【今週の紙面の主なニュース】(2023年10月28日号)

(1)平和伝える使者来米 よこはま子どもピースメッセンジャー

(2)鳥取県が観光誘致 平井知事が大使公邸でトップセールス

(3)NYで合同県人会 26団体が参加して意見交換 

(4)松楓殿が日米結ぶ 高岡商工会議所が日本クラブ訪問

(5)秋の味覚、松茸を美味しくいただく 生き生きEATS

(6)Brooklynのヤマモトさん 2 TALeA Beer

(7)マジックタッチ ニューヨークの魔法

(8)クック膳を全米の大学生に ハーバードとプリンストン大の街でPR

(9)SERI~ひとつのいのち ミュージカル舞台動画上映会12月11日に

(10)桃太郎、後楽園、デミカツ丼 岡山県岡山市ふるさと自慢旅案内

平和伝える使者来米、よこはま子どもピースメッセンジャー

国連本部訪問を報告

「戦争のない世界は対話こそ」実感

 横浜市(山中竹春市長)が実施する「よこはま子どもピースメッセンジャー」の本年度の参加者が、体験の成果を20日、ニューヨークの横浜市米州事務所(関谷聡所長)で行われた記者会見で語った。この事業は、「国際平和のために、自分がやりたいこと」をテーマに日本で行ったスピーチコンテストで、約5万人の応募の中から選ばれた横浜の小学6年生2人、中学3年生2人の計4人をニューヨークに派遣し、国際連合本部、ユニセフ本部、UNDESA国連社会開発部門、ユネスコ事務所、国連日本代表部などを訪問、横浜市の児童生徒の代表として国際平和について学び、平和に対する思いを直接伝える機会を与えるもの。同市では平成8年(1996年)から同ミッションを続け、今年で27回目となる。横浜の子どもたちは、関係機関代表者との会談を経験、国連国際学校でも授業を体験した。4人にとっては、ロシアとウクライナの戦争の長期化、イスラエルとハマスによる中東情勢が穏やかでない今だからこそ、平和についての理解を深め、自分のできることを考える機会となったとそれぞれが体験を語った。

 会見したのは、横浜市内戸塚区品濃小学校6年生の吉田愛さん、盲特別支援学校6年生の島田優心さん、磯子区森中学校3年生の大野瑞葉さん、港北区日吉台西中学校3年生の佐々木春樺さん。

 大野さんは、7歳の時から空手を始め、現在は黒帯の有段者。男子が多いため無意識の差別感を感じたことでジェンダー問題に意識を持ったという。今回UNウーマンの代表と国連で面会し、男女平等やLGBTQが世界でどう進んでいくのかについて聞くことができ、その中で、「お互いを知ること、理解することが大事だという価値観を得ることができた。将来について何かになりたいというものはまだないが、いま世界は真っ暗闇だが、社会人になった時にもし平和になっていればそれを継続、維持する活動や仕事に就きたい」と話した。

 佐々木さんは、日本でユニセフの募金などに協力したが、どこか遠い存在で実感が湧かなかったのが今回ユニセフを訪問して「ここがそうです」と言われた瞬間にその言葉が胸に響き身近な存在に感じたという。「自分は作品を作るのが好きなのでアーティストになりたい。国連の人のように世界を動かすことはできないかもしれないが、自分は1人の心を動かすような人になりたい」と話した。

 吉田さんは「小さい時に家族で中国に住んでいたことがあり、日中の人がお互いによく相手の国のことを知らないのに互いにいい印象を持っていないことが悲しく思え、知ることで自分を変えようというテーマでスピーチをした。今回国連で、話すこと、コミュニケーションをすることが大切だと一人一人のことを見て話してくれたことが心に刺さった。知ることが何より大切だと思った。将来は国連で働くこともとても気になっている」と話した。

