再びゼロからのスタートを誓い、共に行動を起こし始めます。でも現実は厳しいものがあります。ポストコロナでは新規参入が以前のように寛容に受け入れられなくなってきたからです。馴染みの近所の酒屋も従業員を全員解雇して店主一人で頑張ってます。僕の知り合いのジャズミュージシャンはNYを離れて新たな仕事に挑戦する人も多いです。これを前向きに捉えると、フレキシブルな時代に突入したとも言えるのかもしれません。
人生100年時代と言われ、終わりよければすべてよしじゃないけれど、今まで働いてきた時間をはるかに上回る時間をこの先どう生きるか?どう心に豊かさややりがいを感じて1日を生きるのか?が、自ずと試される時代になってます。コロナでそれに更に拍車がグンとかかったように見えます。僕はジャズの5枚目のアルバム「BOYS & GIRLS」6枚目「Hmmm」をリリースした頃から、アメリカ各地でやっとなんとかライブが形になるようになり、ラジオ局で曲がそこそこオンエアされるようになりました。コロナの最中は仕事が消滅したので、家で新しい曲を作ったりそれに映像をつけたりしてユーチューブに載せて活動を継続しました。ステイホームの不便な生活を逆に武器に変えて、宅録で「一人ジャズ」と称したアルバム「Letter to N.Y.」を作りました。人と人との呼吸で成立するジャズを全て一人で手弾きで作ったのです。これは旧ジャズの世界では苦しい評価でしたが、新規マーケットを開拓しました。もともと世の中にある「当たり前」はコロナで自分の中で完全に崩壊し、規範は自分で活躍できるパイとして、新たに作り出すしかないと思い、新しい視点でどう生きるかを一歩一歩実践するようになりました。これまでのように曲を作って演奏をして印税をもらってという生活は一部になり、文章を書いたり映像を編集したりなどをゆっくりですが始めました。たまたま2014年からやっている「note」というブログをクリエイティブな遊び場に見立てて、ノンジャンルで作品を発表するようになりました。ここでは新しいことを気軽にスタートさせ、ダメなら辞める。よければ継続する、を続けてます。このフットワークが良かった。シビアですが読む人からの反応はわかりやすく手応えがあります。昨年末にはそこで書き貯めた200を超える「一人メシ」の記録から厳選して「冷蔵庫のドアを開けてないものを嘆くより、あるもので喜びながら無心で作るめし」をコピーに、初のレシピ本「ブルックリンでソロめし!」をカドカワから上梓しました。粉(小麦粉)を一切使わないお好み焼き「粉ないもん」とか納豆をカルボナーラに見立てた「ナットボナーラ」とか。現在人生のスパンは男性が84歳、女性は90歳近くまでと言われています。これは何を意味するのか? 人生が一つの仕事を極めるだけではなく、新たな人生をどんどん興すことが当たり前で可能な時代になったということじゃないでしょうか。ジャズレーベルを興しグリーンカードへエントリーし、この先の人生をNYでお金や名声だけじゃない「本当に自分がやりたいこと」をやるために四苦八苦しています。そのためには痛みはつきものですが、なんとか15年のNY生活で先輩ニューヨーカー達の背中を見て、パニクったりせずに一歩一歩落ち着いて毎日を送れるようになってきました。本当に亀のようなノロさです。NYという街には多様な仕事や趣味を極めようとしている面白い人たちがいっぱいいます。ホテルで週に4日働き音楽の仕事をやるとか、ギタリスト兼タクシードライバーを使い分けるとか、投資をしながら服屋を経営するとか…。年齢も関係なく、人種も混じってて、出会いがたくさんあります。
新しい年、ポップのシンガーソングライターで「WAKUWAKU」というアルバムでデビューして40周年を迎えます。ポップの時代とNYでジャズの時代を生きながら、新しい挑戦のアルバムを夏前に出します。そのため今は家で、ポップの曲をジャズに置き換えるべく編曲したり、「Senri Song Book」と呼べるような新たな曲達を書いてます。どんどんシンプルにストレートで深く楽しくなる音楽を軸に、その中で広がる新たな多様性に挑戦し続けたいです。NYへ一緒に渡った愛犬ぴーすはニュースクール大学時代から僕を励まし一緒に乗り越えてきてます。そんな彼女も今年は16歳。目が不自由になりその分逆に行動範囲が広がった彼女を見ていると、僕も固定概念に縛られて生きてられない、なんでも陽転させてポジティブに行くぞと思えます。こういう時代だからこそ、当たり前を捨て、どこにもない価値観のラブ&ピースを実践して生き残りたいです。みなさんにとって、新しい年がワクワク、素晴らしいものになりますように。