 島田さんは「家族が大好きです。今回家族と一週間離れてとても寂しいけれど、戦争で家族と会えなくなった人たちがいることが悲しくて平和についてのスピーチをしました。自分は生まれつき目が見えにくいです。戦争によって、目が見えていた人が目が見えにくくなってしまうのは悲しいですし、ぼくと同じような子どもたちが体が不自由になってしまうのは嫌だと国連の偉い人に伝えました。国連の人から一緒に働きませんかと言われて、働いてみたいと思いました」と話した。児童生徒を引率した横浜市教育委員会事務局の小中学校企画課主任指導主事の兵頭律子さんは「記者の皆さんからの質問に答えることで自分の考えをまとめることができたし、一週間で自分がやったことを価値付けられたのではないか」と話した。

(写真)左から佐々木さん、大野さん、島田さん、吉田さん(20日、横浜米州事務所で)

鳥取県が観光誘致

森NY総領事大使公邸でイベント開催

平井知事がトップセールス
「食のパラダイス」をPR

 鳥取県は、米国からの観光客誘致キャンペーンの一環で、平井伸治知事が来米し20日、ニューヨーク市内の総領事大使公邸でメディアや旅行業、食品販売関係者らを招き、「食のパラダイス」PRイベントを開催した。県として正式にNYでプロモーションを行うのは今回が2度目。

 はじめに、NY自治体国際化協会(クレア)の職員としてNYに駐在経験のある平井知事が流暢な英語でスピーチ。カニやアジ、サーモンをはじめとした数々の魚介類の総水揚げ量が過去に5年連続日本一を記録した境港を擁し、豊富な食材を楽しめる同県の魅力をアピールした。また、同県出身の「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげる氏と、「名探偵コナン」の作者青山剛昌氏に因み、県内2つの空港名を「鳥取砂丘コナン空港」「米子鬼太郎空港」に改名したほか数々の関連施設を設置するなどして「マンガ王国」として推していることを伝えた。次に、森美樹夫・在ニューヨーク総領事大使が挨拶。学生時代から旧知の関係である平井知事のPR活動を支援していることを表明、数々の温泉や大山、砂丘など、見るべきものが多い鳥取の魅力を話した。

 引き続き、2人の県職員と、ゲストスピーカーとして「覆面サケプロモーター」のSAKEMAN BLUE氏が登壇。名水が湧き酒造りに適した高品質米が育つ同県では31もの酒蔵があり数々の銘酒を製造していること、そして、大山、砂丘ミュージアム、花回廊、皆生温泉や三朝温泉など、魅力的な観光地も多くあることを紹介した。

 その後、参加者には、同県自慢の魚を握った寿司や、県産の海の幸・山の幸をふんだんに使った料理の数々、また鳥取県の地酒を使ったカクテルなどが振舞われ、舌鼓を打っていた。

 平井知事は、「近年欧米からの観光客が増えて手ごたえは感じているが、世界のショーケースであるNYで県の魅力をPRさせてもらえることは大変ありがたい。2025年の万博で関西に世界中から観光客が押し寄せることが期待されているが、そこから少し足を伸ばして鳥取にもぜひ来てほしい。また、アメリカに大勢いるアニメファンにも『聖地』のひとつである鳥取に来てもらえたら嬉しい」と語っていた。

(写真)県産の地酒をPRする(左から)森大使、県職員の若松さん、SAKEMAN BLUE氏、平井知事

松楓殿が日米結ぶ

高峰譲吉の別邸

高岡商工会議所が日本クラブ訪問

■高峰譲吉博士 (たかみね・じょうきち・1854〜1922)富山県高岡市生まれ。結婚後、アメリカに永住。消化酵素タカジアスターゼ、ホルモンのアドレナリンを発見し「近代バイオテクノロジーの父」と呼ばれた。ニューヨークの日本人コミュニティーを作った一人であり、当時の東京都知事・尾崎行雄とともに、私財を投じてワシントンDCのポトマック川に桜の木を寄贈、日米親善にも多大な功績を残した。ジャパン・ソサエティーと日本クラブの設立に関わり日本クラブの初代会長を務めた。

修復に携わった数寄屋大工故小林繁氏
改築資料を高岡市に寄贈した妻が来米

 日本クラブ初代会長、富山県高岡生まれの化学者、高峰譲吉博士(1854〜1922年)の別邸「松楓(しょうふう)殿」は、1904年アメリカ・セントルイス万国博覧会にて日本館のパビリオンとして建設され、博覧会終了後、高峰博士が譲り受けNY郊外(Forestburgh)に移築し、日米親善の社交場や政財界の要人の迎賓館として利用された。

(写真上)高峰譲吉博士の写真を中心に日本クラブで記念撮影
左から4番目日本クラブ前田正明事務所長、右から3番目増地矢恵子さん、4番目小林遹子夫人、そして高岡商工会議所の方々

 日系の歴史を学ぶため、ニューヨーク育英学園の児童たちが授業の一環の見学学習でよく訪れていた松楓殿(2010年頃撮影)

 数奇屋大工としてNYを中心に活動した故・小林繁氏は、90年代後半から松楓殿の改築・修復作業に携わり、その際に小林さんが集めた関連資料を、妻の小林遹子(いつこ)夫人がご主人の逝去後、どこかに寄贈したいと思い、友人のアルツハイマー病の研究家、増地矢恵子さんに相談。増地さんが高峰博士の生誕地の富山県高岡市に連絡を取り、2023年春、小林夫人の代理として高岡市を訪れて寄贈した。

 今回、高岡商工会議所の方々が高岡市の団体研修のためNY訪問し、10月18日に小林夫人と増地さんと一緒にウッドローン墓地の高峰博士のお墓や、キャッツキルにある松風殿跡地を訪れ、そして日本クラブを訪問した。

 高岡商工会議所では、高峰博士の偉業を後世に伝える「高峰譲吉博士顕彰プロジェクト」を立ち上げ、その一環として松楓殿再現事業にも取り組み、令和2年より高岡商工ビル1階ロビーで、その一部を再現公開している。

 今回は、松楓殿の再現展示や調度品の管理、パンフレットの作成を行う会社など、松楓殿再現に関わりのある企業などが日本クラブを訪れ、日本クラブ前田正明事務所長と歓談した。また、小林氏が作った日本クラブ4階の和室・松の間と竹の間、3階の和風の化粧室などを見学した。小林夫人は「私の人生には常に松楓殿がある」と語った。

NYで合同県人会

26団体が参加して意見交換

 ニューヨークにある各県人会の集まりである合同県人会秋の食事会が20日夕、NY日系人会で開催され、26団体35人が参加した。当日は、各県人会の自己紹介に続き、幹事の木下信義さん、松浦玲子さんから今後は各県に派遣されてアメリカに戻ってきたJETプログラム参加者や、地方自治体の機関であるクレアとの連携を深めたいこと、また来年からは「県人会フェア」を催したいことなどが議題として協議され、合同県人会を単なる各県人会の代表者の懇親会に留めず、参加メンバーに役立つようさらなる展開に向けて話し合いをしていくことになった。意見交換のあと、参加者たちは持ち寄った地元の酒や会員手作りの料理を振る舞われて和やかに歓談した。

 当日の参加県と出席代表者は次の通り。青森(金澤恵之、松浦玲子)、秋田(佐藤恵子)、茨城(吉田圭佑、菊池恵美)、栃木(渡辺洋子)、埼玉(井上太一)、千葉(松本哲夫、江波戸操吉)、東京(桜庭大輔)、神奈川(鎌倉会・篠崎晃、篠崎静江)、石川(宮本ボーグ麗、木越彩子)、福井(安岡佳一)、愛知(河野洋)、大阪の会(滝田よし)、奈良(日下武)、和歌山(松本真由美、岩上裕)、島根(宮本サミー)、岡山(有本まゆみ)、NY広島会(天野マイク)、山口(村田直之)、徳島(ハリー西谷、松田仁恵)、長崎(木下信義)、大分(近藤三奈)、鹿児島(榎田和久)、奄美・鹿児島(栄 秀吉)、NY日系人会(野田美知代)、地球(県人会無所属の有志の会・松本和之)、 JETAANY (ライアン・ハタ、アシュレー・マタラマ、ピーター・ヤング)。