2023年元旦、
ジャズピアニスト 大江千里
シン・ウルトラマン、全米の映画館で劇場公開
SHIN ULTRAMAN
1月11日、12日の2日間限定上映
■動画予告編の視聴有効期限は1月13日までとなります。
1966年の日本におけるテレビ放送開始以来、海外でも100を超える地域で放送され、今なお根強い人気を誇る日本を代表するキャラクター「ウルトラマン」が新たに『シン・ウルトラマン』(東宝)として映画化され、1月11日(水)と12日(木)の2日間、全米 並びに、カナダ、イギリス、アイルランドで劇場公開される。上映劇場数は1000スクリーンに及ぶ。初日11日は 日本語音声/英語字幕版、翌12日は英語吹替版となる。
企画・脚本をつとめたのは、自身もウルトラマンシリーズのファンであることを公言する庵野秀明。そして、監督は、「新世紀エヴァンゲリオン」をはじめ、数々の傑作を庵野氏と共に世に送り出してきた樋口真嗣。
ストーリーは、次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。班長・田村君男に西島秀俊、作戦立案担当官・神永新二に斎藤工、非粒子物理学者・滝 明久に有岡大貴、汎用生物学者・船縁由美に早見あかり、巨人対策のために分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、神永とバディを組むことに。
同作品は昨年、世界7か国15の映画祭に出展し、ニューヨークで開催さ年れたNYアジアン映画祭での上映には、樋口真嗣監督、東宝プロデューサーの西野智也さんが来米した。樋口監督は今回の作品を作るに当たっては、脚本を作る前に、ウルトラマンの初代のスーツアクターだった古谷敏さんの体型を3Dでコピーするところから始めたという。作品自体もジオラマを作っての特撮は3シーンだけで、あとは全てCG撮影だというが、実写特撮の本家本元である円谷プロの遺伝子はしっかりと作品に感じさせる。(三)
郊外の上映館検索と前売り券を購入できるウエブサイト
https://www.fathomevents.com/events/Shin-Ultraman
■NY市での主な公開劇場■
Regal E-Walk & PRX 247 W42nd St.
AMC Empire 25 234W42nd St.
AMC 34th Street 312 W34th Street
編集後記 2022年 12月17日号
【編集後記】
みなさん、こんにちは。マンハッタンの賃貸住宅の平均家賃が今年6月に初めて5,000ドルを超えて、11月には5,249ドルに達したと不動産会社のダグラス・エリマンが報告しています(本紙今週号16面に記事)。1ドル136円で換算すると日本円で実に71万円以上になります。家賃は収入の3分の1程度に抑えたいというそんな尺度を昔聞いたような記憶がありますが、それに当てはめるとマンハッタンに住むには年収20万ドル程度が必要ということでしょうか。世界1物価が高いNYで、ホテル代もホリデーシーズンプライス、木で鼻をくくったような部屋が週末料金で一泊700ドルもしたという悲鳴が聞こえてきます。一方で、NY州会計監査官は、2021年のNY州の貧困率が全米平均12・8%を上回る14%(約270万人)だったという最新のデータを発表しています(同4面に記事)。ニューヨーカー7人に1人は貧困ということです。NY州の貧困率は、2020年までの10年間で2・3%減の12・7%となりましたが、コロナ禍で再び上昇したとのこと。貧困線は、所得、家族の大きさ、構成のデータを異なる家族の人数に必要な家計と比較した米国勢調査局の数値を指標としていて、21年の貧困線は、1人暮らしで年収1万3,788ドル、4人家族で2万7,740ドルということでマンハッタンと州全体の格差は相当なもの。