秋の味覚、松茸を美味しくいただく

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (42)

 今月の生き生きEATSは、秋の味覚、松茸を使った3品です。ニューヨークの老舗、レストラン日本で勤続44年のベテラン総調理長、東 亨(あずま・あきら)さんに、同店にこのほど初入荷したオレゴン産の松茸を使った「松茸の天ぷら」「松茸の土瓶蒸し」「松茸アルミホイル焼き」のご家庭での作り方を紹介いただきます。松茸は赤松に生えるキノコですが、米国では針葉樹に生えるオレゴンのキノコが松茸とほぼ同じ香りと食感のため「オレゴン産松茸」として日本に輸出されています。松茸がない場合はエリンギでも代用できます。

レストラン日本

155 E52nd St., New York, NY (Bet Lex & 3rd Ave.)

Tel 212-688-5941

www.restaurantnippon.com


◾️松茸の天ぷら

【材料】(2人分) 

松茸 2本

春菊 1〜2枚

すだち 1個

天つゆ

だし汁 1/4カップ

みりん、しょうゆ 各大さじ1/2

天ぷらごろも

小麦粉 大さじ6

塩 小さじ1/4

水 1/2カップ

揚げ油

【作り方】

 天ぷらごろもの材料を混ぜ合わせ、半分に縦に切った松茸と春菊を添えて箸でくぐらせて一緒に揚げ、高温(約180℃)に熱した揚げ油カラリと揚げて油をきる。皿に盛り、すだちと天つゆを添える。松茸が手に入らない場合は、エリンギを代用しても食感や風味を楽しむことができる。塩で食べてもいいですよ。


◾️土瓶蒸し

 松茸の無い時はエリンギ、しめじ、舞茸代用でも出来ます、エリンギは食感が松茸に似ていますのでお勧めです。

【材料】(2人分/300CC) 

出汁 300cc

塩 少々

松茸(エリンギでも可)薄切り一人2〜3枚 小1本

海老のすり身か茹でた海老 小1

白身魚 2切れ

銀杏(一人2〜3個) 6〜9粒

茎三つ葉 適量

すだち 1.5個

【作り方】

 出汁をとり塩を入れ一煮立たせておいて下さい。すだちを絞っての塩味です。すだちが無い時は塩味を少しだけ控えて下さい。

 銀杏、白身魚など材料を入れ、だし汁を8分目入れ直火に掛ける。直火の時ダシがクツクツいい始めたら沸騰する直前に火を止め、茎三つ葉を入れて蓋をする。直火に掛ける場合は土瓶の底の水分をよくふき取って下さい。


◾️松茸のアルミホイル焼き

【材料】(2人分) 

松茸 (60g) 2本

塩 ひとつまみ

しょうゆ (仕上げ用) 小さじ全

日本酒または白だし 少々

すだち 少々

【作り方】

 すだちを半分に切る。松茸は石づきの硬い部分を包丁で削ぎ、濡らしたキッチンペーパーで汚れを拭きとる。広げたアルミホイルに松茸をのせ、日本酒または市販の白だしをかけてふんわりと包みます。オーブンに入れて7分程、松茸がしっとりするまで焼きます。器に盛り付け、お好みでしょうゆをかけ、すだちを絞って完成です。

TALeA Beer

(2)

 今回ご紹介するのは大好きな醸造所のTALEA BEER & COです!クラフトビールと軽いおつまみがメインの、とにかく広くて開放的な店内が特徴です。友達と軽くおしゃべりしたり、絵を描きに行くこともあります。この会社の缶ビールはスーパーでも買うことができますが、お店ならドラフトで飲めるのが嬉しい。いろいろな種類がありますが私のお気に入りはIPA。花のような香りがしてとても美味しいです。若手の女性二人が始めたブルワリーということで、とってもニューヨーク的。今度マンハッタンに2店舗新しくオープンするそうで、いけいけドンドンってな会社ですね!

 ヤマモトレミ 89年生まれ、福岡県出身の漫画家。2017年に仕事の異動で東京からNYへ移住。日本食スーパーで社員として働きながら趣味で漫画を描いていたら楽しくなってしまい2021年に退職、漫画家として本格的に活動を開始。2023年現在ブルックリン区在住。単行本発売中!

(Instagram:@Yamamotoinnyc)

マジックタッチ

 ワールドフィナンシャル・センターの前にちょっとした横長の人工池がある。その前にカフェのようにテーブルと椅子が並べられていて、一部は誰でも使えるスペースになっている。

 木陰のテーブルにすわり、コーヒーを飲みながら、仕事をしていた。人工池のふちから、垂直に水が流れ落ちていく。

 白人の親子四人が、すぐ近くのテーブルにすわった。親たちがおしゃべりを始めると、兄妹らしき四、五歳の子どもがふたり、待ちきれないといった様子で、元気よく池に駆けていった。

 女の子は、赤毛でソバカスがある。ピンクのバンダナを頭に巻いている。

 男の子が右手の指先をそろえて、流れ落ちてくる水を横に切ると、池の水面に小波が立った。

 どうだ、すごいだろう!

男の子が腰に両手を当て、胸を張って、女の子に言う。

 それを見ていた妹が、目を真ん丸くして、大きな声で叫ぶ。

 うわあ、すごい! すごいわ、マイケル(お兄ちゃん)! あたし、驚いちゃった! 

 妹は尊敬のまなざしで兄を見つめる。心の底から感動しているようだ。

 兄は得意になって、何度も水を切る。

 ほら、見ろよ。このマジックタッチを!

 本当にマジックタッチね! すごいわ! ねぇ、お兄ちゃん、あたしもマジックタッチ、できるかなあ。

 やってごらんよ! できるかもしれないよ!

 妹は見よう見まねで、右手で水を切る。

 池の水面に小波が立つ。

 Emily, look at you! 

 エミリー、すごいじゃないか!

 お前もマジックタッチ、できたじゃないか!

 すごい、すごい! あたしもできたわ、お兄ちゃん! あたしたち、ふたりとも、マジックタッチをマスターしちゃったのね!

 すっかり魔法の世界に入り込んだふたりは、見る人の心を和ませる。

 水面に立つ小波のように、魔法は大人たちの心にも広がっていく。

 池の中にそっと右手を入れて、私も水を切ってみる。

 このエッセイは、シリーズ第3弾『ニューヨークの魔法のことば』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

クック膳を全米の大学生に

ハーバード大とプリンストン大のお膝元でPR

千葉真知子さんがマルイチで実演

 電子レンジ鍋「クック膳」を開発した本紙でお馴染みの料理研究家、千葉真知子さんが10月13日と14日にボストン、20日、21日にプリンストンの日系スーパー、マルイチでデモンストレーションを行った。全米の大学の寮ではこれまで炊飯器、電気ポットの使用が可能だったが、電子レンジ以外は使用禁止となった。千葉さんが料理研究家として20数年住んだ地元仙台で、宮城県政策委員、放送局の番組審議委員などに推薦してくれた一部上場企業の商社カメイの亀井文蔵元会長の縁で長男の文行現会長の全面協力によりクック膳を全米の大学の生協で販売活動を始めようということになったのだ。カメイ商事が、セントラル貿易、全米のミツワ、片桐を巨大買収したこともあってクック膳の全米展開に一気に弾みがついた格好だ。

 ハーバード大学とプリンストン大学のキャンパス近くに出店したマルイチの渡会益克社長の協力で実演販売が実現。クック膳は米国のセントラル貿易が販売代理店となって全米展開しているが、千葉さんは「50年に一度あるかないかのビジネスチャンスを感じた」と20年来の取引で世話になっているセントラル貿易NY支社の谷田洋行支社長に現地でのデモ販売をできないか相談すると全面協力してくれ、ハーバード、プリンストン大学まで同行して寮生活している学生や近隣に住む大学教授たちにクック膳をPRすることができた。20日のプリンストンでは、ノーベル賞を受賞した真鍋教授夫妻が来店した。真鍋夫人は茶道表千家の教授で、米国人のお茶の生徒たちを伴っての来店。和菓子の型は大切な道具の一つで千葉さん開発の和菓子シリーズを使っていたことを知り、お互いに初対面で手を握りあって喜ぶ場面も。その後千葉さんは谷田社長とマサチューセッ工科大学、ボストン大学、コロンビア大学の売店、生協も回るなど精力的に営業中だ。千葉さんは「亀井会長、セントラル貿易の磯田社長、谷田支社長の見事な連係プレー」と喜んでいた。