日本企業も駐在員の住宅補助が円安の中で大変です。今や日本でも6人に1人が貧困にあるそうです。世界第3位の経済大国と呼ばれる一方で、日本は「貧困大国」と呼ばれることもあります。日本が経済大国とされる理由は、GDP(国内総生産)の数値が元になっていて、GDPとは、1年間の「民需+政府支出+貿易収支の総額」で、日本はこれで米国、中国に次いで3番目に高いとされるから経済大国となる由縁です。他方、貧困大国であることについては、GDPではなく「相対的貧困率」が根拠になっていて算出方法は、「国民の等価処分所得の中央値の半分未満」、具体的な金額で言うと、1人世帯で年間127万円未満で生活している人たちが貧困層ということになるのだそうです。発展途上国の絶対貧困の定義は1日1・9ドルの食費で生きていることだそうです。タイムズスクエアのホットドッグが1本6ドルと言われた時にはさすがに断りました。生活費は国によってめちゃめちゃに違うのですね。この世界1物価の高いNYでどうやって生活を守っていけばいいのか。答えは色々あって、これだ!と言い切れませんが、紙面では「現象としてのリアル」の断面を伝えることで今私たちが生きているNYの姿をお届けします。ということで、今週号で年内のレギュラー号は終わりです。今年も1年間ご愛読ありがとうございました。これから2週間かけて新年号を作ります。新年号は28日にはお届けします。それでは、みなさん、よい週末を。そして少しまだ早いですが、良い年をお迎えください。では、次回は新年号でお目にかかります。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)
【今週の紙面の主なニュース】(2022年12月17日号)
(1)NYに新型地下鉄車両 川崎車両が受注
(2)サンタ大集合
(3)ストンプが閉幕 日本人スター宮本やこ生む
(4) 人材の再配置が必要な日本 アメリカ時評
(5)NY日系人会晩さん会 助け合って115年
(6)朝鮮戦争の英雄 日系二世のミヤムラさん死去
(7)日本の骨董品が米国で新たな命
(8)写真を撮ることで自分自身と出会った
(9)クリスマスだから ニューヨークの魔法
(10 ) レトロな地下鉄 ホリデー走行
NYに新型地下鉄
川崎車両が640台受注
会話型座席役目終える
メトロポリタン交通局(MTA)はこのほど川崎車両に17億ドルで640台の新型車両R211を発注した。R211はドアが従来のものより8インチ(約20センチ)広く、また各車両間のドアがなくスムーズに行き来できるオープンギャングウェイを採用。座席の多くは混雑時や車椅子のために折り畳むことができ、情報ディスプレイ、Wi-Fi、LED照明などの新機能も組み込まれている。2021年に試験車両が搬入されていた。今後、B、D、N、Q線などから順次、投入される。
ニューヨーク市の古い地下鉄車両約3000台は2028年までに順次新型に置き換えられるが、これまであった「会話型座席」は消えることになりそうだ。最大で1592台が製造されるR211は一般的な通勤電車同様、車両内の両側に内向きの座席だけがあるスタイルとなっている。
「会話型座席」は車両側面の3つのオレンジ色の席と、鉄道列車のように前後ろを向いた黄色の2座席を組み合わせたもので、座っている人も外の景色が眺めやすく、また乗客同士が会話しやすい。起源は118年前の最初の地下鉄までさかのぼる。地下だけでなく高架も走るニューヨークの地下鉄では、景色を眺めやすいことから廃れずマンハッタン・スタイルと呼ばれ採用されてきた。しかし1970年代から使われている車両は最新の車両の2倍以上の頻度で故障するためサービスの信頼性が損なわれていた。ラッシュ時の混雑緩和もあり、これを機会に「会話型座席」は過去のものとなるようだ。
サンタ大集合
街にサンタがやってきた。しかもいっぱい! クリスマスを前に、市民がサンタクロースの格好をして街に繰り出すイベント、サンタコンが10日、ブロードウエー38丁目で開かれ、数百人のサンタが集まった。遠く郊外から電車に乗って集まってきたグループも。週末には雪もちらつき、ホワイトクリスマスになるか。お楽しみ。(写真・三浦良一)