(写真右)プリンストンではクック膳和菓子の型を愛用しているノーベル賞受賞の真鍋教授夫妻との出会いもあった
(写真左)ハーバード大学生協でクック膳をセントラル貿易谷田支社長とPR

「SERI~ひとつのいのち」ミュージカル舞台動画上映会

12月11日にスカンジナビアハウスで

 日本を拠点に活動を続けている一般社団法人 TruBlue は12月11日(月)午後6時30分から、スカンジナビアハウス(パーク街58番地)で『SERI ~ひとつのいのち』のミュージカル舞台動画上映会(英語字幕付)を開催する。

 ニューヨークで誕生した、目が見えず、話すこともできない少女「千璃(セリ)」を巡る実話をミュージカル化した作品で、昨年秋に東京と大阪で全16公演が上演された。原作から色々な視点の葛藤を抽出し、さまざまな立場の人にメッセージを届けようと試みた同作品への評価は非常に高く、再演を期待する声が多く寄せられている。そのなかで、まずこの作品を実話の舞台となったNYの皆様へ届けたい、そこから発信されるメッセージをまずNYの皆様に受け取っていただきたいという関係者の強い想いが重なりこの上映会が企画された。

 同作品は、障害児を異国で育てる苦労、自身の心と身体との戦い、友人・家族との葛藤、娘・千璃の誕生にまつわる医療裁判、繰り返される娘の手術などが描かれる。原作「未完の贈り物」(2012年)には、母であり異国の地で働くキャリアウーマンとしての倉本美香の視点から手記の形で千璃を取り巻く8年間の話が綴られている。ミュージカル舞台化においては、その千璃自身が感じたであろう事に想像を巡らせ、千璃とその母・美香、父・丈晴の親子3人を通して、人と人が共感し共存するということの本質についてのメッセージがちりばめられている。出演は、山口乃々華、奥村佳恵、和田琢磨、植本純米、小林タカ鹿、樋口麻美、辰巳智秋、内田靖子、長尾純子、小早川俊輔。上演時間125分。司会進行はFCIキャスターの久下香織子さん。

 入場料は30ドル〜(寄付)。申し込み・詳細はウェブサイトhttps://seri-ny-screening.peatix.com/を参照する。

桃太郎、後楽園、デミカツ丼!

岡山県岡山市・ふるさと自慢旅案内

日本のいいとこ再発見

 今回のふるさと自慢は岡山市をご紹介します。岡山市(おかやまし)は、岡山県の南東部に位置し、岡山県の県庁所在地および人口約72万人の政令指定都市です。

 「晴れの国」として知られている岡山市は、瀬戸内の温暖な気候を活かしたマスカットや白桃などのフルーツの栽培が盛んで、岡山県が全国生産量第1位を誇るマスカット・オブ・アレキサンドリアは全国的にも有名です。

 美味しいものだけでなく、歴史的には古代より吉備文化の発祥地として栄え、造山古墳をはじめとした古墳群が今も数多く残っており、「桃太郎伝説」の生まれたまちとして日本遺産に認定されています。ここではみなさんに岡山市を知ってもらえるよう初めて岡山に来られた方に楽しんでいただけるコンテンツをいくつかご紹介します。

桃太郎とその仲間の銅像(写真・岡山市観光協会)

■岡山のヒーロー「桃太郎」

 その伝説には諸説ありますが、岡山の人々にとって「桃太郎」は間違いなく岡山出身だと信じています。岡山駅で下車すると、桃太郎とその仲間たちの銅像が出迎えてくれますが、実は桃太郎、街中のいたるところにいるので、彼を探しながら街歩きをするのも面白いでしょう。

■移動も楽しい路面電車

岡山市内を走る路面電車(写真・岡山市)

 「おかでん」の愛称で親しまれている岡山電気軌道の運行する路面電車での移動をお勧めします。もちろんバスやシティサイクル(ももチャリ)での移動も可能ですが、最新車両からどこか懐かしさを感じる車両までバラエティ豊かな車両を楽しめるのもおすすめポイントのひとつ。期間限定のラッピング電車や、世界で大人気の鉄道アニメ「チャギントン」を模した「おかでんチャギントン」、昭和44年から運行している最古の車両をリニューアルしたレトロ車両「KURO」など、実際に乗るもよし、街を走るバラエティ豊かな車両に出会うのも楽しいと思います。

■四季折々の後楽園

 岡山後楽園は、江戸時代を代表する大名庭園の一つです。

 岡山藩2代目藩主・池田綱政(つなまさ)が自ら憩いの場として築いた大庭園であり、江戸時代の姿を大きく変えることなく現在に伝えられています。季節の花が彩る広々とした園内は江戸時代さながらの別世界。広い芝生地や池、築山、茶室は園路や水路で結ばれ、歩きながら移り変わる景色を眺めることができる「回遊式庭園」です。

水戸の偕楽園、金沢の兼六園とともに「日本三大名園」として称されている岡山後楽園ですが、1952年には歴史的文化遺産として「特別名勝」に指定され、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは三つ星を獲得しています。

 また、季節ごとに期間限定開催される夜間特別開園「幻想庭園」はライトアップされた園内は昼間とは全く異なる趣を感じることができます。せっかくなら昼と夜2回訪れてもらいたいくらいに、おすすめの場所です。

(写真上)後楽園の夜間特別開園「幻想庭園」(写真・岡山市観光協会) 

■やっぱりグルメは外せない!

名物のデミカツ丼(岡山市観光協会)

 岡山の郷土料理には、まつりずし(ばらずし)やママカリの酢漬けなどがあります。海の幸と山の幸を両方楽しめる岡山では、いずれも味わってみていただきたい料理です。

  さらに、岡山のご当地グルメとしてぜひ食べていただきたいのが、味わい濃厚「デミカツ丼」!とんかつにデミグラスソースをかけた岡山のご当地丼です。1931年創業、老舗とんかつ店「味司 野村」がデミカツ丼発祥の店として知られています(路面電車やバスに乗っていると必ず宣伝アナウンスが流れます)。現在では、岡山県内でデミカツ丼を提供するお店が増え、岡山を代表するご当地グルメになっています。今回ご紹介したコンテンツは、いずれも岡山駅からアクセスがいいので、岡山に立ち寄る際にはぜひ参考にしてみてください。

 (有本まゆみ、岡山市派遣/自治体国際化協会・クレアNY務所派遣)


■岡山市観光スポット案内版■

■桃太郎のマンホール

https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000017175.html) 

■後楽園(https://okayama-korakuen.jp/

■デミカツ丼(https://www.okayama-kanko.jp/okatabi/538/page) 

■岡山市の観光情報サイト

 (https://okayama-city-travel.com/sightseeing/

【今週の紙面の主なニュース】(2023年10月21日号)

(1)豊洲直送の魚屋さん Wegmansマンハッタンに開店

(2)就職内定取り消しも ハマスとイスラエル紛争大学に

(3)ウルトラマン登場 NYコミコンでライブ

(4)米国永住権申請資格を抽選で DV2025スタート

(5)介護のいらない体づくり 馬場田晃一さん

(6)日本人男性か? ロス南郊で重体で発見

(7)風の環定期コンサート今年で最終回 音楽監督 白田正樹さん

(8)化粧の芸術美を追い求める人生 メイクアップアーティスト 小林照子さん

(9)フルクサスと日本人女性 60年代初頭の芸術活動

(10)人類とAIとの生存戦争  シネマ映写室